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2010年4月 4日 (日)

J・S・バッハ「マタイ受難曲」のCDとDVD

2010年の今日(4月4日)は、教会歴では、復活祭ですね。
ハレルヤ!

復活祭であるにもかかわらず、今回の話題は、
マタイ受難曲」です。
(以下、「マタイ」と略記)

今、我が家には、「マタイ」では、
カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団・合唱団による、
1971年収録のDVD(輸入版)と、1958年録音の全曲CDと、
抜粋版CDがあります。
カール・リヒターは何度も「マタイ」を録音していますが、
一番すばらしいのは、1958年録音のものです。

以前(十数年前)、「マタイ」だけで、10種類ぐらいのCDを持っていました。
いろいろ聴きましたが、やはり最高は、リヒターによる1958年録音版です。
これについては、多くの人がコメントしていると思います。
(メンゲルベルクのがいい、とか、
古楽器のがいい、とかいろいろ意見はあるでしょうが・・・
メンゲルベルクのは、やり過ぎ、リヒター以外のモダン楽器版は重たすぎ、
古楽器は軽すぎだと思います。
リヒターの他の版は、ソリストがベストではありません。
まだきちんと聴いてはいませんが、
リヒターの指揮以外で期待できそうだとすれば、
鈴木雅明指揮BCJのぐらいでしょうか。)

「マタイ」を聴くのであれば、最初から全曲に挑戦するよりも、
リヒターの1958年版のハイライト版から聴いた方がいいと思います。
これで感動するなら(たぶん、ものすごい感動があると思いますが・・・)、
迷わず全曲盤に手を出しても大丈夫です。
リヒターの1958年盤「マタイ」で特に好きなのは、
第1曲:合唱「来たれ、娘たちよ、われと共に嘆け」、
第35曲:コラール「人よ、汝の大いなる罪を悲しめ」、
第47曲:アリア「憐れみたまえ、わが神よ」
第71~73曲、
第75曲:アリア「わが心よ、おのれを潔めよ」、そして
第78曲:終結合唱「われら涙流しつつひざまづき」です。
(日本語題は、いずれも杉山好氏の訳によります。)

第1曲は、イエス様が十字架を背負いつつ、ゴルゴタの丘に歩いていくのが、
目に見えるようです。あまりに感動的な部分なので、
滅多に聴かないようにしています。
第71曲~第73曲のところもすばらしいです。
特に、「げにこの人は、神の子なりき」(杉山好氏訳)の美しさ!
たった2小節ですが、神秘の世界を垣間見ることができる音楽です。
そして、第75曲「わが心よ、おのれを潔めよ」の清純さ!
これは、いろいろなCDを聴きましたが、リヒターの1958年盤における、
フィッシャー=ディースカウの名唱を凌ぐものは1枚もありません。
フィッシャー=ディースカウの数多い録音の中でも、最高の部類なのでは、
とさえ思えるほどです。
「マタイ」の頂点かもしれません。

ちなみに、私が「マタイ」を聴く場合(滅多に聴かないことにしていますが・・・)、
アリアとコラールの大半(特に、アリアのほとんど)は、飛ばして聴いています。
どうも、あまりにも感傷的な歌詞が、好きになれないので・・・
コラールとアリアは、ポイントを絞って聴く程度で十分だと考えます。
聖書の言葉だけでも、十分に感動的ですよ。

私がイエス様を確かに信じたのは、誰かから伝道されたからではなく、
実は、「マタイ」を聴いたからでした。
「マタイ」を通して、イエス様の十字架が、私の罪のためである、
とはっきり悟らされました。高校生のときでした。
それぐらい、「マタイ」はすごい作品なのです。
(そういう意味で、私は、250年もの時を経て、バッハさんに伝道された、
と考えています。
もっとも、イエス様の十字架がわかっても、きちんと教会に通うようになったのは、
それから何年も後の話です。)

バッハ:マタイ受難曲 ハイライツ

バッハ:マタイ受難曲

(全曲盤の輸入盤)

リヒターの演奏は、最近ではDVDも出ています。
ソリストは1958年盤と比べて当然落ちますが、
リヒターの指揮ぶりがわかりますし、
何よりも、歌詞対訳を見なくても、画面を見ていれば、字幕が出てくることが強みです。
ドイツ語が苦手な人には、こちらはオススメです。
ちなみに、我が家のは、輸入版なので、残念ながら、日本語字幕はついていません。
(中国語字幕はついているのに・・・)

輸入盤DVD

国内盤DVD

(2012年4月19日追記)
1958年録音のリマスタリング盤がProfilレーベルから4月に出ました。

※タワレコのサイトの方が安く購入できます。

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