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2010年4月12日 (月)

特集「大学1年生に社会常識を指導」~NHK「おはよう日本」4月11日放送から

新入学のシーズン、今は春の交通安全運動が実施中ですね。
(今年は4月6日~4月15日ですね。)
こういうのは、主に小学生が対象なのですが、
今朝、NHKニュース「おはよう日本」の「特集」を何気なく見ていると、
目を疑うような光景がありました。
(ちなみに、日曜のこの時間、いつもは、
がっちりマンデー」を観ていますが、今日はゴルフ中継で放映なしでした。)

今朝の特集は、「大学1年生に社会常識を指導」というものでした。
(番組HPは、以下のとおりです。)
http://www.nhk.or.jp/ohayou/backnumber/20100411.html

最初に、東京女子体育大学における、
学生による通学マナー指導」が取り上げられていました。
近隣住民から、駅から大学への通学マナーが悪い、
との苦情が数多く寄せらたので、大学として取り組んでいる、とのことです。
苦情の具体的には、
「携帯で通話しながら自転車に乗っている」とか、
「ラーメンを食べながら通学している」(オバQの小池さん?)などがありました。
そこで、学生や大学職員などが、学生の通学時に、
「右に寄りなさい」などと指導しているのだそうです。
まるで、小学1年生の子のようでした。
大学においても、誇らしげに(?)、大学HP掲示板において周知しています。
http://www.twcpe.ac.jp/cgi-bin/bbs/bbs.cgi?i=409

次に、金沢大学における取り組みの紹介でした。
大学に新入学した1年生を対象に、
大学・社会生活論」と称して、
ノートの取り方とか、朝食をきちんと食べること、
はてはゴミの分別などまで教えるそうです。
(以前、読売新聞でも取り上げていたようです。)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20071109ur01.htm
これって、小学生のうちに学ぶべきことなのでは、と思いますが・・・
(金沢大学の説明は、以下のとおりです。)
http://hsc.ad.kanazawa-u.ac.jp/sgp/program_overview/program_overview.html
現在、他の大学でも同様の取り組みが行われているそうです。

最後が、山形大学の取り組みでした。
学生の文章作成能力の低下を危惧して、
作文の仕方を教えているそうです。
番組中で、学生の書いた文章が少し映されていましたが、
誤字が結構ひどかったです。
(ホントに、大学生デスカ・・・)
背景には、携帯電話&携帯メールの普及があります。
携帯電話はどんどん「進化」していますが(そんなに「進化」が必要なのでしょうか・・・)、
人間の言語能力がそれに反比例するように「退化」しているのは、
なんとも皮肉なものです。
山形大学の取り組みについては、以下の記事の方が詳しいですよ。
山形大:学生が微妙にやばい!? リポートに話し言葉、書き方講座必修に
毎日新聞WEB版2010年2月8日東京版
http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2010/02/20100208dde041100054000c.html
この記事の最後の方に、文科省の人のコメントが載っています。
文部科学省大学振興課の担当者は「大学生に対し、これほど基礎的なことをテキストまで作って教える例は聞いたことがない」と話している。
高い学費を払って、作文の練習とは・・・

これらの取り組みは、ある意味、時代の要請でもあります。
また、学生のためにもなりますが、
一方では、大学のためにやっていること、ともいえます。
何もやらないで、非常識のまま、社会に学生を出すよりは、
こういう取り組みをすることによって、
大学のイメージ・ブランド力を維持することが狙いのようです。

ゆとり教育、少子化、AO試験の導入などによって、
大学は増え、お金さえあれば誰でも全日制の大学に進学できる一方、
大学の価値はインフレ化しています。

かつての大学のイメージといえば、自主独立、学生による自治などでしょう。
しかし今や、日本の大学が幼稚化しています。
これでは、国際競争力以前の問題です。

日本の大学(全日制)の問題点としては、乱立、AO試験のほかに、
卒業が比較的容易であることです。
だから、早ければ大学2年ぐらいから、「就活」がはじまってしまうし、
クラブ活動ばかりして学生生活が終わってしますような人もいます。
海外からの留学生の多くが、これには辟易しているようです。
日本の大学生は、きちんと勉強しない!
日本の優秀な人材は、米国に流れてしまいます。
もっと大学を減らすとか、少なくとも、米国のように卒業を難しくするなどの、
抜本的な制度改革が必要です。

それと、
進学の動機がはっきりしないで入学する学生が多いのも問題です。
「将来何になりたいか?」というのは、大学生になってから考えることではなく、
もっと早い段階、小学生頃から、考えさせた方がいいと思います。
早期からのキャリア教育はぜひ必要だと考えます。
社会から自分は何をもらうか」ではなく、
社会に自分は何で貢献できるか
そのように考えることができる子が増えれば、
日本社会の未来はまだ希望があります。

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