迷える小羊・迷えぬ小羊・迷わぬ小羊
ある日の教会学校でのエピソード。
私は教会学校で、「まいごのこひつじ」(参考:ルカ15:3~7)というお話をし、
いくつかの質問を子供達にしました。
質問の2つ目は、「迷子になったことはありますか?」というものでした。
この質問の意図は、
「自分が迷子にになったとき、親や祖父母(一緒にいる大人)が、
必死になって、自分の事を探してくれたよね?
そのように、神様も、私達が迷ったままで捨て置くことはない。」
というものでした。
私の質問に応えて、小学校低学年の子と中学年の子、
高学年の子まで手を上げて、
素直に、「迷子になったことがある」と答えてくれました。
ただ、興味深い意見を述べてくれた子がいました。
小学校高学年の子です。
「迷子になったことはない。」
私は少し驚いて、「すごいなぁ、でもどうして?」と問い返すと、
その子は、「親と離れて行動したことがないから。」と答えました。
この発言は、後でいろいろ考えさせれました。
子供は概して好奇心の赴くまま、親(保護者)が目を離したすきに、
いつの間にかとんでもない所に行ってしまうものです。
そして、ふと気がつくと、親がいる場所を見失い、
しまいに不安に襲われ、泣き叫ぶわけです。
人生の通過地点みたいなものですね。
(かくいう私も、迷子経験者です・・・)
ただ、今や、子供にGPS機能付の携帯電話を持たせたりするなど、
なかなか「迷子になれない」場合が多いのかもしれません。
(安全対策という意味では、親はすばらしい配慮をしていると言えますが・・・)
昔は、聖職者から見て、信徒は「迷える小羊」でしたが、
今や、「迷えぬ小羊」も多いのかなぁ・・・な~んて思ってしまいました。
(一番いいのは、
「羊はその声を知っているので、ついて行く」(ヨハネ10:4新共同訳)、
そういう「迷わぬ小羊」(かつて迷っていても、今は迷わない)でしょうね。)
(親が子供を心配して、防犯対策を講じるのは、今の時代、必要だと思いますが、
何事も、やりすぎは禁物ですね。)
迷子になる、というのは確かに現象的には「悪い事」ですし、
場合によっては、命が奪われたり、重度の怪我をするかもしれません。
ただ、「良い子」すぎるのも、どうなのかな、とも考えます。
芋虫がサナギになり、蝶として羽ばたこうとしているときに、
ある人が、「親切心」から、サナギをとってあげたそうです。
(親切心か、単なる興味本位か、忘れましたが・・・)
すると、その蝶は、飛ぶことができなかったそうです。
「かわいい子には旅させろ」とことわざにあるとおり、
ある程度の困難や危険は、子供に経験させておいたほうがいいのかもしれません。
みなさんは、どう考えますか?
ところで、私の所属教会の教会学校では、今年から、
小塩 節&小塩 トシ子著『聖書のおはなし』(キリスト教視聴覚センター)を、
教会学校テキストとして使うことに決めました。
冒頭の「まいごのこひつじ」はその中の一編です。
イラストは、メルヘン画家として知られる永田 もえさんです。
(「もえ」さんの漢字は、「くさかんむり」に「朋」)
とても絵がかわいらしいです。
聖書の話が小さい子どもにもわかりやすく、適切です。
ただこれを読んで終わりにするのではなく、
それらの話から、2、3の質問をすると効果的だと考えています。
聖書のおはなし
聖書のおはなし
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