生きているのは(ガラテヤ2:20)【自作曲】
「使徒パウロ関連作品シリーズ」第5弾です。
今回のタイトルは、「生きているのは」です。
テキストは、新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙2:20新共同訳です。
ところで、何で今回は、
仏像とマトリョーシカ人形の写真を使っているかを説明しますね。
仏像の写真は、平安時代に造られた、
重要文化財指定を受けている、「宝誌和尚立像」です。
中国に実在した和尚さんの伝説を、彫刻化したものです。
時の皇帝が、絵師に和尚の顔を描くよう命じたところ、
なんと和尚の顔が割れて(!!)、中から十一面観音菩薩が現れ、
刻々と顔を変えていくため、結局絵師は和尚の顔を描けなかった、
という伝説によります。
現在は、京都国立博物館にあるそうです。
私もかなり前に実物を見た記憶があります。
「生きているのは、もはやわたしではありません。
キリストがわたしの内に生きておられるのです。」
(新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙2:20新共同訳)
このパウロの言葉を、彫刻で表すと、たぶんこの仏像のようになるでしょう。
使徒パウロの顔が割れると、中からキリストの顔が現れる・・・
実際は、そういう即物的なことを、
使徒パウロは言いたかったのではありませんね。
霊的な意味では、洗礼によって自分に死に、
キリストにおいて甦ったわけですから、
本来は、それぞれの人生において、
キリストのように生きることを目指すのが、クリスチャンです。
使徒パウロはどこまでいっても、
彼固有の生き方と役割を全うしましたが、
その生き方、言葉、行ないは、常にキリストを証していました。
だからこそ、彼は自信を持って、
クリスチャンはどう生きるべきかについて、の手本として、
「わたしがキリストに倣う者であるように、
あなたがたもこのわたしに倣う者となりなさい。」
(新約聖書 コリントの信徒への手紙Ⅰ11:1新共同訳)と言えたのです。
「キリストを見なさい」、「使徒ペテロを見なさい。」とかではなく・・・
私たちも、同じように言えるでしょうか?
それとも、あのマトリョーシカ人形のように、
自分の思い、欲望・・・・・・
最後に小さく、申し訳程度にキリストが入っている、という程度でしょうか?
(自分のすぐ下に、キリストが出てくるならば、幸いですね。)
まぁ、キリストが全然いない、というよりは、
遥かに良い事ではありますが・・・
私たちは、キリストによって既に「神の子」とされています。
(参考:「あなたがたは皆、信仰により、
キリスト・イエスに結ばれて神の子なのです。」
(新約聖書 ガラテヤの信徒への手紙3:26新共同訳))
信仰における兄弟姉妹を、そのような視点で見ているでしょうか?
それとも、「所詮、皆、罪人じゃないか・・・」という視点でしょうか?
教会においては、どうも、「人間・神の子」よりも、
「人間・罪の子・罪人」という視点が強調されすぎます。
私たちが信仰にあるのは、単に、罪滅ぼし的なものではなく、
「神の子とされた!」という喜びであるはずです。
「法華経」に出てくる「観世音菩薩」は、
さまざまな相で、人々を救済するために出現する、とされています。
(「妙法蓮華経」中の「観世音菩薩普門品第二十五」)
観世音菩薩→キリストの変形版、と考えれば、
ある意味では、この世で出会うさまざま人、一人ひとりが、
姿を変えたキリスト様なのかもしれませんね。
(参考:マタイ25:31~46)
作品の解説に移ります。
ガラテヤ2:20への作曲は、現在までに、2曲与えられています。
その中で一番好きなのが、この曲です。
私も、使徒パウロ同様、この御言葉を、
確信と深い共感を持って、宣言したいなぁ、と希望しています。
(まだ、マトリョーシカ状態なのかもしれませんが・・・)
テキスト・楽譜と、メロディは、下記からダウンロード願います。
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