映画『きみに読む物語』
先日、BSフジで、映画『きみに読む物語』が放映されていました。
以前、DVDをレンタルして1度観たことがあるので、
今回で観るのが2度目になります。
アルツハイマー病で、療養をしている老婦人の元に、
ある老人が、足繁く通い、物語を読んで聞かせる。
その物語は、若い青年と女性との恋の物語。
朗読する老人と、老婦人との関係、
その物語には、どんな意味があり、
なぜ、老婦人にその物語を読み聞かせるのか、
というのが、この映画の中心です。
私にとっては、若者同士の恋の話よりも、
年を経ても、病であっても愛し続ける深い愛の方が、
胸を打ちました。
愛する、愛される、ということの、理屈を越えた世界。
愛の美しさ、強さを感じさせる名作だと思います。
ラストシーンの手前は、最も美しく、感動的であり、
かつ残酷な事実が、観る者を打ちのめします。
ただ、ラストは、ハッピーエンドとはいえないけれど、
「これでいいんだ・・・」と思える幕の引き方をしています。
映画の主人公の、愛する女性への想いは、強烈なものでした。
一方、愛される女性の側の愛は、といえば、
それほど特筆すべきものがなかったかな、と思いました。
映画のあらすじについては、以下のサイトでどうぞ。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD6415/story.html
ところで、神様は、なぜ私たちを愛されるのでしょうか?
実はこれも、理屈を越えた愛ゆえに、だからでしょう。
私たちが何かできるから、とか、何かをささげたから、とか、
私たちが神様を愛しているから、とか、そういうことではないはずです。
(ローマ5章によると、
私たちがまだ「弱かったとき、罪人であったとき、敵であったとき」でさえ、
キリストはそういう者たちのために死んでくださった、とあります。
明らかに、神様の愛が、私たちの愛に先行するのです。!
「わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、
わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。
ここに愛があります。」(新約聖書ヨハネの手紙Ⅰ4:9新共同訳))
「永遠の愛をもって、
わたしはあなたを愛した。
それゆえ、わたしはあなたに、
誠実を尽くし続けた。」(旧約聖書 エレミヤ書31:3新改訳)
「わたしの目には、あなたは高価で尊い。
わたしはあなたを愛している。」(旧約聖書 イザヤ書43:3新改訳)
ここでの「わたし」は、もちろん神様です。
私たちは(いや、もっと厳密に言って、少なくとも「このわたしは」)、
神様の愛を受けるに値しない存在ですが、「にもかかわらず」、
神様からの愛をたくさん受けています。
私が神様を愛する何千、何万倍以上に、神様は私を愛されています!
独り子イエス様さえ惜しまないほどに・・・
だからこそ、感謝せずにはおられません。
「いかに楽しいことでしょう 主に感謝をささげることは」
(旧約聖書 詩編92:2新共同訳)
ある意味で、神様からの『きみに読む物語』とは、
「聖書」ということになります。
私たちは、神様をいつの間にか忘れています。
そして、自分が神様にとってどういう存在かさえ、
忘れてしまっていることが多いです。
しかし、聖書を読むことによって、
私たちと神様との関係、神様にとって私たちがどのような存在なのか、
思い出すことができます。
確かに、直接、「わたし」は聖書の中に出てきません。
しかし、アブラハムやモーセ、ペトロやパウロなどの中に、
あるいは名前さえ出てこない人物の中に、
「ああ、実は、あの人の姿はこの私だ!」というのが、
たくさんあります。
神様の愛と恵みを思い起こすためにも、
聖書を毎日読んでいきたいものですね。
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