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2009年10月16日 (金)

反対しない者は味方(ルカ9:50)

先日、ある大きな書店のキリスト教書コーナーを何気なく眺めていると、
こういうタイトルの本を見つけました。

イエス・キリスト 異次元からの宣告――「聖書」は神からの手紙だった



イエス・キリスト 異次元からの宣告――「聖書」は神からの手紙だった


著者:八島 高明




イエス・キリスト 異次元からの宣告――「聖書」は神からの手紙だった

だいたい、こういうタイトルからして、
「トンデモ本」である場合がほとんどなのですが、
(「キリスト教書」のトンデモ本とは、
たいていが、「キリストはインドで修行をしていた」とか、
イエス・キリストの存在が、
何か別の宗教によって解釈し直されているようなものを指します。)
何かひかれるものがあって、とりあえず立ち読みしてみました。
(だから、上記の☆はまったくつける資格がありませんし、
また、おすすめすべき本なのかどうかもわかりません。)

読んでみると、本当に、「意外にも」結構まともな内容でした。
(細かく言えば、いろいろ問題にすべきところがありますが・・・)
著者は、仏教や東洋のさまざまなオカルト宗教、哲学などを経て、
最終的にたどりついたのが、聖書であり、イエス・キリストである、
とのことでした。

ところで、この著者は、どういう人なのだろうかと、
巻末の著者肩書きを見てみたら、
なんと、占い師でした。
沖縄県で、「沖縄運命科学研究所」というのをやっているそうです。

私はそのとき、イエス様の言葉を思いだしました。
あなたたちに反対しない者は、
あなたたちの味方だからである。

(新約聖書 ルカによる福音書9:50フランシスコ会訳)

それと、旧約聖書の民数記22~24章に出てくる、
占い師バラムのエピソードも思い出しました。
バラムは、モアブ王バラクに請われ、
イスラエルを呪おうとしましたが、
反対に、イスラエルを祝福する者となりました。
民数記24:3では、
神の霊がそのとき、彼(=バラム)に臨んだ。」(新共同訳)
とまで書かれています。
異邦人で、占い師なのに、「神の霊が・・・臨んだ。」というのは、
すごいことです。
旧約時代では、「異邦人」は祝福の対象外だし、
「占い師」は、「生かしておいてはならない」存在でした。
それにも関わらず、モーセやエリヤと同じ、神の霊が臨まれるなんて、
すばらしい光栄に「その時は」与かることができました。
(イスラエルの民を祝福したバラムですが、
最後は、そのイスラエルの民に殺されてしまいました。
民数記31:8に記事があります。
バラムの名は、ヨハネ黙示録2:14では、
「間違った信仰」の象徴として使われていますし、
Ⅱペトロ2:15~16、ユダ11でも非難されています。)

神様は、時には、思いもよらない人や方法を使って、
ある人をまことの信仰に導く場合があります。
だからこそ、
反対しない者は・・・味方」(ルカ9:50)という御言葉は真実です。
それに、正統な教会(カトリック、プロテスタント問わず)と自称しているところが、
ヨハネ黙示録などに描かれた終末論を軽視する中、
この本には、きちんと、終末についても書かれていました。
(やっぱり、これも多少問題がありますが・・・)
もしかしたら、この著者は、
あなたは、神の国から遠くない。
(新約聖書 マルコによる福音書12:34新共同訳)のかもしれません。

奇蹟を信じない、いや、むしろ否定するような事を書いて、
(たとえば、大多数の聖書学者の著作など)、
「これがまことの信仰だ!」、「あれは異端だ!」
みたいな内容の本を読むよりは、よほどマシだと思います。
この場合は、一応「クリスチャン」であるにもかかわらず、
わたし(=イエス様)に味方しない者はわたしに敵対し、
わたしと一緒に集めない者は散らしている。
(新約聖書 ルカによる福音書11:23新共同訳)
とお叱りを受けるかもしれませんね。

なお、上記の本のサブタイトルに、あえて注文をつけるなら、
「・・・だった」という過去形を使うのどうかな、と思います。
聖書は、今も、神様からの手紙です

上記の本に限らず、
他宗教の方が書いた、聖書とイエス・キリストに関する本でも、
結構興味深く読めるものはたくさんあります。
たとえば、
GLAの教祖(?)
高橋佳子氏の著作『二千年の祈り~イエスの心を生きた八人』(三宝出版)とか、
生長の家創始者、谷口雅春師による『ヨハネ伝講義』(日本教文社)などは、
キリスト教の立場から見ると、確かに根本的な問題があるものの、
結構興味深く読めます。
(といっても、おすすめしたいわけではありません。)

異教・異端の人が書いたから排斥する、というような偏狭な心よりも、
むしろ、使徒パウロに倣って、
口実であれ、真実であれ、
とにかく、キリストが告げ知らされているのですから、
わたしはそれを喜んでいます。これからも喜びます。
(新約聖書 フィリピの信徒への手紙1:18新共同訳)
という態度をとりたいものです。

ところで、最近よく売れてるコミックの一つが、
中村光氏の『聖☆おにいさん』です。

聖☆おにいさん 1 (モーニングKC)



聖☆おにいさん 1 (モーニングKC)


著者:中村 光




聖☆おにいさん 1 (モーニングKC)

ブッダとキリストが主人公の、ギャグマンガです。
現在3巻まで出版されています。
(これもおすすめすべきなのかわからないので、無印です。)
私は少し立ち読みをしたことがありますが、
「面白いけど、ちょっとなぁ・・・」という感じでした。
(つくづく、こういう内容の本が出版できる、
日本という国は平和だなぁ・・・と思わされます。)
仏教・キリスト教の信仰を持つ人、持たない人問わず、
たくさんの人に読まれているようです。

「聖☆おにいさん」とか、「エヴァンゲリヲン」のたぐいからでも、
もしかすると、真実の神様を求める人が起こされるかもしれません。
マザー・テレサ曰く、
愛の反対は憎しみではなく無関心」ですから、
こういうきっかけも「アリ」かもしれませんね・・・
キリスト教会や既製仏教が内向きになり、世間から忘れられがちになる中、
代わりに、マンガという形で、存在をアピールされているのかもしれません。
みなさんは、どう思われますか?

なお、カトリックの女子パウロ会のサイト中のブログで、
この「聖☆おにいさん」の話題を取り上げています。
興味のある方はぜひご一読ください。
http://laudate.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-112c.html

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