『サウンド・オブ・ミュージック』②~原作
『サウンド・オブ・ミュージック』シリーズ第2回目です。
前回は、原作に基づくアニメ「トラップ一家物語」を紹介しました。
今回は、原作そのものを紹介します。
アニメ「トラップ一家物語」の第10話に、
ヴァイオリンのエピソードが出てきます。
(結構感動しました。)
このエピソードは、原作(オーストリア編)にあるのかどうか、
念のため、原作を読んで調べてみました。
すると、確かにありました(アニメ版は、若干脚色が加えられていますが)。
調べるだけ、と思っていたら、ついつい、
結局オーストリア編を全部読んでしまいました。
これで読むのは3度目ですが、また新たな感動を覚えました。
サウンド・オブ・ミュージック (Modern Classic Selection)
サウンド・オブ・ミュージック (Modern Classic Selection)
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サウンド・オブ・ミュージック アメリカ編 (Modern Classic Selection)
サウンド・オブ・ミュージック アメリカ編 (Modern Classic Selection)
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『サウンド・オブ・ミュージック』に原作があるらしい、というのは、
以前から知っていましたが、つい5、6年前までは、
読んだことがなかったです。
以前、たまたま図書館の児童書コーナーをぶらぶら見ていたときに、
この本を発見しました。
なんと、映画の続き(映画は、一家がオーストリアを脱出する場面で終っています)、
すなわち、一家がオーストリアを脱出した後、どうなったか、
というのが書かれていました。
さっそく、大きな書店で、この2冊を入手して、
一気に読みふけりました。
「事実は小説よりも奇なり。」という名言がありますが、
まさにトラップ一家の物語においても、あてはまります。
原作は、日本では2冊に分かれています。
映画の原作になった、オーストリア編と、
映画のその後を描くアメリカ編です。
どちらかというと、第2部のアメリカ編の方が、興味深かったです。
ヨーロッパでは有名人となっていたトラップ一家が、
亡命先のアメリカでは、まったく0から生活を築きあげ、
ついに、アメリカ市民権を手に入れ、
バーモント州のストウに、
「トラップ・ファミリー・ロッジ」の基礎を築くまで
(と、トラップ男爵の死)を描いています。
オーストリア編においても、銀行の破産や亡命など、
幾多の困難がありますが、
アメリカ編ではそれ以上の様々な困難があります。
しかし、一家の愛と信仰、そして音楽が、
困難を乗り越える力になりました。
「信仰とは?」といった抽象的な内容の本よりも、
本書のような、
生き生きとした具体的な信仰の姿を示すほうが、
信仰入門としておすすめできるのでは、と思います。
著者の深い信仰に基づく楽天的な生き方は、まさに絶賛に値します。
今回、改めてオーストリア編を読み返し、
とても感動した言葉がありました。
「神の御心に『なぜ』はない。」
ちょうど、5章のタイトルにもなっています。
映画の中で、
有名な「♪すべての山に登れ」が歌われるシーンがありますね。
主人公マリアが、神様の御心が何であるか、迷い、
修道院長に助言を求める場面です。
原作においては、マリアは、もう少しで修道院に戻る日が近づく中、
突然、トラップ男爵からプロポーズを受け、とまどい、
「神様の御心を求めるため」、修道院に戻ります。
そして、修道院長から示された神様の御心とは、
トラップ男爵と結婚することでした。
そのところに、先にあげた「神の御心に『なぜ』はない。」が出てきます。
この言葉、実は、修道院長のはめていた指輪に刻まれていたものでした。
原作でも、この場面は、とても感動的なところです。
祈るとき、「神様、なぜ(Why)?」と祈っても、
まず、答えはありません。
(参考「人よ、神に口答えするとは、あなたは何者か。
造られた物が造った者に、
『どうしてわたしをこのように造ったのか』と言えるでしょうか。」
(新約聖書 ローマの信徒への手紙9:20新共同訳))
起きたことは、神様のご意思と受け止め、
その上で、これからどうすべきか(「いかに(How)?」)、ということであるならば、
きっと、神様は何らかの形で、応えてくださり、新たな道を示されるはずです。
数年前、NHKBSで、実際のトラップ一家で、
現在存命の方々を取材した番組が放送されていました。
これは実に興味深いものでした。
トラップ一家は、アメリカに移住後、ヴァーモント州ストウに、
「トラップ・ファミリー・ロッジ」を開きました。
いつか機会があったら、ぜひ行ってみたいところの一つです。
(トラップ・ファミリー・ロッジの公式ホームページは以下です。)
http://www.trappfamily.com/
実際の、トラップ・ファミリーシンガーズの歌声は、以下で少し聴くことができます。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1479298
http://www.youtube.com/watch?v=mLLtRTQ9QEk
(有名なコラール「血潮したたる」を歌っています。
トラップ・ファミリー・シンガーズの実際の姿は、
今日の、古楽演奏の先駆者的存在だったのでは、と思います。)
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