コロサイ3:19の各訳
先日、エマオ出版訳で、
新約聖書の「コロサイ人への手紙」全章を読んでいたとき、
次のところに目が留まりました。
「夫たちよ。妻を愛し続けなさい。
彼女たちに辛辣なことばを使ってはいけません。」
(新約聖書 コロサイ人への手紙3:19エマオ出版訳)
ここで、注目すべきは、上記の2行目です。
通常、ここは、「つらく当ってはならない。」(新共同訳)と訳されています。
我が家にある日本語の聖書すべてで調べてみると、
口語訳、新改訳、岩波書店訳、共同訳、フランシスコ会訳、回復訳が、
新共同訳と同様の表現でした。
違う表現については、後で述べます。
ここは、上記の、
「つらく当ってはならない。」という表現で読んでいたことが多いので、
さほど心にひっかかるところではなかったです。
しかし、「辛辣なことば」という訳には、
自分も反省する必要があるのでは、と思わされました。
それと、「妻を愛し続けなさい。」という訳。
エマオ出版訳の良い点の一つは、継続の時制をきちんと訳していることです。
この箇所に限らず、
たとえば有名な、
「求めなさい。そうすれば、与えられる。」(マタイ7:7新共同訳)は、
「求め続けよ。そうすれば必ず与えられる。」(エマオ出版訳)となります。
「愛する」や「求める」は、1回限りのものではなく、継続が必要なものです。
だから、「妻を愛し続けなさい。」は、単なる気分の問題などではなく、
意思的な行為です。
今日だけでなく、明日も、あさっても、生きている限り・・・
神様の厳かなご命令を、改めて再認識させられました。
参考までに、コロサイ3:19の一般的な訳でないものを掲載します。
「夫たちよ、妻を愛せよ、苦々しくあしらうな。」
(バルバロ訳。文語訳も似たような表現)
「夫たちよ、妻を愛しなさい。無情な夫であってはならない。」(柳生直行訳)
「一方、夫は妻を愛しなさい。冷たい態度を取ってはいけない。」(現代訳)
「夫は妻を愛し、いたわりなさい。
つらく当たったり、邪険な態度をとったりしてはいけません。」
(リビングバイブル)
上記で具体的だな、と思うのが、リビングバイブルの訳です。
反対に、あまりピンとこないのが、バルバロ訳と柳生直行訳です。
大事なのは、聖書の訳を知っていることではなく、実践することですね。
特に、エマオ出版訳のと、リビングバイブルのを心にとめていきたいです。
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