カテゴリー「クラシック音楽・ベートーヴェン」の10件の記事

2018年12月10日 (月)

原点にして、もしかして終着点?〜ショルティ(Sir Georg Solti)による、ベートーヴェン:交響曲全集(80年代録音)

私が初めて手にしたクラシック音楽のCDは、
カラヤン指揮ベルリン・フィルの、
ベートーヴェン:交響曲第5番&第8番(70年代録音)でした。
これは父親からのプレゼントでした。

(参考)
Beethoven: The Symphonies (Dolby Atmos) ※Blu-ray Audio

↑もはやCDでもSACDでもなく、Blu-ray Audioの方をオススメします。

では、自分で初めて買って聴いたベートーヴェンの「第9」は、
というと、ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏(80年代)でした。
今でも、私にとって特別な一枚です。

(参考)
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 CD

↑このジャケットと同じ盤でした・・・

それから、自分で「第9」の合唱団員として何回か歌ったり、
それこそ何十種類の演奏を聴いてきました。
今でも、多分「第9」だけで10盤くらいあると思います。
(今回は聴き比べ記事ではないので、正確には把握していません・・・)
それでも、ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏は、
特別な位置を占めているといえます。
というのも、「第9」のみならず、
「英雄」、「田園」については、やはりショルティ盤の演奏が基準となって、
いい演奏とそうでない演奏を聴き分けているように思います。
(「英雄」、「田園」もショルティ盤が初めて買って聴いた盤でした。)

今回、タワーレコードのVintage+plus Vol.27として、
ショルティ指揮シカゴ交響楽団による、
ベートーヴェン:交響曲全集(80年代録音)が発売されたので、
さっそく購入して交響曲全曲を聴きました。
5枚組で、「エグモント序曲」、「レオノーレ序曲第3番」も収録されています。

【CD】
ベートーヴェン: 交響曲全集(1986-89録音)、《エグモント》序曲、《レオノーレ》序曲第3番<タワーレコード限定>

トップバッターは、CD1の、「第1番」と「第3番」。
SACDと間違うくらいの優秀録音です。
低音がバリバリ響いて、家のあちこちに響きわたっていました。

なんというか、懐かしい我が家へ帰ってきたかのような響きに思えました。
放蕩息子か、はたまたペール・ギュントか・・・
結局この響きに戻ってくるのか・・・
原点にして、もしかして終着点なのかも、とさえ思ってしまいました。

文句なくオススメは、「第9」と「英雄」です。
特に「第9」は、モダンオケの演奏としては、極めて模範的です。
(元々相当な回数聴いているとはいえ・・・)

一昔前、かの宇野センセイがご存命のときは、
カラヤンやショルティの指揮によるベートーヴェンの交響曲は、
低く見られる傾向がありましたが、
今や、そういう先入観抜きに、
「いいものはいい!」と言えるようになったのは、
いいことだと思います。

奇をてらった演奏も時にはいいですが、
やはり、ベートーヴェンは、このくらいの壮大で迫力ある演奏の方が好きです。
買ってよかったと思いました。

2018年6月26日 (火)

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その6・最終回)ハイレゾ編・1980年以降の録音

ベートーヴェン:交響曲第4番op.60聴き比べ、ハイレゾ編第3回目です。
(全体で6回目)
今回は、1980年以降の録音です。
(ようやくこの曲の聴き比べシリーズの最終回です。)

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray Audio)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲等の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

○カルロス・クライバー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団(DECCA)
1983年10月
DVD
PCM Stereo/DTS Digital 5.1 Surround
カップリング曲 ベートーヴェン:交響曲第7番

☆3.5(映像付なら☆4.5)
第1楽章 11:49
第2楽章 9:47
第3楽章 5:31
第4楽章 7:43

Symphonies 4 & 7/[DVD] [Import]

DTS Digital 5.1 Surroundで聴きました。
DTS Digital 5.1 Surroundですが、音質はイマイチです。
(FMで聴いているような感じ?)
しかし、クライバーのスポーティーで爽やか、溌剌とした指揮ぶりを堪能できます。
これは、音そのものを愉しむよりは、
クライバーの指揮の映像を愉しむためのもの、と割り切った方がいいのかも・・・


○朝比奈隆指揮新日本フィルハーモニー交響楽団(フォンテック)
1989年4月
SACDハイブリッド(SA-CD Stereo/CD)
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.0
第1楽章 13:58
第2楽章 11:58
第3楽章 6:40
第4楽章 8:27

ベートーヴェン 交響曲全集 Hybrid SACD

クレンペラー盤以上に超雄大な演奏ですが、
やりすぎて、ベートーヴェンが、
まるで伊福部昭のゴジラ音楽になってしまったかのようです。
(巨象の行進?或いは「ベートーヴェン大魔神」?)
聴いていて食傷気味になりました。
ただし、ハマるなら凄いのでしょうけど・・・
録音は少しぼやけ気味です。
ファースト・チョイスとしてはオススメしかねます。


○バリー・ワーズワース(Barry Wordsworth)指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Membran)
1995年11月
SACDハイブリッド(SA-CD Stereo/SACD Surround/CD)
カップリング曲 ベートーヴェン:献堂式序曲、ウェリントンの勝利

☆4.5
第1楽章 11:31
第2楽章 10:39
第3楽章 5:18
第4楽章 6:49

Beethoven: Symphony No.4; Consecration Of The House Overture [Hybrid SACD] [Germany] SACD, Import

演奏そのものは特にクセがないですが、
曲そのものの美しさ、素晴らしさがクリアに伝わってきます。
特に第1楽章、第2楽章が素晴らしいです。
録音も概ね素晴らしいです。
この盤の一番の推しポイントは、価格です。
SACDハイブリッド盤なのに、1枚1000円程度!
コスパ高です。
なお、カップリングの「献堂式序曲」、
今まで何度か聴いてはいましたが、
私にとっては、イマイチピンとこない曲という扱いでした。
しかし、この盤の演奏を聴いて、
初めてステキな曲だ、と思いました。
(「コリオラン序曲」のような「名曲」扱いにはならなくとも・・・)


○パーヴォ・ヤルヴィ指揮
ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)
2009年9月
DVD
(2.0 LPCM/5.1 DTS Digital Surround)
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.0
各楽章の演奏時間は省略
(ブックレット記載なし)

ベートーヴェン:交響曲全集~2009年ボン・ベートーヴェン音楽祭ライヴ [DVD]

5.1 DTS Digital Surroundで聴きました。
規模はこじんまりとしていますが、
喩えて言えば、小型車にターボエンジンがついて爆走するような疾走感、躍動感があります。
録音も優秀です。
(なお、今回は映像そのものは評価の対象外です。)
このベートーヴェン交響曲全集のDVDは、21世紀のスタンダードになりえると思います。

ようやくベートーヴェンの交響曲第4番聴き比べが終わりました。
次は、交響曲第1番で、ハイレゾ限定でやってみようかな・・・

2018年6月18日 (月)

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その5)ハイレゾ編・1970年代の録音

ベートーヴェン:交響曲第4番op.60聴き比べ、ハイレゾ編第2回目です。
(全体で5回目)
今回は、1970年代の録音です。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray Audio)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲等の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

○ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(SCRIBENDUM)
1972年1月
SACDシングルレイヤー(SA-CD Stereo)
カップリング曲:割愛します(多すぎるので・・・)。
ムラヴィンスキー・イン・モスクワ (英題:the art of Mravinsky in Moscow 1965&1972)
(2枚組SACD。通常CDなら7枚組CD-BOX)

☆4.5
第1楽章 9:41
第2楽章 9:59
第3楽章 5:58
第4楽章 6:53

SACD盤
ムラヴィンスキー・イン・モスクワ Import, SACD

通常CD盤(7枚組)
ムラヴィンスキー・イン・モスクワ (The Art of Mravinsky in Moscow 1965 & 1972) Box set

※なぜかSACDの方が安い(2018.6.18現在)!

ロシアの凍てつく冬のような、大変厳しく筋肉質な演奏です。
それでいて、有無を言わさない存在感!
ノックアウトされそうでした・・・
第1楽章冒頭こそ、会場の雑音が少し気になりますが、
アレグロ・ヴィヴァーチェになってからは全然気にならなくなります。
第4楽章冒頭は少し弱いかな、と思いましたが、
だんだんパワーアップして燃えるような演奏になっていくのは流石でした。

ところでこのSACD、1枚の収録時間が240分以上です!
通常CDなら7枚分の分量が、SACDの大容量を活かして、
SACD2枚分に収められています。
これもSACDの正しい使用法なのかもしれませんね。
(DG等の、たとえばカラヤン指揮BPOの「ツァラ〜」などは、
収録時間30分弱で、割引なしなら4500円以上というのは高すぎ〜
確かに音は凄いのだけど・・・)

参考
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 Limited Edition, SACD


○ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(Altus)
1973年5月
SACDシングルレイヤー(SA-CD Stereo)
カップリング曲
リャードフ:「バーバ・ヤーガ」
グラズノフ:バレエ音楽「ライモンダ」より第3幕への間奏曲

☆3.5
第1楽章 9:07
第2楽章 9:40
第3楽章 5:38
第4楽章 6:48

ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調

1973年5月、東京文化会館での収録です。
故宇野センセイオススメの盤でしたね。
しかし、1972年録音盤と聴き比べてみると、
こちらの方は、音の迫力、気迫が1972年盤に及ばないように思えました。
少し微温的というか・・・
一方、こちらの方が穏やかなので、聴きやすい、と思われる方がいるかもしれませんね・・・
一方、「ここぞ!」というところの迫力は流石です。
特に第4楽章のティンパニなど。


○カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1975年〜1977年
SACDシングルレイヤー(SA-CD Stereo)
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 10:32
第2楽章 10:05
第3楽章 5:53
第4楽章 5:52

ベートーヴェン:交響曲全集 Limited Edition, SACD

カラヤン・レガートと重厚なベルリン・フィルの音が高級感を漂わせています。
この曲って、こんなに豪奢な曲だったっけ?と???が出るほどですが、
美しければOKなのです!
素材そのものの味を愉しむよりも、
シェフ=カラヤンの味付けを堪能した方がいい盤といえましょう。


○バーンスタイン指揮ウィーン・フィル(DG)
1978年11月
Blu-ray Audio
(2.0 DTS-HD MA 24bit/192kHz // 5.0 DTS-HD MA 24bit/96kHz)
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.5
第1楽章 11:29
第2楽章 10:02
第3楽章 5:57
第4楽章 6:49


Beethoven: 9 Symphonies Box set, CD, Import

※CD5枚+Blu-ray Audio1枚

5.0 DTS-HD MA 24bit/96kHzの方で聴きました。
実に恰幅のいい演奏です。
カラヤン盤(70年代)以上にさらにゴージャスでありながら、
70年代のベルリン・フィルのような力コブは感じられません。
ウィーン・フィルの柔らかな音色がクッションになっています。
Blu-ray Audioで聴くなら、60年代のカラヤン盤よりもオススメです。

次回でようやくベト4の聴き比べ記事が終わりそうです・・・

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その1)通常CD・1950年代頃の録音
ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その2)通常CD・1960〜1980年代代頃の録音
ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その3)通常CD・1990年代以降の録音(附)N響第1883回 定期公演・ブロムシュテット指揮による2つの「第4番」
ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その4)ハイレゾ編・1960年代の録音

2018年6月16日 (土)

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その4)ハイレゾ編・1960年代の録音

ベートーヴェン:交響曲第4番op.60聴き比べ、今回からはハイレゾ編です。
主にSACD、Blu-ray Audioを取り扱いますが、
便宜上、DVDソフトも含めます。
(厳密に言えば、日本オーディオ協会が定義した「ハイレゾ」を、
少し逸脱していますが・・・)
ハイレゾ編第1回(全体では第4回目)は、1960年代の録音です。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray Audio)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲等の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

○カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1962年3月、11月
Blu-ray Audio 24bit/96kHz(音質選択なし)
ベートーヴェン交響曲全集(60年代)

☆3.0
第1楽章 9:55
第2楽章 9:58
第3楽章 5:45
第4楽章 5:31

Beethoven: Symphonies Nos 1 Import

※"Symphonies Nos 1"と表記されていますが、きちんと全集が収録されています。

Blu-ray Audioの割には、おとなしい印象でした。
演奏は標準的です。
この盤はBlu-ray Audio1枚だけで、
余計なCDがついていないのが好印象でした。
(最近DGやDECCA等で、
CD数枚〜10枚程度+Blu-ray Audio1枚、
といった販売が相次いでいますが、私にとってはCDは余計です。)
1枚の盤で、ベートーヴェンの交響曲が全曲聴ける、
しかもCDよりも遥かに高音質!すばらしいと思います。
(余談ですが、ヴァーグナーの「ニーベルングの指輪」全曲でさえ、
1枚のBlu-ray Audioに収まってしまうのです!
しかも、かつてはCD15枚組で15000円〜30000円とかしたものが、
CD以上の高音質にも関わらず、1万円を切る価格で入手できるのです!)

参考
ショルティ指揮VPOによる「ニーベルングの指輪」Blu-ray Audio

カラヤン指揮BPOによる「ニーベルングの指輪」Blu-ray Audio


○ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(SONY)
1963年4月
SACDハイブリッド(SA-CD Stereo)/CD
ベートーヴェン交響曲全集

☆5.0
第1楽章 10:01
第2楽章 9:48
第3楽章 5:55
第4楽章 5:57

ベートーヴェン:交響曲全集(完全生産限定盤) Limited Edition


第1楽章の冒頭、アダージョの部分。
通常は、「早くアレグロ・ヴィヴァーチェにならないかな」と、
映画の本編前の予告編集みたいに、
さっさと終わるのが待ち遠しい感じなのですが、
セルの指揮では、アダージョから聴かせどころが出てきます。
そして、お待ちかねのアレグロ・ヴィヴァーチェが始まると、
かのクライバー盤に負けず劣らずの、
曲の愉しさ、美しさがはちきれんばかりです!
音の迫力、メリハリ、細部の美しさ、どれをとっても一級品です!
「ここはこういう風に演奏していほしい、演奏すべき」というのが、
ことごとく具現化されいているかのような、まさに完璧な演奏、録音です。
「クライバー・マジック」がなくても、
音へのこだわりだけで、これだけの超名演が、
しかも60年代に成し遂げられているというのは驚きです。
従来、セルの指揮は「冷たい」と評されることが多かったので、
私も数年前まで(すなわち、SACDにのめり込む前まで)は、
どちらかというと敬遠していました。
しかし、セルのSACDを聴けば聴くほど、
「冷たい」などという評は、
ただの偏見か、もしくはCDでは冷たく聴こえたかのどちらかでは、
と思うようになりました。
この演奏を聴けば、「冷たい」どころか、
セルの音楽への愛や微笑みが溢れているのに気づくと思います。


○ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮ウィーン・フィル(DECCA)
※タワレコ限定
1966年10月
SACDハイブリッド(SA-CD Stereo)/CD
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.5
第1楽章 12:42
第2楽章 10:29
第3楽章 5:51
第4楽章 7:39

ベートーヴェン: 交響曲全集 (第1番-第9番《合唱》)<タワーレコード限定>

やんわり、ふんわり、どこにも角がない、
通り過ぎる爽やかなそよ風のような演奏といえます。
聴き流すにはもってこいかもしれません。
(私の妻も心地よさそうに聴いていました。)
指揮者の意図よりも、ウィーン・フィルの美感の方が勝っているようです。

2018年6月12日 (火)

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その3)通常CD・1990年代以降の録音(附)N響第1883回 定期公演・ブロムシュテット指揮による2つの「第4番」

ベートーヴェン:交響曲第4番op.60聴き比べ(通常CD編)、
第3回は、1960〜80年代の録音です。
通常CD編は今回で最終です。
(次回からはいよいよSACD、Blu-ray等のハイレゾ編です!)

それでは、聴き比べです。
(今回も通常CDのみです。)
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

○フランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラ(DECCA)
1990年6月
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.0
第1楽章 11:21
第2楽章 8:52
第3楽章 5:14
第4楽章 6:29

Beethoven: Complete Symphonies Box set, CD, Import

優等生的で、アンサンブルの良さは認めますが、
「古楽器系」という存在価値以上はないのかもしれません・・・
(スイマセン、辛口評価で・・・)


○ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)
1993年3月
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.5
第1楽章 10:56
第2楽章 9:24
第3楽章 5:16
第4楽章 6:23

Beethoven: The Symphonies Box set, Collector's Edition, Import

冒頭こそ、いかにも「古楽!」という響きがありますが、
すぐに気にならなくなります。
違和感なく、躍動感ある演奏を楽しむことができます。
故宇野センセイ推薦盤でしたね・・・
古楽対決ならガーディナーに軍配!


○デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(BMG)
1998年5月
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 9:59
第2楽章 8:14
第3楽章 5:20
第4楽章 6:27

ベートーヴェン:交響曲全集&序曲集

※私が持っているのは、50枚組の方です。
Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014 Limited Edition, Original recording remastered, Box set, Import

いわゆるベーレンライター新全集版で、話題になった全集でしたね・・・
スケールの小さい、こじんまりとした演奏ながらも、
細部があれこれ見えてきて、飽きのこない演奏に仕上がっています。
指揮者の解釈よりも、曲そのものの構造を知るにはもってこいといえます。

さて、先日(2018年6月10日)、NHKEテレの「クラシック音楽館」で、
「N響第1883回 定期公演」が放映されていました。
(2018年4月20日 NHKホールで収録)
今年91歳のブロムシュテットが、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(ピアノ:マリア・ジョアン・ピレシュ)と、
交響曲第4番のダブル4番を指揮していました。

ピアノ協奏曲第4番の方は、
枯淡の、あるいは老境のベートーヴェンという感じでした。
「恋するベートーヴェン」的な演奏ではない、一種独特な世界が広がっていました。
N響のサポートも旧東ドイツのオケみたいな、いぶし銀の響きになっていました・・・
一方、交響曲第4番の方はといえば、
よくいえば「堅実な」、別な言い方なら「地味な」演奏だったといえましょう。
ピアノ協奏曲第4番の方が、心に残る演奏となっていました。

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その1)通常CD・1950年代頃の録音
ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その2)通常CD・1960〜1980年代代頃の録音

2018年6月10日 (日)

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その2)通常CD・1960〜1980年代代頃の録音

ベートーヴェン:交響曲第4番op.60聴き比べ(通常CD編)、
第2回は、1960〜80年代の録音です。

それでは、聴き比べです。
(今回も通常CDのみです。SACD、ハイレゾものはまた別の機会に・・・)
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

○バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(SONY)
1962年
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 10:38
第2楽章 9:55
第3楽章 5:35
第4楽章 6:30

SINFONIEN 1-9, OUVERTUERE

「クライバー以前のクライバー」という感じで、
ヨーロッパの伝統とかしがらみから解放された、
あっけらかんとしたベートーヴェンです。
「元気はつらつ、オロ●ミンC!」みたいに、
とても溌剌とした展開が清々しく、
聴いていて気持ちがスカッとします。
第4楽章の激しさは、
激しい流れの中でラフティングしているかのような印象さえ受けました。


○クレンペラー指揮ウィーン・フィル(TESTAMENT)
1968年5月
Klemperer: Live Broadcast Performances

☆4.0
第1楽章 13:28
第2楽章 10:59
第3楽章 6:27
第4楽章 8:30

Klemperer: Live Broadcast Performances

後述の、バイエルン放送交響楽団盤の前年のライブ録音です。
故宇野センセイがオススメの盤ですね。
クレンペラーの意図と、ウィーン・フィルの美音が見事にマッチした名演です。
ただ、構成感としては、1957年盤の方に軍配を上げます。
第4楽章冒頭は、象がスキップするかのようです。

○クレンペラー指揮バイエルン放送交響楽団(EMI)※現在絶版?
1969年5月
カップリング ベートーヴェン:交響曲第5番

☆3.5
第1楽章 13:58
第2楽章 11:35
第3楽章 6:58
第4楽章 8:43

The Klemperer Legacy - Beethoven: Symphonies Nos.4 & 5

1957年盤や、前述のウィーン・フィル盤よりもさらにスローに、
さらに重量級になった演奏です。
ライブ録音なので、譜めくりの音まで聴こえました。
(第3楽章→第4楽章の間)
バーンスタイン盤のような、スピーディーでキビキビした演奏の後に聴くと、
のたくたしすぎてくたびれてしまったかのような印象を受けました。


○カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団(ORFEO)
1982年5月
カップリング:なし

☆5.0
第1楽章 9:32
第2楽章 9:29
第3楽章 5:30
第4楽章 5:02

ベートーヴェン:交響曲第4番 [Import] CD, Import

第1楽章のアダージョはまだアイドリング状態で、
アレグロ・ヴィヴァーチェになった途端に、アクセル全開で突っ走るF1カーみたいです。
別なたとえで言えば、
アダージョが雪どけの様子で、
アレグロ・ヴィヴァーチェになったら、一気に桜吹雪が舞う景色が拡がるような・・・
なんといきいきとして、幸福感をたたえた演奏なのでしょうか!
魔法にかけられた、とでも言うしかない、圧倒的な、
第7番と並ぶ、カルロス・クライバーの代表的名演奏です。
曲の生命力がほとばしり出て、唖然とするしかない・・・


○ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団(RCA)
※北ドイツ放送交響楽団は、
現:NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(NDR Elbphilharmonie Orchester)。
1987−1988年
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 12:07
第2楽章 9:50
第3楽章 5:56
第4楽章 6:57

Beethoven: Symphony 1-9 Box set, CD, Original recording remastered, Import

指揮者の解釈云々よりも、曲そのものの美しさを堪能できる、
格調高い名演です。

(その3)に続く。

2018年6月 9日 (土)

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その1)通常CD・1950年代頃の録音

ベートーヴェンの交響曲第4番には、
第3番の「英雄」や第5番の「運命」みたいな通称はついていません。
第3番や第5番の有名な冒頭みたいにスッキリ、ハッキリと始まらず、
第1楽章の冒頭のアダージョは少しまどろっこしく感じていた時もありました。
しかし、曲の真価に気づくと、そんなところも好きになってしまいました。
シューマンは、
「2人の北欧神話の巨人(第3番と第5番のこと)の間にはさまれたギリシアの乙女」と例えたそうですが、
とんでもない!
第3番、第5番に負けず劣らずのパワフルな曲なのです。
しかも、第3番の第2楽章の陰鬱さや、第5番の深刻さは皆無で、
色で喩えたら、白、季節なら雪どけの春というイメージです。

今回ベートーヴェンの交響曲第4番を聴き比べしてみようと思ったきっかけは、
2018年5月28日にNHKBSプレミアムで放映された、
ベルリン・フィル ヨーロッパ・コンサート2018 in バイロイト
(収録:2018年5月1日 バイロイト辺境伯歌劇場)の、
パーヴォ・ヤルヴィがベルリン・フィルを指揮した演奏が素晴らしかったからです。
妻も第4番が気にいったようだ、というのも大きな要因です。
(私にとって、妻が気に入る曲は即、名曲扱いです!)

今回の聴き比べ記事は、一度に十数盤を取り上げるのではなく、
幾つか(だいたい3〜6盤ずつ)に分割して書くことにしました。
第1回目は、トスカニーニの名演奏(後述、1951年録音)から、
1960年頃までの録音4盤を取り上げます。

それでは、聴き比べです。
(今回は通常CDのみです。SACD、ハイレゾものはまた別の機会に・・・)
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。


○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(RCA)
1951年3月
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.5
第1楽章 9:54
第2楽章 8:46
第3楽章 4:58
第4楽章 8:51

Beethoven: The 9 Symphonies

曲の冒頭こそ、ヒス音が少し気になりますが、
すぐに気にならなくなります。
音はモノラルで、年代相応ですが、
音楽の勢いがそんなことを打ち消してしまうほどです。
モノラル録音ながら、意外と細部もよく聴こえます。
☆3.5としたのは、録音に対してであり、
演奏そのものは、おそらく☆4.0〜4.5が妥当だと思います。
(ステレオ録音なら、間違いなく☆4.0〜4.5ですね。)
演奏はクレンペラー盤などと比べると颯爽としていますが、
せかせかした印象はなく、
聞かせどころのツボをきちんとおさえた名演といえます。

○クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(旧EMI※WARNER)
1957年10月
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.5
第1楽章 12:17
第2楽章 10:01
第3楽章 5:50
第4楽章 7:30

Beethoven: The Orchestral Recording / Symphonies & Overtures

または、1枚もので・・・

ベートーヴェン:交響曲第4番 他

第1楽章の、アダージョからアレグロ・ヴィヴァーチェになるところの巨大さ!
そして、そこからの悠悠たる展開!
スポーツカーよりは、まるで戦車が動き出すかのような重量感です。
ベートーヴェンというよりは、ブルックナーみたい?・・・
音楽で造られた堅固な城に入っていくかのようです。
第3楽章の、低音の強調はユニークです。
また、随所にある木管の響きがよく聴き取れて、
美しさを感じました。
重量級の演奏に完全にノックダウン・・・
クレンペラー指揮の盤は他にバイエルン放送交響楽団、
ウィーン・フィル盤もあり、どれも素晴らしいです。
(その評はまたの機会に・・・)
入手しやすさで言えば、クレンペラー盤の中ではこれがオススメです。


○ワルター指揮コロンビア交響楽団(SONY)
1958年2月
ベートーヴェン交響曲全集他

☆3.0
第1楽章 9:47
第2楽章 9:56
第3楽章 6:15
第4楽章 5:51

Bruno Walter Conducts Beethoven

おだやかで、心地よく聴けますが、
クレンペラー盤やトスカニーニ盤の後に聴くと分が悪く、
スケールの小ささを感じてしまいました。
(もっとも、第4番って、本来はこのワルター盤ぐらいのスケールが妥当なのかも?)


○フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(BERLIN CLASSICS)
1960年〜1961年頃
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.0
第1楽章 12:11
第2楽章 9:56
第3楽章 5:54
第4楽章 7:18

BEETHOVEN/COMPLETE SYMPHONIES

演奏時間で言うと、クレンペラー盤並の遅さです。
ヨーロッパの老舗の味、という感じでしょうか。
安心して聴いてられますが、
あまり印象に残らなかったかも・・・

(その2)に続く
ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その2)通常CD・1960〜1980年代代頃の録音

2018年1月17日 (水)

CD イリーナ・メジューエワ (P)「京都リサイタル2017 (ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30,31,32番)」

ベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタ、第30番、第31番、第32番は、
私にとっては、ベートーヴェンのピアノ作品で最も好きな作品です。
初めて聴いたのは、確か高校生の頃だったと思います。
特に好きなのが、第31番の第3楽章と、第32番の第2楽章です。
第31番の第3楽章では、「嘆きの歌」からフーガが現れ、
精神を再構築して(私はそう思うだけですが・・・)aufheben(止揚)する・・・
そのカタルシスがすばらしいです。
第32番の第2楽章は、
トーマス・マンの小説『ファウストゥス博士』の説がロマンティックですね。
天に引き上げられていくかのような・・・
(あえて文学で言えば、ゲーテの『ファウスト』第2部の最後あたり?・・・)

一番最初に聴いた演奏は、アシュケナージによるものでした。

(参考)

その後、バックハウスやブレンデル、ゼルキン、グールドその他の演奏で聴きました。
変わり種なら、ウゴルスキ盤(ただし第32番のみ)とか・・・
しかし今回、イリーナ・メジューエワの演奏を聴いて驚愕しました!

京都リサイタル2017 (ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30,31,32番)メジューエワ

「今までこういう演奏をした人はいなかったのでは?」
第30番の第1楽章の情報量の多さから驚異でした。
盤を最初から最後まで聴いて、それからもう一度繰り返して聴いてみました。
その後に、我が家にあるベートーヴェンのピアノ・ソナタのCDを引っ張り出して、
とりあえず第30番だけで聴き比べてみました。
(3つのソナタのうち、最も演奏時間が短いからです。)

前述のアシュケナージ盤はもとより、バックハウス、リチャード・グード、
バレンボイム、HJリム、田部京子・・・と聴いてみましたが(今回は一つ一つ紹介しませんが)、
メジューエワ盤と比較すると、どれもムード音楽の域を出ないように思えました。
(唯一、バレンボイム盤がかなりロマンティックに弾いていましたが・・・)

そういえば、メジューエワは昨年(2017年)、
講談社現代新書から、『ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ』という本を出しましたね。

ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ (講談社現代新書)

私は立ち読みしただけで、相当スコアに詳しくないと読みこなせないと思わされました・・・
そういうスコアの読みの深さが、見事に演奏に反映されている、
稀有な録音だと思います。

第32番の第2楽章、広々とした天空の世界に引き上げられていくような最後の部分、
その美しさを、高校生の時に聴きふけった時のように味わうことができました。
それでいて、演奏者の個性よりも、ベートーヴェンの音楽そのものしか感じさせない、
そういうところが素晴らしい盤です。

2017年8月20日 (日)

NHKEテレ・クラシック音楽館「究極の対話~弦楽四重奏の世界~」(2017年8月20日放送)

思わず目が点になる音(音楽ではなく・・・)の連続・・・
夫婦で寛ぐ日曜の夜にすご〜く気不味い雰囲気が漂い、
家の中が宇宙空間かお化け屋敷になってしまったかのよう・・・
それにも関わらず、「さすがNHK!」と思わされました。

2017年8月20日放送の、NHKEテレ・クラシック音楽館では、
「究極の対話~弦楽四重奏の世界~」と題して、
2時間まるごと弦楽四重奏曲特集をしていました。
前半、21時台がある意味「過激」でした。
「ゲンダイオンガク」のスペシャリスト集団、
アルディッティ弦楽四重奏団による、
手始めはバルトークの弦楽四重奏曲第3番(全曲)。
バルトークの「オケコン」や「弦チェレ」はようやく好きになることができましたが、
未だ弦楽四重奏曲のジャンルは手付かずでした。
良さはさっぱりわかりませんでしたが、冒頭から攻めた内容だと思いました。

続いては、リゲティの弦楽四重奏曲第2番。
リゲティ・ジェルジュ(1923−2006)はハンガリーの作曲家で、
スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」などでその音楽が使用されました。
「2001年宇宙の旅」とは関係のない作品ですが、
宇宙空間を浮遊している時の恐怖を表しているかのような、
実にミョーな曲でした。
(正直に言えば、「早く終わってほしいなぁ・・・」というのが感想でした。)

アルディッティ弦楽四重奏団の演奏の最後は、
日本の作曲家、細川俊夫の「沈黙の花」という作品でした。
演奏前に、第1ヴァイオリンのアーヴィン・アルディッティ (創設者)が、
この作品について、「明瞭でわかりやすい」などと発言していましたが・・・
聴いてみると、やはり「???」でした。
日本のホラー映画に使えそうな感じの曲、といったところでしょうか。
家の中がお化け屋敷になってしまったかのような・・・

珍妙な響きが出る度に、私は不快感よりも、
失笑してしまうことが多かったです。

この3曲をなんとか我慢して聴いてしまうと、
申し訳ないですが、後半22時台の、
エマーソン弦楽四重奏団による、
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ(厳粛)」や、
モーツァルトの弦楽四重奏曲第15番は、
ただのBGMにしか聴こえなかったです。
(それでも、地獄から天国へ、ぐらいの心地よさがありますね(*^-^))

弦楽四重奏曲の名曲についての本(なんというタイトルかは忘れましたが)で、
アルディッティ弦楽四重奏団の初演曲として、
シュトックハウゼンの「ヘリコプター弦楽四重奏曲」が紹介されていました。
4台のヘリコプターに奏者一人ずつが乗って演奏する、というキワモノです。

前半の1時間は確かに不快で、人によっては苦痛でしかないと思います。
しかし、こういう企画は、やはりNHKでしかできないなぁ〜と改めて思いました。
朝5時からの「クラシック倶楽部」ではなく、
夜の21時〜22時に、こういう番組を時には放送する、というのは、
まさに「教育」「教養」のEテレにふさわしいと思いました。

ちなみに、恥ずかしながら、
我が家には相当のCD、SACDがあるにも関わらず、
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲(2017年8月現在、全集が2セットと、
後期弦楽四重奏曲だけのセットが1セットあります。)以外では、
弦楽四重奏曲のCD、SACDは、おそらく10盤もないと思います。
(ベートーヴェン以外では、ラヴェルの弦楽四重奏曲が好きです。)
どちらかというと、苦手なジャンルの一つです。
弦楽四重奏曲よりは、ピアノ五重奏曲や、
クラリネット五重奏曲のような、色彩感が生まれるような方が好きですね。

(参考)ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のアルバム所有盤

アルバン・ベルク四重奏団(全集)
Beethoven: The Complete String Quartets Box set, CD, Import

エマーソン弦楽四重奏団(全集)
Beethoven : String Quartets Box set, CD, Import

ラサール弦楽四重奏団(後期:第12番〜第16番+大フーガ)
ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集(第12-16番、大フーガ)

※高校生の時の愛聴盤でした。
「ベートーヴェンの最高傑作は、第9ではなく後期の弦楽四重奏曲だ!」などと、
かなり背伸びをしていたのかもしれませんね・・・

ただ、今は滅多に弦楽四重奏曲のCDを聴くことはありません。
もっぱらオーケストラ曲ばかり・・・
(たまにピアノとヴァイオリンの曲、その程度です・・・)

2017年7月17日 (月)

NHKEテレ・クラシック音楽館「フィルハーモニア管弦楽団演奏会」(2017年7月16日放送)

エサ・ペッカ・サロネンといえば、20世紀モノが得意な指揮者、
というイメージがありましたし、さほど期待していなかったのですが・・・
いい意味で、見事に裏切られた演奏でした。

2017年7月16日放送の、NHKEテレ「クラシック音楽館」。
2017年5月21日、横浜みなとみらいホールでの、
フィルハーモニア管弦楽団の演奏会を放映しました。
途中からリアルタイムで観ましたが、
改めて録画で最初から視聴しました。

曲目は、オール・ベートーヴェン・プログラムで、
以下の3曲でした。

1.序曲「命名祝日」ハ長調 作品115
2.ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37
3.交響曲第7番 イ長調 作品92

指揮はエサ・ペッカ・サロネン。
ピアノは第17回ショパン国際コンクール(2015年)の覇者、
チョ・ソンジン。

1曲目の「命名祝日」の評はパスとします。
(曲自体がそれほどステキだとは思えないので・・・
ただし、フィルハーモニア管の音色がもう実に素晴らしい!)

2曲目、ピアノ協奏曲第3番。
出だしから、フィルハーモニア管の音色が、
実に高級感あふれる感じでした。
なんだろう、この感触・・・
そう、大袈裟な表現かもしれませんが、
クレンペラー時代のフィルハーモニア管の音のようです!
ゆったりと音楽そのものに浸っていられる感じというか・・・

指揮者、ピアノとも、「俺が、俺が」という個性やら自己主張を押し出すのではなく、
作曲家(スコア)の僕(しもべ)として、没我的に奉仕している、という感じで、
久々にベートーヴェンの音楽そのものを堪能したなぁ〜という幸福感、
満足感に浸ることができました。
アンコールのモーツァルトのピアノ・ソナタも実にステキで、
チョ・ソンジンはぜひモーツァルトのピアノ・ソナタを録音してほしいと思っています。
演奏評で言えば、☆4.0相当なのでは、と思っています。

交響曲第7番も佳演でした。
ナチュラル・トランペットを使うなど、響きにもこだわりがありましたが、
いわゆる古楽系の演奏ではなく、
中庸な響きが魅力的でした。
ただ、第4楽章冒頭の間のとり方だけは、
「???」という感じでした。
こちらは☆3.5相当だと思いました。

そういえば、どうして横浜みなとみらいホールでの収録なのだろうか、
と調べてみたら、
サントリーホールが改修中だからなのですね・・・
ただ、2017年6月18日放送の、NHKEテレ・クラシック音楽館での、
新日本フィルハーモニー管弦楽団の演奏と同じホールとは思えないほど、
今回の演奏は素晴らしい響きでした。
NHKEテレ・クラシック音楽館「新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会」(2017年6月18日放送)

※こちらは2017年5月12日の演奏でした。
やはりオケの差なのでしょうか・・・

サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェンは探してみましたが、
現在CDはないようです。
サロネンのこれからのいっそうの成熟・巨匠化に期待したいです。
(参考)
アンコール
圧倒的だったマーラー6番 サロネン指揮フィルハーモニア管
2017年6月19日 (毎日新聞 小田島 久恵氏の評)

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