カテゴリー「音楽」の496件の記事

2017年7月17日 (月)

NHKEテレ・クラシック音楽館「フィルハーモニア管弦楽団演奏会」(2017年7月16日放送)

エサ・ペッカ・サロネンといえば、20世紀モノが得意な指揮者、
というイメージがありましたし、さほど期待していなかったのですが・・・
いい意味で、見事に裏切られた演奏でした。

2017年7月16日放送の、NHKEテレ「クラシック音楽館」。
2017年5月21日、横浜みなとみらいホールでの、
フィルハーモニア管弦楽団の演奏会を放映しました。
途中からリアルタイムで観ましたが、
改めて録画で最初から視聴しました。

曲目は、オール・ベートーヴェン・プログラムで、
以下の3曲でした。

1.序曲「命名祝日」ハ長調 作品115
2.ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37
3.交響曲第7番 イ長調 作品92

指揮はエサ・ペッカ・サロネン。
ピアノは第17回ショパン国際コンクール(2015年)の覇者、
チョ・ソンジン。

1曲目の「命名祝日」の評はパスとします。
(曲自体がそれほどステキだとは思えないので・・・
ただし、フィルハーモニア管の音色がもう実に素晴らしい!)

2曲目、ピアノ協奏曲第3番。
出だしから、フィルハーモニア管の音色が、
実に高級感あふれる感じでした。
なんだろう、この感触・・・
そう、大袈裟な表現かもしれませんが、
クレンペラー時代のフィルハーモニア管の音のようです!
ゆったりと音楽そのものに浸っていられる感じというか・・・

指揮者、ピアノとも、「俺が、俺が」という個性やら自己主張を押し出すのではなく、
作曲家(スコア)の僕(しもべ)として、没我的に奉仕している、という感じで、
久々にベートーヴェンの音楽そのものを堪能したなぁ〜という幸福感、
満足感に浸ることができました。
アンコールのモーツァルトのピアノ・ソナタも実にステキで、
チョ・ソンジンはぜひモーツァルトのピアノ・ソナタを録音してほしいと思っています。
演奏評で言えば、☆4.0相当なのでは、と思っています。

交響曲第7番も佳演でした。
ナチュラル・トランペットを使うなど、響きにもこだわりがありましたが、
いわゆる古楽系の演奏ではなく、
中庸な響きが魅力的でした。
ただ、第4楽章冒頭の間のとり方だけは、
「???」という感じでした。
こちらは☆3.5相当だと思いました。

そういえば、どうして横浜みなとみらいホールでの収録なのだろうか、
と調べてみたら、
サントリーホールが改修中だからなのですね・・・
ただ、2017年6月18日放送の、NHKEテレ・クラシック音楽館での、
新日本フィルハーモニー管弦楽団の演奏と同じホールとは思えないほど、
今回の演奏は素晴らしい響きでした。
NHKEテレ・クラシック音楽館「新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会」(2017年6月18日放送)

※こちらは2017年5月12日の演奏でした。
やはりオケの差なのでしょうか・・・

サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェンは探してみましたが、
現在CDはないようです。
サロネンのこれからのいっそうの成熟・巨匠化に期待したいです。
(参考)
アンコール
圧倒的だったマーラー6番 サロネン指揮フィルハーモニア管
2017年6月19日 (毎日新聞 小田島 久恵氏の評)

2017年7月10日 (月)

ドビュッシー:「海 - 管弦楽のための3つの交響的素描」(La Mer, trois esquisses symphoniques pour orchestre)聴き比べ

ドビュッシーの「海」。
ドビュッシーの代表作ですね。
よく、「交響詩」と題されることが多いですが、
正確には誤りです。
「「海 - 管弦楽のための3つの交響的素描
(La Mer, trois esquisses symphoniques pour orchestre)
"esquisse"(エスキス)とは、「下絵、スケッチ」を意味するフランス語です。

曲は三部構成です。
第1曲:海の夜明けから正午(真昼)まで
第2曲:波の戯れ
第3曲:風と海(と)の対話
※CDによって多少の訳の違いがあります。
以下、便宜上、以下、第1曲を①、第2曲を②、第3曲を③と略記します。

この曲を初めて聴いたのは(ただし、全曲ではなく、部分的に)、
1990年頃でした。
当時、CD店で貰った、マイケル・ティルソン・トーマスのCDサンプルに、
「海」が含まれていました(確か③)。
何か掴みどころがなく、茫漠として、
その当時の私にとってはイマイチ理解しがたい響きでした。
そのあたりから、ドビュッシーは敬遠すべき作曲家になっていきました。

それから約27年、2017年になってから、
ようやく「海」の素晴らしさに開眼できました。
きっかけは、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏のDVDでした。
メインは、ホルストの「惑星」で、「海」はオマケの扱いでした(私にとっては・・・)
(経緯と演奏の感想は後述・・・)

ちょうど、今年の5月に、
札響の演奏による「海」の実演も聴くことができました。
【演奏会感想】第599回札幌交響楽団定期演奏会(2017年5月20日)〜ラトヴィア放送合唱団の天上の声!
「海」は20世紀前半の重要な管弦楽曲の1つだと確信しました。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者、オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
(なお、モノラル録音はありません。)


◯シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(RCA→SONY)
1956年12月
SACDハイブリッド(SACD Multi、SACD STEREO、CD)
カップリング:サン=サーンス:交響曲第3番”オルガン”、イベール:寄港地

☆4.0
①08:37
②06:15
③07:58

サン=サーンス:交響曲第3番 Hybrid SACD

雄大な演奏です!
音の迫力が凄く、録音がとても60年以上も前のものとは思えません。
③に限って言えば、「海」(荒れ狂う海)というよりは、
ストラヴィンスキーの「春の祭典」みたいな音の饗宴になっているかのようです。


◯フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(RCA→SONY)
1960年2月
SACDハイブリッド(SACD Multi、SACD STEREO、CD)
カップリング:レスピーギ:ローマの噴水、ローマの松

☆3.5
①10:22
②06:31
③08:20

Pines of Rome / Fountains of Rome / La Mer (Hybr) Hybrid SACD, SACD, Import

自然界の「海」を感じさせるような演奏ではないかもしれませんが、
オーケストラの名人芸を堪能できます。
③の最後の部分は、まさにレスピーギの「ローマの祭」みたいな音響が炸裂します。


◯ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(SONY)
1963年1月
通常CD
カップリング ラヴェル「ダフニスとクロエ第2組曲」、亡き王女のためのパヴァーヌ

☆4.0
①08:43
②06:24
③07:38

ドビュッシー:海&ラヴェル:ダフニスとクロエ第2組曲他

少しも曖昧なところがない、光が降り注ぐような明快な演奏です。
普通だと、メカニックな演奏に陥ってしまうところ、
曲のダイナミックさと繊細さをうまく引き出し、
美しい海の情景が拡がります。
特に①、②が秀逸です。
③の最後のところの迫力も凄いです。


◯ブーレーズ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(SONY)
1966年12月
通常CD
※ドビュッシー:管弦楽曲集

☆4.5
①08:50
②07:16
③07:40

ドビュッシー:管弦楽曲集

今回紹介した盤の中では、最もジャケットが美麗ですし、
演奏・録音もダントツです。
前述の、ミュンシュ&ライナー盤のマッチョで力づくの響きとは一線を画した、
柔らかくて繊細な、まさにノーブル(高貴)な響きになっています。
どんなにフォルテの部分でも、絶叫にならず、汗一つかかない(?)・・・
そういう涼しげなところが、この曲には実にマッチしています。
③の冒頭はまるで海鳴りのようです。
③のラストはオーケストラの咆哮になりがちですが、
そういうところでもうるさくならず、それでいて迫力に不足はありません。

ブーレーズの指揮といえば、クラシック音楽を聴き始めてからつい最近まで、
どちらかというと敬遠してきましたが(宇野教に洗脳されていたから?)、
最近は結構好きな指揮者の一人です。
特に20世紀の作品演奏は、スタンダード又は頂点といったものばかりです・・・


◯シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団(Altus)
1967年11月
SACDシングルレイヤー(SACD STEREO)
カップリング ベルリオーズ:幻想交響曲、
ストラヴィンスキー:レクイエム・カンティクルス

☆3.0
①09:38
②06:41
③08:55

ベルリオーズ : 幻想交響曲 Op.14 他 (Berlioz : Symphonie Fantastique | Stravinsky : RequiemCanticles | Debussy : La mer / Charles Munch , Orchestre de Paris (1967 Paris Live)) [SACDシングルレイヤー] SACD

ライブ録音です。
ボストン響との録音よりはおとなしい響き・・・
時折指揮者のうなり声が聴こえます。
③の中盤あたり(4:40〜)のゆったりさは、特異な感じです。
終盤の追い込みは、少し雑な感じで、しかも迫力がありません。
この演奏は、
力演であるベルリオーズの幻想交響曲のオマケと割り切った方がいいかも。


◯ショルティ指揮シカゴ交響楽団(DECCA)
1976年5月
SACDシングルレイヤー(SACD STEREO)
カップリング ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、ラヴェル:ボレロ

☆4.0
①08:34
②06:33
③07:50

ドビュッシー:交響詩「海」、ラヴェル:ボレロ、他 Limited Edition, SACD

ショルティ、といえば「パワフル」という印象ですが、
ここでは繊細な響きを堪能できます。
録音が優秀です。


◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(WARNER)
1977年1月
SACDハイブリッド(SACD STEREO、CD)
カップリング ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、ラヴェル:ボレロ

☆3.5
①09:45
②06:44
③08:53

ドビュッシー:海 牧神の午後への前奏曲 ラヴェル:ボレロ

ジャケットがサイケデリック風でイマイチ・・・(ユニークですが)
SACDの音質としては、あまり通常CDと変わらない気がします。
③のラストは、「海」というよりも、
「花火」というタイトルをつけた方がいいぐらいの迫力があります。


◯オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(EUROARTS)
1977年6月
DVD(PCM STEREO、DD5.1、DTS5.1)※映像付
カップリング ホルスト:惑星

☆4.0
①08:35
②06:40
③09:04

Planets / La Mer [DVD] [Import]

今回の聴き比べのきっかけとなった演奏です。
元々、ホルストの「惑星」のオマケと考えていました。
実際、買ってからしばらくは、「惑星」の方しか聴いていませんでした。
(映像はありますが、あえて観ていません。)
たまたま、「惑星」が終わってから止めずに、
流し聴きしていたところ、「素晴らしい曲だ!」と思ったわけです。
音の張り、迫力が凄いです。
③は嵐の海のように荒れ狂った様子になっています。
ライブとしては圧倒的です。
(映像としては年代相応)

◯シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団(DECCA)
1989年5月
通常CD
カップリング 牧神の午後への前奏曲、バレエ「遊戯」、夜想曲

☆3.5
①08:49
②06:11
③07:57

ドビュッシー:海/牧神の午後への前奏曲/夜想曲/遊戯

「曖昧模糊」たる典型的な演奏といえましょう。
「曖昧模糊」なドビュッシー像こそ理想的な演奏、というなら、
この盤は最高にオススメです。
全体的にふわっとした感じがします。
ただ、私としては、ブーレーズやセルの明快な演奏の方が好みなので、
少し低い評価になってしまいました・・・


◯チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル(WARNER)
1992年8月
通常CD
※”French & Russian Music"

☆3.5
①13:09
②08:42
③11:17

French and Russian Music Box set, Import

保有盤中最遅。
(通常の演奏が22〜24分程度に対して、
チェリの演奏は30分以上!)
「海」は「海」でも、この世の海ではなく、
「あの世」の「海」なのかも・・・
テンポは極めて遅いですが、弛緩した感じはしません。
聴き逃していた細かなパッセージなどがよく聴こえてきます。
いざという時の迫力は凄いです。
ただ、「海」の理想的な演奏かと言われれば、
やはり「否」ではないでしょうか。
ドビュッシーよりチェリを聴くべき演奏です。


◯ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団(DG)
1993年3月
通常CD
※Boulez Conducts Ravel and Debussy

☆3.0
①08:45
②07:05
③07:41

Boulez Conducts Ravel and Debussy Box set, CD, Import

旧盤のシャープさが薄れ、少しぼやけた感じです。
スケールも小さいです。
SONY旧盤があれば所有不要かも・・・

2017年7月 9日 (日)

第7回真駒内花火大会(2017年7月8日)〜ついに有料観覧席で観ました!

札幌市南区の真駒内セキスイハイムスタジアムで毎年7月に行われる、
「真駒内花火大会」。
約2万2千発(主催者の挨拶では、2万3千発)の花火が夜空を彩ります。
今年(2017年)で第7回目です。
私ども夫婦は、毎年観に行っていますが、
去年までは、会場の真駒内公園近くのどこかから観ていました。
もちろん、タダで・・・
(なにせチケットが結構高いですから・・・)

しかし、今年は、思い切って、有料観覧席で観ることにしました。
理由は、当初8月に行われる、帯広の勝毎花火大会に行こうとしていたところ、
宿が全然とれないので、
そちらはあきらめて、代わりに真駒内花火大会を有料観覧席で観よう、
ということになったからです。
(チケット単体で考えたら、もちろん高いですが、
帯広までの交通費&宿泊費を考えたら、安いものです。)
私どもはアリーナ席をとりました。

主催者の挨拶にもありましたが、なぜかこの真駒内花火大会、
すっきりとした天気に恵まれないことが何度もありましたが、
今年は絶好の花火日和でした。
おまけに今日はほぼ満月でした(正確には、月齢は14.01)。
(時折、花火の煙で 月がオレンジ色に見えました・・・)

さて、今回とったアリーナ席、
打ち上げ現場から100〜200メートルしか離れていないので、
まさに火の粉が降ってくるようでした!
大、大、大迫力!!!!!!
今まで観たどの花火大会よりも迫力があり、
途中、身の危険さえ感じるほどでした・・・
(実際、もっていたパンフレットに若干ホコリのようなものが付いていたほどです。)
また、有料会場でしか見られない、
レーザー光線と音のショー及びバイクアトラクションも凄かったです!
(花火大会の途中で、「もう終わりかな」と思うぐらいのインターバルがあった理由が、
会場でアトラクションをやっていたから、ということがわかりました。)

圧巻は、X JAPANの「紅」に合わせて打ち上げられる花火でした!
「くれないだぁ〜〜」という叫びとともに、
花火でないものが炸裂して空からふわふわと舞い落ちてきました。
何かな、とよく見ると、長い長〜いテープでした。
アリーナ席いっぱいにテープは拡がっていました。
その後の花火の展開が、まさにロックでした!
美しさに圧倒されながらも、同時に怖さも感じていました・・・

さて、会場で撮った写真です。
写真に撮っている時間や、目をつぶっている時間がもったいないほど、
興奮に満ちた迫力と感動、そして美の世界が拡がっていました・・・
なお、最後の1枚は、花火ではなく、
当日スタンド席にいた人たちが、
花火師のすばらしさへ感謝を表すために、
自分のペンライトやスマホ等で「光の拍手」(のようなもの)をしているところです。

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実は、花火大会の会場のすぐとなり、
真駒内セキスイハイムアイスアリーナでは、
ほぼ同じ時間に、星野源さんのコンサートをやっていました。
花火終演時と、星野源さんのコンサートの終わる時間がほぼかぶってしまい、
会場付近の交差点は大混雑でした!
妻と「今日は凄かったね〜」と何度も語りながら、家路につきました。
今まで、「有料で花火を観るなんて〜」と抵抗感がありましたが、
やはり、お金を払ってでも観る価値があるのだな、と実感しました。
(ちなみに、今回のチケット、1枚3800円でした。)

2017年7月 6日 (木)

ドビュッシー:「牧神の午後への前奏曲」聴き比べ

ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」。
昔から知ってはいましたが、
なんともいえないけだるげな(官能的な)感じがそれほど好きではありませんでした。
ドビュッシーの作品自体、あまり好きではなかったです。
曖昧模糊、まさに「雲」のようなとらえがたい音楽とでもいいましょうか・・・

しかし最近ようやく、ドビュッシーの「海」が好きになり、
「海」のCDやSACDを集めるようになりました。
(後日、聴き比べ記事を書く予定です。)
その中の1枚、ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏(SACDシングルレイヤー、後述)で、
もともと敬遠していた、「牧神の午後への前奏曲」が冒頭に収録されていました。
なんとなく、ついでだから聴いてみたのですが・・・
結構、ステキな曲なのだな、と実感しました。
そこで、家にあるドビュッシー関連のCDや、
カラヤン、ムラヴィンスキーのオムニバス盤などをいろいろ調べたら、
7盤(2017年7月5日現在)に収録されていました。
(もともと10分程度の曲ですので、
この曲のために新たに盤を集めることはしませんでした・・・)

ところで、ドビュッシーがこの曲を作曲する際に、
感銘を受けたというのが、
マラルメの詩「半獣神の午後」という詩です。
(「牧神」も「半獣神」も、どちらも原語(フランス語)では、
"Faune"ですが、慣習的に、ドビュッシーは「牧神」、
マラルメでは「半獣神」と訳される、とのことです。)
その詩の訳文を掲載しているブログ記事を見つけましたので、
興味のある方はどうぞ。
「牧神の午後」(ブログ名:ムッシュKの日々の便り)

なお、本記事では、タイトルの「牧神」あるいは、
元となった詩の「半獣神」を使わず、
原語のカタカナ読みの「フォーン」で統一表記します。
(タイトルは別ですね・・・)

話を戻して・・・
それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者、オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。


◯ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(SCRIBENDUM)
1965年2月
通常CD
※The Art of Mravinsky in Moscow 1965 & 1972(7枚組CDBOX)

☆3.0
09:54

ムラヴィンスキー・イン・モスクワ (The Art of Mravinsky in Moscow 1965 & 1972) Box set

通常のイメージで言えば、緑がうっそうと茂る中でフォーンがまどろんでいる、
という感じですが、
この演奏だと、氷に閉ざされたようなイメージでした・・・
1965年2月28日のコンサートの記録です。
このCDBOXのオマケと考えた方がいいかも・・・


◯ブーレーズ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(SONY)
1966年12月
通常CD
※ドビュッシー:管弦楽曲集

☆4.0
09:41

ドビュッシー:管弦楽曲集

醒めた演奏ですが、細部が明晰なので、
まるで陽光降り注ぐような明るい森で、
フォーンがまどろんでいるかのようです。
ただ、この曲については、あまりに明晰すぎるよりは、
後述のデュトワ盤のような曖昧模糊の演奏や、
カラヤン盤のようなムード音楽にしてしまう方が、
味わいがあるのかもしれませんね・・・


◯ショルティ指揮シカゴ交響楽団(DECCA)
1976年5月
SACDシングルレイヤー(SACD 2CH)
カップリング: 「海」、ラヴェル「ボレロ」

☆4.0
10:50

ドビュッシー:交響詩「海」、ラヴェル:ボレロ、他 Limited Edition, SACD

ブーレーズ盤と同じく、細部が明晰ですが、
ブーレーズ盤よりは淡い感じがします。
この曲の良さを改めて認識させてくれた演奏です。
今回の聴き比べのきっかけになりました。


◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(WARNER)
1977年1月
通常CD
※Monumental Karajan!(カラヤンの演奏のオムニバス盤)

☆4.0
10:11

Monumental Karajan!(CD3枚組)

※1枚モノならこちら↓
ドビュッシー:海 牧神の午後への前奏曲 ラヴェル:ボレロ(SACDハイブリッド)

カラヤンらしい優美なレガートで甘美に聴かせる名演です。
ムード音楽としては最高峰かも?


◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1985年12月
通常CD
※「アダージョ・カラヤン」

☆4.0
09:52

アダージョ・カラヤン DX(2枚組)

1枚ものならコチラ↓
ドビュッシー:交響詩「海」、牧神の午後への前奏曲/ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ、ダフニスとクロエ

上記で紹介したのは、2枚組になったバージョンですが、
元々は1枚モノのCDでバカ売れしたアルバムでしたね・・・
「いかにも・・・」のムード音楽で、耽美的です。
演奏そのものは、WARNER盤の方が優れていると思いますが、
聴かせどころタップリです。


◯デュトワ指揮モントリオール交響楽団(DECCA)
1989年5月
通常CD
カップリング:「海」、「遊戯」、「夜想曲」

☆4.5
10:44

ドビュッシー:海/牧神の午後への前奏曲/夜想曲/遊戯

今回紹介した盤の中で、最も「曖昧模糊さ」を感じる演奏です。
作品のタイトルと最もマッチしています。
ファースト・チョイスとしてオススメですが、
曖昧模糊がニガテなら、ブーレーズ盤かショルティ盤をオススメします。
あるいは、ムード音楽系なら、カラヤン盤か・・・

◯ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団(DG)
1991年3月
通常CD
※Boulez Conducts Ravel and Debussy Box set, CD, Import

☆3.5
08:54

Boulez Conducts Ravel and Debussy Box set, CD, Import

明晰さは旧盤よりイマイチ・・・
旧盤が「前衛」、「モダン」としてのドビュッシーを強く感じるのと対称的に、
新盤は、「古典」としてのドビュッシーを安心して聴ける、という違いでしょうか。

2017年7月 2日 (日)

2017年6月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧

2017年6月のページビュー(PV)数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページ及びカテゴリを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.オキナワ旅行記リターンズ2015夏(その1)〜旅行の経緯と1日目〜
二位.「学び合い学習」は日本の義務教育崩壊を招く!
~おすすめ記事『【解答乱麻】 TOSS代表・向山洋一 亡国の教育「学び合い学習」』

三位.インクルーシブ(インクルージョン)教育は子どもにとって本当に幸福なのか?
~おすすめブログ記事「脱インクルージョン教育」(ブログ名:斜に構えてみる)

四位.ブラームス:交響曲第1番聴き比べ12種〜カラヤン盤5種を中心に・・・
五位.マーラー:交響曲第7番聴き比べ14種類
六位.公立学校で習熟度別授業の導入はプラスか、マイナスか?
~読売新聞北海道版・連載「学力危機」第1部・札幌の格差 (10)を読んで

七位.「カトリック」か「カソリック」か?~誤用に潜む軽蔑と無知
八位.ピアノ五重奏曲の甘口辛口
〜ドヴォルザーク、シューマン、フォーレ、ショスタコーヴィチ、ブラームス、フランク・・・

九位.さよなら Pioneer PD-70、こんにちは・・・
(附:盤数が多くなるCD聴き比べは、もうやめようかな・・・)

十位.希望の讃美歌~「一羽の雀(心くじけて)」(新聖歌285)※midi付

一位、二位は先月と同じです。
聴き比べ記事と教育関係の記事が先月も多く読まれているのには感謝です。
2017年6月中に書いた記事が、
残念ながら1本もランクインしませんでした・・・

九位の記事のタイトルには、
「・・・盤数が多くなるCD聴き比べは、もうやめようかな・・・」
という言葉が入っています。(2015年11月の記事)
それにも関わらず、
性懲りもなく聴き比べ記事を書き続けている私自身に苦笑・・・(^-^;
→一度にたくさんの盤を紹介するのではなく、
何回かに分ける、という方式をとることにしました。
たとえば、録音年代順など・・・

2017年の6月は意外と涼しい(というよりは、寒い)日々が続きました。
7月はどうなのでしょうか?
先日、妻と大通公園のバラ園に行ったら、
たくさんのバラが見事に咲き乱れていました。
とても美しかったですよ。

今月もご愛読よろしくお願いします。

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2017年6月28日 (水)

ブラームス:大学祝典序曲op.80聴き比べ

ブラームスの「大学祝典序曲」op.80。
中学生、高校生の時、早朝に民放のラジオを聴いたら、
この曲の一部がオープニング曲としてかかっていました。
(正確には、第2主題とのこと。)
「大学受験ラジオ講座」という番組です。
オープニングのユーモラスな(?)メロディの後は、
当時の自分には関係のない番組内容だったので、
その後はすぐ違う番組に切り替えていました。
ラジオで耳にした当時は曲名をしりませんでしたが、
その後、ブラームスの作品をよく聴くようになってから、
この曲のタイトルを知りました。
昔は、クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィルの演奏(後述)が、
圧倒的な名演だと思っていました。
今回、聴き比べを思い立ったのは、
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団による、
ブラームスの交響曲全集(こちらも後述)のSACDを入手し、
手っ取り早く、パッと聴いてみた「大学祝典序曲」が、
あまりにも素晴らしかったからです。

ちなみに、我が家にいくつもある、
ブラームスの交響曲全集のカップリング曲として、
「悲劇的序曲」op.81は結構含まれていますが、
大学祝典序曲の方がないものもあります。
(有名指揮者で言えば、ザンデルリンク、カラヤン、朝比奈隆。
この3人の全集は新旧2セットずつもっていますが、
どちらにも大学祝典序曲は収録されていません。)

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者、オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(WARNER)
1957年3月
SACDハイブリッド(SACD STEREO、CD)
ブラームス交響曲全集

☆4.0
10:08

ブラームス:交響曲全集(SACDハイブリッド) Original recording remastered, SACD


冒頭の厳しい響きは、中世から続く大学の門の威容を思わせます。
全体的にテンポはゆっくりめに感じます
(といっても、後述のクナッパーツブッシュ盤よりは速いテンポなのですが・・・)
まさに19世紀頃の大学生の姿が浮かんでくるようです。
最後のスケールの巨大さがとても素晴らしいです。


◯クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィル(DECCA)
1957年6月
通常CD
カップリング:ハイドンの主題による変奏曲、アルト・ラプソディ、悲劇的序曲
※タワレコ限定品

☆3.5
11:30

ブラームス: 大学祝典序曲, ハイドンの主題による変奏曲, アルト・ラプソディ, 悲劇的序曲<タワーレコード限定>

昔聴いた時はもっと凄い演奏だった気がしますが、クレンペラー盤とくらべても、
おとなしい感じがしました。


◯ワルター指揮コロンビア交響楽団(SONY)
1960年1月
通常CD
ブラームス交響曲全集

☆4.5
9:57

Bruno Walter Conducts Brahms (Sony Classical Masters) Limited Edition, Import

(国内盤・1枚モノなら・・・)
ブラームス:交響曲第1番/大学祝典序曲/悲劇的序曲

温かみを感じる演奏です。
多少、金管がジャカジャカ賑やかにやっている感じがありますが、
聴いていて愉しいです。
ブラームスのモジャモジャ髭から笑みがこぼれているかのよう・・・


◯ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(SONY)
1966年10月
SACDハイブリッド(SACD STEREO、CD)
ブラームス交響曲全集

☆4.5
10:55

ブラームス:交響曲全集(完全生産限定盤) Limited Edition, SACD

今回紹介した盤の中で最も響きがよく、均整がとれています。
すべてのパートが過不足なく響き合い、理想的な演奏といえましょう。
SACDハイブリッド盤全集はお高いですが、オススメです。
ジョージ・セルといえば、従来は完璧主義かつ冷たい、というイメージでしたが、
SACD化されたことでその芸術的価値が再評価されることになってほしいな、
と思っています。


◯オイゲン・ヨッフム指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(WARNER)
1976年(詳細不明)
SACDハイブリッド(SACD STEREO、CD)
ブラームス交響曲全集

☆4.0
10:08

ブラームス: 交響曲全集, 大学祝典序曲, 悲劇的序曲<タワーレコード限定>

冒頭はかなりセカセカ始まります。
しかし聴いているとあっという間に時が過ぎ、
愉しい一時は堂々としたフィナーレに流れこみます。

ちなみに、セル指揮のブラームス:交響曲全集と、
ヨッフム指揮の交響曲全集のSACD、同日(2017年6月21日)に販売されました。
それぞれ特徴がありますが、私としては、セル指揮の方に軍配をあげます。
理由は録音の鮮明さです。
(SONYとEMIの録音傾向の差、ともいえますが・・・)


◯バーンスタイン指揮ウィーン・フィル(DG)
1982年9月
通常CD
ブラームス交響曲全集

☆3.5
10:22

Brahms: The Symphonies / Haydn Variations / Violin Concerto / Double Concerto Box set, CD, Collector's Edition, Import

全体的に腰が軽い感じを受けました。
明るいブラームスです。
クレンペラー盤を中世から続く大学だとすれば、
バーンスタイン盤は、20世紀アメリカの近代的なキャンパスというイメージです。
☆3.5としましたが、演奏として落ちる、ということではなく、好みの問題かも・・・
暑苦しくなく、聴きやすいです。

◯ジェイムズ・ジャッド指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Rpo)
1994年9月
SACDハイブリッド(SACD Multi,SACD STEREO、CD)
カップリング:交響曲第2番

☆3.5
10:22

Brahms: Symphony No. 2; Academic Festival Overture [Hybrid SACD] [Germany] SACD, Import

※タワレコかHMVで買った方が安いです(2017年6月28日現在)。

まさに「ニュートラルな」演奏。スコアそのものを味わいたいならいいのかも・・・
録音は良好です。


◯ズデニェク・マーツァル指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(EXTON)
2010年12月
SACDハイブリッド(SACD Multi,SACD STEREO、CD)
ブラームス交響曲全集

☆4.0
10:07

ブラームス:交響曲全集・大学祝典序曲・悲劇的序曲 Limited Edition

録音がとても優秀です。
響きの素晴らしいホールでゆったりと演奏に浸っているかのような気分を味わえます。
SACDサラウンドで聴くならこの盤はオススメです。
(高いですが・・・)
マーツァルといえば、マーラーの方が有名ですが、
このブラームスもなかなか魅力的です。

※カテゴリー「クラシック音楽・ブラームス」を新設しました。

2017年6月22日 (木)

シューマン:4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック op.86聴き比べ

シューマンの交響曲全集をいろいろ集めている中で、
この曲が収録されている盤がいくつかありました。
単なるホルン協奏曲ではなくて、「4本のホルン」という設定とタイトルから、
少しワクワクして聴いてみたら・・・
結構ステキな曲でした!
「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック op.86」です。
全3楽章、20分前後の曲です。
特に第1楽章冒頭のホルンのカッコ良さ!!!
シューマンファン以外には知られていないようですが、
もっと広く親しまれてもいいのでは、と思ってしまいました。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者、オケ名、レーベル、
ホルン奏者名(H1,H2,H3,H4と表記)、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、ホルン奏者のH2以下は、輸入盤の場合、
日本での一般的なカタカナ表記と違うことがあるかもしれません、悪しからず・・・

◯フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(BERLIN Classics)
H1:ペーター・ダム、H2:ヘルマン・メルケル、
H3:ヴェルナー・ピルツ、H4:ゲオルク・ベーナー
1960年、1961年(詳細不明)
通常CD
シューマン交響曲全集(3枚組)

☆3.5
第1楽章 7:57
第2楽章 5:44
第3楽章 6:23

交響曲全集 コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(3CD)

古めかしい城から甲冑の騎士が出てくるような冒頭。
ホルンの上手さが他の盤と比べるとイマイチな気もしますが・・・
コンヴィチュニー・ファンか、ペーター・ダムのファン向けか、
あるいはシューマンの交響曲全集のオマケと割り切るか・・・


◯ジークフリート・クルツ指揮シュターツカペレ・ドレスデン(BERLIN Classics)
H1:ペーター・ダム、H2:クラウス・ピーツォンカ、
H3:ディーター・パンサ、H4:ヨハネス・フリーメル
1983年7月
通常CD
※ホルン協奏曲集(ウェーバー、ロルツィング、サン=サーンス、シューマン)

☆4.5
第1楽章 7:51
第2楽章 5:27
第3楽章 6:10

ホルン協奏曲集(ウェーバー、ロルツィング、サン=サーンス、シューマン)

※私は国内盤ではなく、輸入盤で所有しています。

録音がすばらしく、ホールの残響がまるでお城か、
中世のゴシック様式の教会にいるかのよう・・・
(実際は、ドレスデンのルカ教会で収録。)
颯爽としており、第1楽章冒頭の印象は、
まるで鮮やかな衣装のイケメン4人騎士が、
かっこよく入場してくるようなイメージです。
通常CDであれば、このアルバムがファースト・チョイスです。

◯ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)
ロジャー・モンゴメリー、スーザン・デント、ギャヴィン・エドワーズ、ロバート・マスケル
(誰がどの担当かは不明)
1997年5月、10月
通常CD
※シューマン交響曲全集(5枚組)

☆4.0
第1楽章 7:09
第2楽章 5:02
第3楽章 5:39

Collector's Edition: Schumann Box set, CD, Import

軽やかな感じ。中世の騎士というよりは、
現代のスポーツカーというイメージかも・・・
すっきりとした演奏で、聴きやすいです。
オリジナル楽器とかそういう先入観抜きでも十分堪能できます。


◯バレンボイム指揮ベルリン・フィル(EUROARTS)
デイル・クレヴェンジャー、シュテファン・ドール、
イグナシオ・ガルシア、ゲオルク・シェレッケンベルガー
(誰がどの担当かは不明)
1998年4月
DVD(PCM Stereo)
バレンボイム/ベルリン・フィル イン・ベルリン国立歌劇場 [DVD]
※タワレコかHMVで入手することをオススメします。

☆3.0
第1楽章ー第3楽章(通し) 21:08

バレンボイム/ベルリン・フィル イン・ベルリン国立歌劇場 [DVD]

(タワレコ)
Orchestra Soloists - Beethoven, Schumann, Liszt, Wagner

録音がイマイチなので、かなり損しています。
もっと細部がはっきりくっきりしていれば、
間違いなく☆4.0か☆4.5の評価だったかもしれません・・・

◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)
シュテファン・ドール、エルケ・シュルツェ・ヘッケルマン、
フォルカー・グレーヴェル、トーマス・ゾンネン
(誰がどの担当かは不明)
2012年12月
SACDハイブリッド(SACD 5ch multi、CD)
カップリング:序曲・スケルツォとフィナーレ、交響曲第4番

☆4.0
第1楽章 7:16
第2楽章 4:37
第3楽章 5:57

シューマン:交響曲第4番、序曲・スケルツォとフィナーレ&コンツェルトシュトゥック SACD

いい意味でも悪い意味でも、癖のない演奏です。
21世紀のスタンダードとなるのかも・・・
ホルンとオケのバランスがちょうどよいです。
SACDマルチでこの曲を聴きたいなら、この盤がオススメです。

2017年6月20日 (火)

NHKEテレ・クラシック音楽館「新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会」(2017年6月18日放送)

指揮者の上岡敏之さん登場、ということで録画して視聴しました。
(以下敬称略)
2017年6月18日放送のNHKEテレ・クラシック音楽館で、
2017年5月12日・横浜みなとみらいホールで収録された、
新日本フィルの演奏会を放映していました。
曲目は、
ヴァーグナー:「タンホイザー」序曲、
「ヴェーゼンドンクの五つの詩」(ソプラノ:カトリン・ゲーリング)、
ブルックナー:交響曲第3番」、
アンコールとして、J・S・バッハ:「アリア」(管弦楽組曲第3番より)。

ホールの音響の問題なのか、録音がイマイチなのか、
全体的に音質がパッとしなかった印象を受けました。

この演奏会でのメインプログラムである、
ブルックナーの交響曲第3番についてのみコメントします。
(「ヴェーゼンドンクの五つの詩」での、
ソプラノのカトリン・ゲーリングの声は美しかった、とだけ書いておきます。)

ギュンター・ヴァントや朝比奈隆、
あるいはカール・ベームらが指揮した名盤から、
ブルックナーの交響曲第3番は、
ゴツゴツ、トゲトゲした印象をもっていました。
ブルックナーらしさがついに全開した、記念碑的な作品です。

しかし、上岡敏之指揮新日本フィルの演奏は、
どこもトゲトゲしたところやゴツゴツしたところがなく、
まるで磨いた玉のようでした。
チェリビダッケの指揮ぶりが一番近いかも・・・
それがプラスに作用していればいいのですが、
ブルックナーのこの曲に関しては、マイナスに働いているように思えました。
あと、印象的だったのが、タメすぎるブルックナー休止・・・
(特に第1楽章・・・)
ここまでやり過ぎると、ちょっとなぁ・・・と思いますが、
もし宇野功芳センセイが生きていて、この演奏を聴いたら、
なんとおっしゃるのだろう、と思わず考えてしまいました。
「ブルックナーの本質を外している」というのか、
それとも、「クナやチェリビダッケ、シューリヒト以来の凄演!」とベタ褒めするのか・・・
今時の指揮者としては、相当に個性的な演奏であったのは確かです。
そういう意味では、次に何をやってくれるか、ワクワクすることができる、
日本人指揮者の中では稀有な存在ではあります。

上岡敏之指揮の演奏では、シューマンやベートーヴェンの「第9」、
マーラーの第1、第5などの盤を持っていますが、
いずれも名演です。
しかし、ブルックナーはどうなのでしょう?
史上最遅のブル7と言われた盤、私は未だに手を出していませんし、
たぶんパスかもしれませんね・・・
上岡敏之指揮では、ブルックナー以外に期待した方がいいかも・・・

ブルックナー:交響曲第7番(2枚組!収録時間92分!)

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)

以前ブルックナーの交響曲第3番について記事を幾つか書いていますので、
よろしければお読みください。

シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮ハンブルク・フィル(Philharmoniker Hamburg)による、ブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿版)
ブルックナー:交響曲第3番(1889年第3稿)聴き比べ4盤〜朝比奈、ヴァント、セル、ベーム・・・

2017年6月15日 (木)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その4)21世紀のスタンダードは?

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第4回(最終回)は、21世紀に入ってからのの録音です。

21世紀の録音となると、SACDマルチチャンネルや、
Blu-rayも含まれます。
ただのSACD 2chStereoよりも音の迫力が有利な面がありますが・・・

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン放送交響楽団(harmonia mundi)
2002年5月19日
通常CD
※Berliner Sinfonie-Orchester KURT SANDERLING(5枚組CDBOX)
ザンデルリンク引退コンサートを中心としたもの

☆4.0
第1楽章 12:03
第2楽章 04:39
第3楽章 05:47
第4楽章 10:21

Various Symphonies/Concertos Box set, Import

長い指揮者人生の有終の美を飾るにふさわしい、
まさに大団円という言葉がぴったりな演奏です。
第4楽章は、「人生いろいろあったけど、ハッピーエンドを迎えた・・・」
ということを思わせるような感じです。
人生の絶対肯定!

なお、ザンデルリンクの最後の演奏会の演目は、
◯ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
◯モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番(ピアノ:内田光子)
◯シューマン:交響曲第4番
の3曲でした(どれもCDBOXに収録)。
特に、内田光子のピアノによる、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番は、
バレンボイムの旧録音と並ぶ、超名盤だと思います。
「ハイドンの主題による変奏曲」も名演奏です。

(参考)Mozart: the Complete Piano Con Box set, CD, Import

◯ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(ARTE NOVA→SONY?)
2003年10月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 09:44
第2楽章 03:42
第3楽章 05:45
第4楽章 08:02

シューマン:交響曲全集

※我が家にあるのは、下の50枚組CDSET。
Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014 Limited Edition, Original recording remastered, Box set, Import

細部で「おやっ?」(たいていは装飾音)と思うところが幾つもあり、
聴いてみて新鮮さがあります。
(何回も聴くとどうなのでしょうか?)
ただし、スケールは小さめです。

◯トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard)指揮スウェーデン室内管弦楽団(BIS)
2007年5月、10月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  交響曲第3番、マンフレッド序曲、「ヘルマンとドロテア」序曲

☆4.0
第1楽章 09:38
第2楽章 03:34
第3楽章 05:26
第4楽章 07:39

Schumann: Symphonies Nos. 3 & 4 [Hybrid SACD] SACD, Import

キビキビとした演奏です。
第4楽章を聴くと、実に爽快さを感じました。
こんなに爽やかな曲だったっけ?
なぜか、フランクの交響曲の第3楽章フィナーレを思い出してしまいました・・・
なお、ダウスゴー指揮では、初稿版(original version 1841)の録音もありますが、
今回は取り上げません。

(参考)
Syms 2 & 4 Hybrid SACD, SACD, Import

◯上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団(DENON)
2008年10月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲

☆4.0
第1楽章 10:37
第2楽章 04:01
第3楽章 05:21
第4楽章 08:54

シューマン:交響曲第4番 Hybrid SACD

第3楽章の長いタメをプラスと見るか、マイナスと見るかで、
評価が分かれるかも?
(私はプラスにとりましたが・・・)
フルトヴェングラー指揮の名盤を少しスケールダウンして、
音を鮮明にしたような感じがします。
第4楽章が特に生き生きとしています。


◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)
2011年12月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  序曲・スケルツォとフィナーレOP.52、
4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥックOP.86

☆4.0
第1楽章 10:22
第2楽章 03:58
第3楽章 05:32
第4楽章 09:38

シューマン:交響曲第4番、序曲・スケルツォとフィナーレ&コンツェルトシュトゥック SACD

"I LOVE Schumann!"と公言してはばからない、
P・ヤルヴィのシューマン愛が詰まった、
若々しく力強い演奏です。録音も優秀です。
ベートーヴェンの交響曲全集(DVD)と並んで、
21世紀のスタンダード演奏になるかもしれませんね・・・

(参考)ベートーヴェン:交響曲全集~2009年ボン・ベートーヴェン音楽祭ライヴ [DVD]


◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン( C major)
2012年?
Blu-ray(DTS-HD MA5.1 / PCMステレオ)
※シューマン交響曲全集 SCHUMANN AT PIER2

☆4.0
第1楽章 10:40
第2楽章 04:18
第3楽章 05:30
第4楽章 09:43

シューマン : 交響曲全集 (Robert Schumann : The Symphonies / The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen , Paavo Jarvi / + A Concert Film by Christian Berger) [Blu-ray] [輸入盤] [日本語解説付]

映像付です。
基本的な解釈はSACD盤とほぼ同じです。
ボーナス映像その他を考えると、揃えておく価値はあると思います。
(若干ながら、こちらの方が演奏・録音共に優れているかも?)
なお、映像の字幕は、「英独仏西中韓」です(;д;)

今回でひとまずシューマン:交響曲第4番の聴き比べシリーズが終わりです。
今回の聴き比べ記事に間に合わなかった盤は、各記事の追記で取り上げることにします。

(参考)
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その3)1980年〜1990年代まで

2017年6月10日 (土)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その3)1980年〜1990年代まで

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第3回は、1980〜90年代の録音です。

80年代は、巨匠の時代の終わりという感じです。
90年代に入ると、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティックによる、
初稿版(original version 1841)の録音(後述)が出てきます。
我が家には、ガーディナー盤の他に、
トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内管弦楽団盤がありますが、
今回は初稿版(及びマーラー版)については取り上げません。

(参考)Syms 2 & 4 Hybrid SACD, SACD, Import
※こちらの第4番は、初稿版です。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、特記しない限り、モノラル録音ではありません。


◯バーンスタイン指揮ウィーン・フィル(DG)
1984年2月
通常CD
※シューマン交響曲全集(2枚組CD)

☆3.0
第1楽章 11:48
第2楽章 05:13
第3楽章 05:54
第4楽章 09:29

シューマン:交響曲全集

一般的には評価の高い盤ですが、あまり感銘を受けませんでした。
録音も、少しか細い感じがしました。
ただ、第4楽章のラストの熱狂は、
「さすが、レニー!!」という感じでした。
(汗だくで指揮したのでしょうね・・・)


◯チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(Altus)
1986年10月
SACDシングルレイヤー(SACD2chSTEREO)
カップリング ムソルグスキー(ラヴェル編曲):「展覧会の絵」、
ドヴォルザーク:スラブ舞曲第8番

☆4.0
第1楽章 11:30
第2楽章 05:07
第3楽章 06:42
第4楽章 09:18

シューマン : 交響曲 第4番 他 (Schumann : Symphony No.4, Mussorgsky : Pictures at an Exhibition / Celibidache, Munchner Philharmoniker) [SACD シングルレイヤー] SACD

日本でのライブ録音です。
クレンペラー盤とは違った意味での巨大なスケール感で、
全体的にはまるで象が踊っているかの印象さえ受けました。
クレンペラー盤やサヴァリッシュ盤のようなゴツゴツさは無く、
どこもかしこもふんわりしており、
どこにも(悪い意味で→耳をさすような)尖った響きはありません。
シューマンを聴くというよりは、チェリビダッケの至芸を聴くための盤です。
録音は優秀です。
時折指揮者のうなり声が聴こえてきます。


◯カラヤン指揮ウィーン・フィル(DG)
1987年5月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 11:00
第2楽章 04:50
第3楽章 05:51
第4楽章 08:54

Symphonies Box set, CD, Import

1971年のBPOとの録音のような、精悍さ、力強さ、
輝かしさは確かに減じていますが、
ギラギラしていた70年代にはない、
人生の最後の残照のようなものが全体的ににじみ出ているかのような演奏です。
ウィーン・フィルのふんわりとした響きもプラスに作用しています。
第3楽章から第4楽章にかけての橋渡しとなる部分での、
沈滞感は独特でした。
第4楽章は、「人生、これでよかったのだ!」と言わんばかりの、
おおらかな肯定感、微笑みが見えるようでした・・・


◯ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)
1997年5月、10月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 9:55
第2楽章 3:39
第3楽章 5:13
第4楽章 1:34+7:34

Collector's Edition: Schumann Box set, CD, Import

オリジナル楽器による演奏ですが、
モダン楽器かオリジナル楽器か、そんなことはどうでもいいです。
曲の美しさと愉しさを十分に教えてくれる演奏です。
耳にすんなりと入ってきます。
収録時間を見ると全体的に短いように思えますが、
実際聴いてみると、ちょうどいい長さと思います。
あっさりしていてしつこくないが、
細部の美しさは光っています。

次回は21世紀に入ってからの録音を取り上げる予定です。

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代

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