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2017年3月 1日 (水)

NHKBSプレミアム・プレミアムシアター:ドキュメンタリー 「マエストラ 指揮台への長い旅」(2017年2月27日放送)

女性のピアニストやヴァイオリニストは世界的な方がたくさんいます。
しかし、作曲家や指揮者では?
特に指揮者は、まだまだ男性の世界のようです。
2017年2月27日に、
NHKBSプレミアムで放映されたドキュメンタリー
マエストラ 指揮台への長い旅」では、
まだまだマイナーな女性指揮者にスポットライトをあて、
草創期に道を開いた指揮者シルヴィア・カドゥフ(失礼ながら、今回初耳でした・・・)を中心に、
現在活躍中のマリン・オールソップやアヌ・タリといった指揮者のインタビュー、
及びリハーサルと実演の様子などで、女性指揮者の現状を紹介していました。

シルヴィア・カドゥフは、
カラヤンとバーンスタインという20世紀後半の二大巨匠に後押しを受けるほどでしたが、
60年台では、まだ女性指揮者への道は固く閉ざされており、
あまり活躍できなかったようです。
(それでも、女性として初めてベルリン・フィルを指揮した、とのこと!)
不遇ながらも、道を切り開いた人がいたから、
女性指揮者が当たり前の存在として認められるようになったわけです。

私自身は、その指揮者が男性か、女性か、あるいはゲイやバイであるかとか、
そんなのはどうでもいいことです。
聴こえてくる音がすばらしいか、どうかだけです。
「女性指揮者」だからすばらしい、或いは劣っている、というのは全くナンセンスです。
才能ある女性に、指揮者の道がさらに開かれることは期待しますが、
「市場原理」で生き残るかどうかはまた別の問題です。

ただ、まだまだ「女性指揮者」というカテゴリーでくくられるのは、
まるで珍品扱いですね・・・
私としては、以前拙ブログで紹介した、
ブルックナー:交響曲第3番(初稿版、SACD)と、
ブラームス:交響曲第1番(SACD)で紹介した、
シモーネ・ヤングは凄腕指揮者だ、と思っています。
(番組には出てきていませんでしたが・・・)
ブラームス:交響曲第1番、SACDで聴き比べ6盤
シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮ハンブルク・フィル(Philharmoniker Hamburg)による、ブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿版)
これだけ硬派な演奏は、なかなか聴かれないと思います。
ちなみに、女性として初めてウィーン・フィルを指揮したのが、
シモーネ・ヤングです。

(参考)ブラームス交響曲全集(通常CD)

※可能であれば、SACDの分売盤をオススメしたいです。

ブルックナー交響曲全集(通常CD)

番組に出ていた、マリン・オールソップ指揮のCDは、
以前NAXOSで出ていた(何のCDだったか忘れましたが・・・)のを買ったことがあります。
これは、女性指揮者だから、というよりは、聴きたい曲だったから購入したものです。

ちなみに、このドキュメンタリー番組の後、
昨年(2016年)8月27日にロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)で行われた、
ミルガ・グラジニーテ・ティーラ指揮 バーミンガム市交響楽団演奏会も放映されました。
女性指揮者ですね。
ただ、実際に聴いてみて、
モーツァルトの「魔笛」序曲からして、「なんか軽いな・・・」という印象を受け、
チャイコフスキーの交響曲第4番では、冒頭1分ほど聴いて、
「やっぱり軽いな・・・」と思い、そこで視聴終了・・・
そういう意味では、「女性指揮者」というカテゴリーを売り物にしてはならないな、
と思います。
(ちょっと厳しいコメントですね・・・)

2017年2月24日 (金)

J.S.Bach:小フーガ ト短調(Fugue in G minor)BWV578編曲版3種〜オーケストラ版、チェンバロ版、ピアノ版

先日、BS11で、
「宇宙戦艦ヤマト2202」2.25発進記念!! 愛の特別番組
というのを放映していました(2017年2月21日OA)。
「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」と「宇宙戦艦ヤマト2」のリメイク版、とのこと。
映画の冒頭12分を番組中で公開していました。
「ヤマト2」といえば、あの「白色彗星」のテーマ!
もろもろのアニメのインスト曲の中でも、出色な恐怖感・威圧感ですね。
あのパイプオルガンの音を聴いているうちに、
なんとなく、バッハの「小フーガ」をふと思い出してしまいました・・・
(全然似ていない、と言われればそこまでなのですが・・・(゚ー゚;)

(参考)
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち [Blu-ray]


宇宙戦艦ヤマト2 DVD MEMORIAL BOX


YAMATO SOUND ALMANAC 1978-II「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 音楽集」 Blu-spec CD

(参考)
アニメ映画「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」映画館で皆が泣いた感動の名シーンまとめ。

ちょうど先日、ストコフスキーによるバッハの編曲モノのSACDを入手しました。
「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」のオーケストラ編曲版は知っていましたが、
このSACDでは、その曲は入っておらず、
代わりに「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」BWV1004中の有名な、
「シャコンヌ」の編曲版も入っていました。
今回紹介する、「小フーガ」もオーケストラ版として収録されています。
オルガン原曲のおごそかな世界が、
まるで「スター・ウォーズ」みたいな壮大な音宇宙になっていました!

Stokowski / Wagner (SACD) Import, SACD

◯レオポルド・ストコフスキー指揮ロンドン交響楽団(DUTTON)
1974年4月※原盤はSONY。
SACDハイブリッド(SACD Multi-ch、SACD STEREO、通常CD)
※カップリングは省略します。
3:28

ところで、実は我が家には、オルガン曲(だけ)のCDは数枚しかありません。
オルガン曲といえばバッハ、ついでフランクですが、
バッハのオルガン曲はカール・リヒターの東京公演のSACDが1枚あるばかりです。
他は、セザール・フランクのオルガン曲CD(2枚組)があるだけ・・・

何故かと言うと、オルガンをCDで聴いてもあまり美しく感じないからです。
私が初めてパイプオルガンの生音を聴いたのは高校生のときで、
場所はスイスのルツェルンの教会でした(確かカトリック・・・)。
オルガンの練習中だったようですが、教会全体が楽器として響き渡る体験をしました。
この音に比べると、どれだけ高級なオーディオ裝置をもっていようとも、
CDの音は貧相なものだな、と思いました。
その印象は今でも変わりません。
(教会やコンサートホールで演奏されるなら、聴きたいと思いますが・・・)
というわけで、かつてはバッハのオルガンのCDを何盤も持っていましたが、
手放してしまったワケです。

オルガンによる「小フーガ」は今(2017年2月24日現在)手元にありませんが、
チェンバロ版と、ピアノ版はあります。

チェンバロ版は、曽根麻矢子の演奏です。

シャコンヌ~バッハ・チェンバロ名曲集

上記は通常CDですが、我が家にあるのはSACDハイブリッド盤です。

◯曽根麻矢子(チェンバロ)(avex-classics)
2004年4月
3:45

オルガンとはまた違った、キラキラした響きで、
聴いていて疲れない演奏です。

ピアノ版は、タチアナ・ニコラーエワの演奏です。
残念ながら、廃盤のようですので、
ダウンロード版と少し怪しげな輸入CDを紹介しておきます。

◯タチアナ・ニコラーエワ(原盤:ビクター・エンタテイメント)
髙橋悠治編
5:34


MP3ダウンロード版
Tatiana Nikolayeva plays Bach


Nikolayeva Tatiana: Plays Bach Piano Mu CD, Import

ニコラーエワの演奏はCDが廃盤になったせいか、
すっかり忘れ去られつつあるのが残念です。
精神性を感じさせるバッハの代表盤ではないかと思っています。
オルガンにも負けない、バッハの精神世界に迫る名演奏です。
深い沈滞感が魅力です・・・

2017年2月14日 (火)

NHKBSプレミアム・プレミアムシアター:ドキュメンタリー 「カラヤン ~ザ・セカンド・ライフ~」(2017年2月13日放送)

私がクラシック音楽を本格的に聴くようになったきっかけは、
父親が買ってくれたCDラジカセと、
カラヤン指揮ベルリン・フィルによる、
ベートーヴェンの交響曲第5番・第8番のCDでした。

クラシック音楽好きになったきっかけはカラヤンでも、
カラヤンを正当に評価できるようになるまで、
結構な時間がかかりました。
故宇野先生を代表とする、アンチ・カラヤン(その他、小澤征爾やアバドなど)こそ、
芸術の真の理解者だ、みたいな風潮に、私も長年毒されてきました。
でも数年前ほどから(ちょうど故宇野先生の評論も揺らいできたあたり)、
評論家AやBがどう言おうと、レコ芸でどう評価されていても、
あるいはAmazonやHMVのレビュー、
果てはクラシック音楽の諸々のブロガーがどう言おうとも、
自分なりの基準で、名演かどうか、様々な聴き比べを経て、
ようやく自信をもって言えるようになってきたと思います。

そういう中で、モノラル録音期ならフルトヴェングラー、
ステレオ録音期なら、バーンスタインを代表とする、
極めて主観的な演奏(良く言えば個性的すぎる)への評価が、
私の中では下がり、
反対に、ブーレーズやジョージ・セル、フリッツ・ライナーといった、
スコアを忠実に再現するのを第一とする指揮者が再評価されるようになりました。
そういう一環で、カラヤンやアバド、小澤征爾といった指揮者も、
いいものはいい、と言えるようになってきました。


それはさておき、
2017年2月13日に、NHKBSプレミアムの「プレミアムシアター」で、
「カラヤン ~ザ・セカンド・ライフ~」というドキュメンタリー番組が放映されました。
(2013年頃一度NHKBSプレミアムで放映されたことがあるそうです。)
カラヤンの膨大なレコーディングに関する、
本人へのインタビュー及びリハーサル・録音風景と、
録音技師やベルリン・フィル団員、
ヴァイオリニストのアンネ・ゾフィー・ムターや、
メゾソプラノのブリギッテ・ファスベンダーなどへのインタビューを交えた映像作品です。

NHKのHPによると、
出演者は次のとおりです。


(引用)
ベルリン・フィル:クラウス・シュトール
エーベルハルト・フィンケ
クシシュトフ・ポロネク
音楽評論家:ペーター・ユーリング
バイエルン国立管弦楽団:クラウス・ケーニヒ
独グラモフォン社 元プロデューサー:ハンス・ヒルシュ
バイオリニスト:アンネ・ゾフィー・ムター
独グラモフォン社 元録音プロデューサー:ハンス・ウェーバー
EMI 元プロデューサー:ペーター・アルヴァルト
オルガン奏者/テープ編集者:デーヴィッド・ベル
神経科学者:エルンスト・ペッペル
メゾ・ソプラノ:ブリギッテ・ファスベンダー
元バランス・エンジニア:ウォルフガング・ギューリヒ
アヴァルト社 記録保管係:ゴーデハルト・プルーイン
アヴァルト社 バランス・エンジニア:アンドルー・ウェートマン

(引用終)


カラヤンの演奏又はリハーサル風景としては、
マーラーの交響曲第5番や、ストラヴィンスキーの「春の祭典」などが、
かなり多く取り上げられていました。

カラヤンが録音で何度も取り上げたチャイコフスキーは全然なく、
ベートーヴェンもほんのちょっと。
しかし、カラヤンのレパートリーとしては当時画期的だった、
シェーンベルクやマーラーの録音を取り上げていたのは慧眼だったと思います。
(シェーンベルクらの「新ウィーン楽派作品」の録音は、
カラヤンの膨大な録音の中でも、非常に価値のあるものの一つですね。
とはいえ、私も結局、シェーンベルクの「浄夜」しか価値がわからなかったのですが・・・)

(参考)
シェーンベルク:浄夜/ベルク:叙情組曲

録音の際のエピソードは興味深く見入ってしまいました。
カラヤンの偉大さを改めて認識できた番組でした。
なお、このドキュメンタリーは、DVDでも出ていますし、
ベルリン・フィルの「デジタル・コンサート・ホール」サイトでも視聴可能のようです。

Karajan: The Second Life [DVD] [Import]

ドキュメンタリー『カラヤン~セカンド・ライフ』

(参考)
カラヤンのレコード人生を記録した映像作品(ブログ名:児童文学と音楽の散歩道)

2017年1月22日 (日)

テレビ朝日系・題名のない音楽会「ヴァイオリンの名曲を奏でる音楽会」(2017年1月22日放送)〜バックが豪華すぎ?

2017年1月22日放送の「題名のない音楽会」では、
「ヴァイオリンの名曲を奏でる音楽会」として、
ヴァイオリンの名曲を紹介する、という内容でした。
メインは司会の五嶋龍(以下敬称略)でしたが、
共演者が実に豪華でした。

1曲目は、ヴィエニャフスキの「2人のヴァイオリンの為の奇想曲(カプリス)」。
五嶋龍と、マキシム・ヴェンゲーロフの共演でした。
実にスリリングな展開!
ヴェンゲーロフを出して、ここで終わらせてしまうのは、実にモッタイナイ・・・

2曲目は、ショパンの「ノクターン 第20番 遺作」を、
ナタン・ミルシテインがヴァイオリンとピアノ用に編曲した作品。
ヴァイオリンは五嶋龍で、ピアノはユンディ・リ!
ヴァイオリンが美しいメロディを奏でる中、
ピアノはひたすら地味に和音を伴奏・・・
これでユンディ・リを使うのは、またもやモッタイナイ・・・
(ユンディ・リはこの1曲で終了・・・)

3曲目は、葉加瀬太郎の「情熱大陸」。
葉加瀬太郎本人と五嶋龍が共演して、
ロックコンサートっぽい展開になっていました。
この放送回の中で一番盛り上がったところでした。

最期は、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番の第1楽章。
ちょうど昨日(2017年1月21日)、この曲の聴き比べ記事を書いたばかりだったので、
私にとっては実にタイムリーな放送となりました。
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番聴き比べ14盤
オケは東京フィルハーモニー交響楽団で、
指揮はアンドレア・バッティストーニ!
これまた豪華な取り合わせでした!
バッティストーニは第1楽章冒頭をきちんと聴こえるように演奏していました。
やはり聴こえるか聴こえないかスレスレ、というよりも、
きちんと聴こえた方が曲の世界に入りやすいな、と改めて実感しました。
バッティストーニの指揮したCDはまだ数が少ないですが、
もし彼がプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲2曲を指揮したら、
迷わず買うと思います。
演奏しながらの、五嶋龍による曲へのコメントも「なるほど」と思いました。

ここまで豪華な回だと、文句のつけようがないですね・・・
あえて言えば、ゲストの見せ場をもっと増やすなど、
もう少し扱いを増やしてほしい、くらいでしょうか。

番組HP(今回の放送回)及びブログは以下の通りです。
「ヴァイオリンの名曲を奏でる音楽会」
ヴァイオリンの名曲を奏でる音楽会(番組ブログ「音楽会の帰り道」)

余談ですが、2017年1月8日放送の「テーマ曲の秘密を知る音楽会」もすばらしかったです。
もちろん、最高は「「君の名は。」メドレー」!!!
映画「君の名は。」の映像付で、4つの主題曲をオケでメドレーとして演奏していました。
映画を観て感動した人にとっては感涙モノですね・・・
実にステキな編曲でした。
誤って放送録画視聴後すぐ消去したので、
再度BS朝日での再放送を録画したほどです。
「君の名は。メドレーの部分だけ、当面録画保存する予定です。
(参考)
→「テーマ曲の秘密を知る音楽会」(番組HP)
テーマ曲の秘密を知る音楽会(番組ブログ「音楽会の帰り道」)

2017年1月 9日 (月)

NHKEテレ・クラシック音楽館 「N響コンサート 第1847回定期公演」(2017年1月8日放送)〜グレツキ:交響曲 第3番 作品36“悲歌のシンフォニー”と、アニメ「フランダースの犬」のラストシーン・・・

NHKEテレの「クラシック音楽館」。
2017年は深い悲しみの曲から幕を開けました・・・
2016年11月9日、サントリーホールでのN響第1847回定期公演の放映です。
曲目は、
モーツァルトの「クラリネット協奏曲」と、
20世紀後半に活躍したポーランドの作曲家、
ヘンリク・ミコワイ・グレツキ(1933−2010)の代表曲、
「交響曲 第3番 作品36“悲歌のシンフォニー”」でした。
我が家では録画して視聴しました(裏番組のドラマを観ていたため。)。

モーツァルトの「クラリネット協奏曲」へのコメントはパスします。
グレツキの作品「交響曲 第3番 作品36“悲歌のシンフォニー”」は、
思い入れのある曲です。

グレツキの名を、
普段「ゲンダイオンガク」や、クラシック音楽をあまり聴かない人にまで知らしめたのが、
上の盤です。
今回N響を指揮した、デーヴィッド・ジンマン指揮ロンドン・シンフォニエッタ、
ドーン・アップショウ(S)の独唱です。
英国では、1993年に発売されてミリオンセラーになったとのこと。
日本でも、結構売れたはずです。
(私も持っていました・・・)

そのジンマンが、N響を指揮してこの曲を演奏するのだから、
期待度大でした。

第1楽章は、中世のラメント(哀歌)をテキストにした、
聖母マリアが息子イエスの受難を嘆く内容。
最も有名な第2楽章は、
ゲシュタポ収容所の壁に書かれた言葉をテキストにしています。
第3楽章は、息子を失った母親の嘆きをうたった民謡がテキストです。

第1楽章は25分ほどで、
とても低くて小さい音がゆっくりと、だんだん結集して、
まるで音のカーテンを作るようです。
音の頂点で、声楽が入ります。
そして嘆きのクライマックスの後、
音は今度は逆に、
だんだん遠ざかるように小さくなっていきます。
初めてこの曲を聴いた時は、まるで山登りのように思えたのですが、
今回N響の演奏で聴くと、
聖母マリアが定点に立って、
イエス様の十字架の道行きを見届けるかのような印象を受けました。
つまり、十字架の道行がだんだん近づいてきて、
歌のところで目の前を通り、
また遠ざかっていく・・・・
そういう意味では、
バッハの「マタイ受難曲」の冒頭のような構造なのかもしれませんね。

第2楽章、冒頭の和音を聴いただけで、
条件反射的に泣きそうになってしまいました・・・
冒頭の響きは、「あの世」からの響きなのでしょう。
すぐさま苦しみの響きに戻り、
実に苦しげな声が聴こえてきます。
うめきの中から、かろうじて書かれた、
おそらく母への遺言なのでしょう・・・
同じテキストが、曲の後半から、
冒頭の天上的な響きと共に清らかに歌われます。
おそらく、「あの世」から自分の母に呼びかけているかのように・・・

ふと連想したのが、
アニメ「フランダースの犬」のラストシーンです。
よく、アニメで最も泣けるシーンとして選ばれることが多いですね。
救いようのない悲劇の中にも、天上的な視点からの救済が描かれています。
(私はテレビ版よりも、劇場版の方が好きです・・・)

劇場版フランダースの犬(DVD)

もう第2楽章だけでも涙腺崩壊?
第3楽章は、オマケかダメ押しのようなものです。

演奏自体は、独唱のヨアンナ・コショウスカが
(失礼ですが)それなりの年齢ですので、
第1楽章、第3楽章にはぴったりでしたが、
第2楽章は、やはりドーン・アップショウの凛とした歌唱の方が優れていると思いました。
(テキストを書いたのが、若い女性だったようです・・・)

なお、この曲の録音はそれほど多くないですが、
上記ジンマン盤の他にいくつかあります。

今回独唱したヨアンナ・コショウスカが1983年に録音した盤です。
指揮:カジミェシュ・コルト
管弦楽:ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
ソプラノ:ヨアンナ・コズウォフスカ(コショウスカ)


クラシック音楽ファンの間では、ジンマン盤より評判がいい(らしい)盤。
ジンマン盤のヒットを受けて、1994年に録音。
ゾフィア・キラノヴィチ(ソプラノ)
ポーランド国立放送交響楽団
アントニ・ヴィト(指揮)

Antoni Wit Conducts Henryk Gorecki CD, Import

※3枚組の1枚目に収録されています。

1枚ものならコチラ
グレツキ:交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」/3つの古代風小品

なお、グレツキの交響曲第3番については、既に記事を書いていますので、
よろしければお読みください。
(ジンマン盤のCDジャケットの写真を探してみて、
見つけて読んでみたら自分の記事でした(*^-^))
悲しみが結晶した音楽~グレツキ・交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」

(参考)
劇場版「フランダースの犬」とテレビ版「フランダースの犬」~軍配は劇場版の方!

2016年12月13日 (火)

NHKEテレ・クラシック音楽館 「ティルソン・トマス指揮 サンフランシスコ交響楽団」(2016年12月11日放送)〜ユジャ・ワン(Yuja Wang)のショパン ピアノ協奏曲第2番〜

2016年12月11日、夜9時台の我が家のテレビは激戦区でした(^-^;
テレビ朝日系では、フィギュアスケートのグランプリファイナルを放送しているし、
NHKBSプレミアムでは、
海外ドラマ「そして誰もいなくなった」の最終話(第3話)が放映(妻が観ていました)、
そして、NHKEテレでは、「クラシック音楽館」で、
マイケル・ティルソン・トーマス(以下MTT)指揮のサンフランシスコ交響楽団の東京公演が放映・・・
我が家のレコーダーは全部録画なんて器用なことはできませんから、
結局、夜9時台のグランプリファイナル(男子シングル)は視聴を諦め、
(翌日BS朝日で放映があるので・・・)
「そして誰もいなくなった」をリアルタイムで観て、
「クラシック音楽館」は録画としました。

それはさておき、本題に移りましょう。
MTT(NHKでは「ティルソン・トマス」と表記)は、
私にとって、マーラーの交響曲録音で再注目した存在です。
(あと、ベートヴェンの第9や、「春の祭典」も素晴らしいです!)
実は、クラシック音楽を本格的に聴き始めた頃に、
北海道の千歳市で、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)の一環として、
MTT指揮ロンドン交響楽団の実演を聴いたことがあります。
演目は確か、ベートーヴェンの「レオノーレ」第3番と、
R・シュトラウスの「英雄の生涯」だったと思います。
オケの金管が咆哮しているのに、なんだか眠くなってしまった・・・
それ以来、MTTの指揮と、
R・シュトラウスの交響詩は縁遠くなってしまいました。

年を経て、「巨匠病」(?)や「UNO病」(?)から「治癒して」(?)、
指揮者の自己主張をこれでもか!と聴かせる演奏よりも、
すっきりと音楽そのものを聴かせる演奏の方がだんだん好きになってきました。
ブーレーズや小澤征爾、そしてMTTといった指揮者も、
ようやく正当に評価できるようになってきたのではないかと思います。

またまた脱線しましたね(スイマセン・・・)
今回の「クラシック音楽館」では、
ユジャ・ワンをソリストに迎えての、
ショパンのピアノ協奏曲第2番と、
ブルックナーの交響曲第7番(ハース版)を放映していました。

今年の来日プログラムでは、他会場で、
マーラーの交響曲第1番や、ラフマニノフの交響曲第2番を演奏したとのことで、
どちらかというと、MTTならマーラーを聴きたかったかな、と思いましたが、
NHK音楽祭でのプログラムなので仕方ないですね・・・
2016年11月22日・NHKホールでの収録です。

まずはプログラム後半のブルックナーから。
期待していた以上のよい演奏だったと思いますが、
模範的な演奏、という以上のものではなかったと思います。

では、ユジャ・ワンをソリストに迎えての、
ショパン:ピアノ協奏曲第2番は?
もともと、ピアノ協奏曲第2番は、ピアノ協奏曲第1番に比べると、
かなり地味です。
(第2番といいながら、実は作曲完成は1番より早いとのことです。)

クリスチャン・ツィメルマンが指揮とピアノ(と編曲!)をしている、
超名盤を別格とすれば、
オケは誰が指揮しても、やはり「伴奏」以上の存在にはなれないのです。
たとえばシャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団でさえも・・・

(参考)ツィメルマンのショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番

(参考)アルゲリッチ/デュトワのショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番

今回のMTT指揮サンフランシスコ交響楽団の演奏も、やはりそんな感じでした。
主役はもちろんユジャ・ワン!!!
舞台に登場から(ある意味)センセーショナル(?)でしたが、
(舞台に立ってお辞儀をすると、目のやり場に困ってしまいます・・・)
演奏はもっとセンセーショナル!

MTT指揮サンフランシスコ響の名伴奏を引き立て役に、
彼女のダイナミックかつ繊細なピアノにただただ聴き惚れる約40分でした・・・
ユジャ・ワンは、
おそらくアルゲリッチ以降の新たなピアノの女王様になるのでは?
久しぶりに録画を2度も視聴しました。

ただ、曲そのものはいかにユジャ・ワン&MTTといえども、
ツィメルマン盤のような別格の存在にはなるわけがないので、
そこが少し残念でした。
(他の公演では、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番や、
プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番を演奏していた、とのことです・・・
そちらの方も聴いてみたかった(;д;))

(参考)ユジャ・ワンによるプロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番他

2016年12月12日 (月)

2016年フィギュアスケート・グランプリファイナルを振り返って(附:ロシア人選手、中国人選手のカタカナ表記を統一してほしい!)

2016年のフィギュアスケート・グランプリファイナルが終わりました。
男子シングルは予想通り、羽生結弦選手の圧勝でした。
2位がネイサン・チェン(Nathan CHEN)選手(米国)だったのは意外でした。
4回転ジャンプのオンパレード!

残念だったのは、パトリック・チャン選手(カナダ)と、
ハビエル・フェルナンデス選手(スペイン)のフリーがボロボロだったことでした。

最下位ながら、アダム・リッポン選手(米国)の演技は、
フィギュアスケートの醍醐味はジャンプだけではない、ということを魅せてくれました。

ところで、2016年10月から放映されている、男子シングルを扱ったアニメの、
「ユーリ!!!on ICE」では、4回転を6本入れる、というプログラムさえ出てきます。
今のところ、アニメの世界だけの話ですが、
そのうち、ネイサン・チェン選手か、金博洋(ジン・ボーヤン)選手あたりが、
おそらく2,3年以内に実現するのかもしれませんね・・・
ただ、ジャンプの羅列のような演技は、正直観ていてあまり面白くないです。

女子シングルは、非常にレベルの高い激戦でした。
世界女王メドベージェワは圧巻の演技でしたね。
2位に日本の宮原知子選手が入ったのは嬉しいですが、
アンナ・ポゴリラヤ選手が2位をとってほしかった、というのが妻の気持ちでした・・・
(ショートプログラムでアクシデントがあったのが残念・・・)

テレビ朝日及びBS朝日で、
グランプリシリーズ及びグランプリファイナルを放送してくれるのはありがたいことです。
しかし、何年も前から改善してほしい点が主に2点あります。
①アイスダンス、ペアの放送もしてほしい!
地上波では無理なら、せめてBS朝日で、少なくとも上位3組は放送してほしい!
②ロシア人選手、中国人選手のカタカナ表記の統一を!
特にロシア人選手のカタカナ表記が、NHKとテレビ朝日で異なっています。
例えば、メドベージェワ(NHK)→メドベデワ(テレ朝)
ポゴリラヤ(NHK)→パゴリラヤ(テレ朝)
混乱してしまいます・・・
あと、中国人選手(に限らず、中国人の人名一般)は、
できるだけ言語読みに近いカタカナ表記をした方が、
国際化時代に対応していると思います。
例えば、金博洋(きんはくよう→ジンボーヤン)、
李子君(りしくん→ジジュンリ)など・・・

(参考)
ポゴリラヤ?パゴリラヤ?(オペラファンの仕事の合間に パート2)

2016年12月11日 (日)

2016年秋ドラマを振り返って

2016年も師走に入って、
秋ドラマが次々と最終回を迎えるようになりました。
我が家(私と妻どちらも)で視聴していた10月スタートのドラマと、
その感想です。
曜日ごとにまとめています。

(日)なし
IQ246は1回観てパス。
やはり、織田裕二さんの珍妙な台詞回しと、
主役がディーン・フジオカさんでなかったのが痛かった・・・

(月)なし

(火)なし
※「逃げ恥」が大人気ですね。
時折チラチラと観ます。
パロディが面白いのと、新垣結衣さんがカワイイのは魅力ですが、
「契約結婚」というものがどうも引っかかって、きちんとは観ていません。

(水)
地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子
「校閲」という地味〜な仕事に注目した点がGood!
ただし、「お仕事モノ」としてはリアリティが薄いですね。
石原さとみさんのファッションショーと割り切って楽しんでいました。
この作品についてはいろいろな方がコメントしていますが、
中でも次の記事は心に残りました。
ドラマ「校閲ガール」ヒットの理由は、意識高い系でも社畜でもない「仕事観」の共感だ
(ビジネス+IT 12/7(水) 5:45配信)


Blu-ray BOX(2017年4月19日発売予定)

原作

(木)
・Chef〜三ツ星の給食〜
天海祐希さん演じる三ツ星シェフ、星野光子のポジティブさが魅力でした。
劇中何度も出てくる「鴨のコンフィ」食べた〜い!
ところで、2016年10月からの、
NHKEテレ「旅するフランス語」では、
2回に渡って「パリで一番おいしいカモのコンフィを探す」というのをやっていました。
それだけでもおいしそうだと思ったのに、ドラマでまで畳み掛けられたら・・・
う〜ん、食べたい!
(札幌ではなかなか食べられないようです・・・)

(金)
家政夫のミタゾノ
今期最も面白いと思った作品です。
タイトルからして、
大ヒットした「家政婦のミタ」のパロディかと思いましたが、
中身は全然違いました!
松岡昌宏さん演じる謎の家政婦(夫!)、三田園薫。
これは現代版の「必殺仕事人」みたいな感がありました。
もちろん、実際に殺しをするのではなく、
秘密を暴くことによる、社会的な「死」をもたらすのです。
ところどころに、家事に役立つ情報が入っているところがユニークでした。
どこに向かって進むのか、まったく展開が読めない中、
1話完結の終わりには、見事な「大掃除」というカタルシスが待っていました。

Blu-ray BOX(2017年5月17日発売予定)

Amazonで調べるとこ〜んなものも・・・
家政夫のミタゾノ エプロン 黒(痛み入ります・・・?)

勇者ヨシヒコと導かれし七人
「家政夫のミタゾノ」を観終わってすぐチャンネルを変えて観ます。
ゆる〜いパロディ満載!
第5話の「ダシュウ村」の回での、民放テレビ局を揶揄したところや、
第7話の「ミュジコの村」での、無駄に豪華すぎるミュージカル回がすごかったです。
大地真央さんカッコイイ〜!

Blu-ray BOX(2017年2月22日発売予定)

(土)
THE LAST COP
昭和の刑事ドラマでも、ここまでムチャな展開はなかったはず・・・
もはや「変身しない仮面ライダー」な感じでしたが、
この作品は、ジャッキー・チェンのアクション映画を観るような感じで、
余計な理屈を忘れて楽しんでいました。
最終回は一部生放送で、結末を視聴者投票で選ぶ、という企画でしたが、
別に生放送にする必要はなかったと思いました。

Blu-ray BOX(2017年4月5日発売予定)

スニッファー 嗅覚捜査官
阿部寛さんの怪演が光りました。
こういう変人役をやらせると凄いですね!
これはぜひ続編を観たいと思っています。
香川照之さんの演技も見事でした。
ドラマの完成度・ワクワク感は、
今期「家政夫のミタゾノ」に次ぐ出来栄えだったと思います。

DVD、Blu-ray BOXは?・・・

2016年12月 7日 (水)

R・シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラかく語りき 》(Also sprach Zarathustra)op.30聴き比べ9盤

♪ドーソードーーー タター(ディンドンディンドンディンドンディンドン・・・)
タイトルは知らなくても、一度は耳にしたことがある方が多いはず。
R・シュトラウスの交響詩交響詩《ツァラトゥストラかく語りき 》
(Also sprach Zarathustra)op.30。
(以下、R・シュトラウスの交響詩については「ツァラ」と略記。
ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』は『ツァラトゥストラ』と略記。)
映画「2001年宇宙の旅」冒頭での使用であまりにも有名ですね。

映画「2001年宇宙の旅」

冒頭約2分はまさにクラシック音楽の中でも屈指のインパクトだと思いますが、
さて、クラシック音楽愛好家以外で、
その続きを知っている人がどれだけいるでしょうか?
私もクラシック音楽を聴き始めて数年してから(今からウン十年前・・・)、
この曲全体を、確かカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で聴いたことがあります。
はっきりいって・・・
冒頭2分は最高だが、あとはツマラナイ・・・
はっきりいって、冒頭部分以外はまったくの駄作だと思いました。
(R・シュトラウスの交響詩でよくあるパターン?他に「英雄の生涯」とか)
もともと、ニーチェの『ツァラトゥストラ』自体好きじゃないし・・・
(反キリスト教ですから・・・)

この曲をある意味「キライ」にしたのが、
カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏であったのですが、
皮肉にも、評価を見直すきっかけになったのも、
同じカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏(後述)でした。

カラヤン指揮ベルリン・フィルによる1973年録音の、
SACDシングルレイヤーを最近入手しました。
その冒頭部の迫力に大満足!
恐る恐る、その続きも聴いてみたら、
確かに冒頭部ほどのインパクトはないものの、
なんとか聴けるな、と思いました。
(でもやっぱり冒頭部だけでもうお腹いっぱい・・・)

なんだかんだといつの間にか9盤たまっていました。
(「ツァラ」目当てというよりは、「英雄の生涯」とか、
「アルプス交響曲」などのオマケについていた感じ・・・)

本当は今回の聴き比べ、冒頭部だけで終わらせようと思っていたのですが、
ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏(後述)で聴くと、
冒頭部の続きもそれなりに面白い、というのがようやくわかりました。

この曲の鑑賞ポイントとしては、
ニーチェの『ツァラトゥストラ』は一切忘れて、
冒頭のド迫力な「日の出」の部分を堪能することと、
その後の展開で、「♪ドーソードー」が出て来るのを、
まるで『ウォーリーを探せ!』みたいに待ちわびるのと、
最後の方に出てくる「舞踏の歌」の甘美なヴァイオリン独奏に聴き惚れること。
実は「舞踏の歌」あたりは、「超人」の化けの皮が剥がれて、
お金大好き、きらびやかな舞踏会で踊るような「俗っぽさ」が魅力なのです。
(いかにもウィンナ・ワルツ!というのであれば、最も魅力的なのは、
アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル盤(後述)での、
ゲルハルト・ヘッツェルの独奏ヴァイオリンです。)
なんだか「ばらの騎士」や「タンホイザー」(ワーグナー)が、
「超人」(実は超「俗物」!?)に紛れ込んでいるような響きです。
まぁ、所詮は自らを「超人」、あるいは「英雄」だと豪語する方の作品なのですから・・・
近年で言えば、自らを”Perfect Human”と大言壮語する輩と同類項なのです。

それはさておき、聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・レーベル・録音年月・
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
※なお、今回は収録時間を割愛します。

◯ショルティ指揮シカゴ交響楽団(DECCA)1975年5月
通常CD
カップリング 交響詩「ティル・・・」、「ドン・ファン」

☆4.5

この演奏を聴かなければ、たぶん冒頭部分だけの聴き比べに終わっていたでしょう。
曲そのものの愉しさを教えてくれた盤です。
録音は極めて優秀、SACDでなくても十二分に音響を満喫できます。
『ツァラトゥストラ』とかそんなごちゃごちゃしたことを一切忘れて、
音の饗宴をとことん愉しむ1盤です。
(あえていえば、タイトル自体が、せいぜい「薬味」みたいなもの、
と割り切った方がいいと思います。「超人」ごっこ程度・・・)
冒頭部分だけならカラヤン盤が圧倒的ですが、
曲全体となれば、ショルティ盤の方を第1にオススメします。

◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)1973年1月、3月
SACDシングルレイヤー2ch
カップリング なし

☆4.5

冒頭部だけなら、☆5.0です。SACDの凄さを堪能できます。
冒頭部は今回紹介する全9盤の中でも最高です。
しかし・・・
その次のところがあまりに音が小さすぎて(繊細すぎて?)、
ゴニョゴニョ、ボソボソ何か言っているだけのように思え、
聴く気が少し減退してしまうのがマイナスです。
(そこを何分かガマンして聴き通せば、カラヤン流のゴージャスな響きが待っています!)
「舞踏の歌」あたりの独奏は美しいです。
ヴァイオリン独奏はミシェル・シュヴァルベ。

◯アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル(TELARC)1987年11月
通常CD
カップリング 交響詩「死と浄化」

☆4.5

ウィーン・フィルの音色と、優秀録音が魅力です。
そして、ゲルハルト・ヘッツェルの独奏ヴァイオリンの優美さ!
独奏ヴァイオリンだけで言えば、この盤が今回紹介する中では最美です。
なお、このCDでは、他の盤のようなトラック分けがありません。
(INDEXがついていますが・・・)

◯ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン(WARNER)1971年9月
通常CD
カップリング 「死と浄化」、「ばらの騎士」ワルツ組曲、カプリッチョ』 op.85~月光の音楽

※私が持っているのは、ルドルフ・ケンペによるR・シュトラウス管弦楽曲全集盤です。

Strauss: Complete Orchestral Works

☆4.0
カラヤン盤のようなゴージャスさはありませんが、
まさに「いぶし銀」のような質実剛健な演奏です。
なお、カップリングの「月光の音楽」には、
世の中にこんな甘美な曲があるのか、と驚嘆しました!
下記の記事で知りました。
月光の音楽 Mondscheinmusik

◯カール・ベーム指揮ベルリン・フィル(DG)1958年4月
通常CD
カップリング 交響詩「ティル・・・」、祝典前奏曲op.61

☆4.0

映画「2001年宇宙の旅」のサントラ盤に使われたのが、
この演奏だそうです。
(映画で実際に使われたのは、カラヤン指揮ウィーン・フィルの演奏とのこと。)
派手さはないですが、ドイツらしい剛毅な演奏が魅力です。
Vn独奏はカラヤン盤と同じミシェル・シュヴァルベ。

◯フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(RCA→SONY)1954年5月
SACDハイブリッド(SACD Surround/SACD Stereo/CD)
カップリング 英雄の生涯

☆3.5

冒頭部はあっさり終わってしまいますが、
その後こそ価値があるのだ、と聴かせてくれます。
「ツァラ」と「英雄の生涯」のカップリングとは・・・
最強の傲慢コンビ?な〜んて(*^-^)

◯ショルティ指揮ベルリン・フィル(DECCA)1997年
通常CD
カップリング 「ティル・・・」、「ドン・ファン」、「サロメ」より7つのヴェールの踊り


※私が持っているのは、輸入盤のものです。
☆3.0

ある方のブログ記事を読んで初めて知った録音でしたが、
結果は・・・
もちろん模範的な演奏だと思いますが、
シカゴ響のような強烈さがなく、インパクトが弱いです。

◯小澤征爾指揮ボストン交響楽団(DECCA)1981年12月
通常CD
カップリング アルプス交響曲、ヨハネ修道会の荘重な入場、英雄の生涯
(2枚組)

◯3.0

このCDは本来、アルプス交響曲目当てに買ったものです。
「ツァラ」はオマケ・・・
模範的・標準的な演奏だと思いますが、それ以上ではありません。

◯デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(BMG→SONY)
2001年2月
通常CD
カップリング ドン・ファン、「ティル・・・」


※私が持っているのは、ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管の50枚組CDです。

☆2.5

迫力不足・・・
生き生きとした感じではなく、
博物館のガラス越しに眺めるような感覚でした・・・

2016年12月 5日 (月)

青春のラフマニノフ!〜反田恭平、アンドレア・バッティストーニのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番とパガニーニの主題による狂詩曲

なんと若さと情熱漲る演奏なのだろうか・・・
まさに青春のラフマニノフ!

反田恭平(以下敬称略)のピアノ、
アンドレア・バッティストーニ指揮、
RAI国立交響楽団/東京フィルハーモニー交響楽団による、
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、
パガニーニの主題による狂詩曲のハイブリッドSACDを入手し、
さっそく聴いてみました。

既にTVの「情熱大陸」や「題名のない音楽会」でも、
この2人の組み合わせによる、
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の演奏は知っていましたので、
期待度MAXでした。
そしてその期待に十分に、いや十二分にこたえる内容の演奏でした!

この両曲を録音した時、
反田恭平、指揮者のバッティストーニ共に、20代でした。
(バッティストーニは来年2017年でもうすぐ(やっと?)30歳です・・・)

聴きながら、なぜか、大ヒットしたマンガ『のだめカンタービレ』の5巻を思い出しました。
千秋クンとシュトレーゼマンの夢の共演!
何かそういう光景を地で行くようなイメージが広がりました。
(「のだめ」の方は学生オケですが・・・)


このSACDは録音も実にすばらしく、ピアノ協奏曲第2番については、記憶にある限り、
ツィメルマン&小澤/ボストン響のCDを例外とすれば、
他のどのCDよりも鮮明でダイナミックだと思います。

(参考)ツィメルマン&小澤/ボストン響盤(通常CD)

ピアノ協奏曲第2番はセッション録音、
パガニーニの主題による狂詩曲はライブ録音です。
セッション録音の精緻さ、ライブ録音での情熱どちらも堪能することができます。
パガニーニの主題による狂詩曲は、有名な第18変奏も実に甘美な仕上がりになっています。
完成度で言えば、ピアノ協奏曲第2番の方がわずかに勝っていると思います。

最近、怒涛のように次々と新しいCD,SACDが我が家に押し寄せてくる(←???)中、
久しぶりに立ち止まって聴き入り、思わず涙がこぼれそうになるような、
心揺さぶられる演奏でした!

Amazonやe-onkyo musicのサイトで、
ぜひ試聴してみてください。
きっともっとその先が聴きたくなるはずですよ。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 (96kHz/24bit)(e-onkyo music)

反田恭平、バッティストーニ。
この2人はこれから目が離せなくなりそうかも・・・

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