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2018年7月19日 (木)

「夏の甲子園」は立派な児童虐待なのでは?〜人が死なないと動かない教育行政・・・

先日(2018年7月17日)、愛知県で小1の男児が、
校外学習後に熱射病(重度の熱中症)で亡くなる、という、
痛ましい事件がありました。
小1男児が熱中症で死亡 校外学習中に「疲れた」訴え
2018年7月17日20時02分(朝日新聞)

この死亡事件のすぐ翌日、
事件が起きた愛知県豊田市の市長が、
小学校の教室へエアコン設置工事を前倒しする、と表明しました。
小1の熱中症死、豊田市が小学校のエアコン設置前倒しへ
臼井昭仁、佐藤剛志2018年7月18日13時36分(朝日新聞)

エアコンが教室に設置されるという、
このニュース自体は、子どもたちにとって朗報といえます。
しかし、あまりに大きな代償を払っての設置となってしまいました。
誰かが人身御供になって犠牲にならなければ、行政が動かないというのは、
情けない限りです。

さて、熱中症に関連して、
実に鋭い記事を読みましたので、紹介します。

2018.7.19
朝日新聞「炎天下の運動やめよう」記事炎上でも甲子園は別!?
窪田順生:ノンフィクションライター(ダイヤモンド・オンライン)

又は
朝日新聞「炎天下の運動やめよう」記事炎上でも甲子園は別!?
2018.7/19(木) 6:00配信(Yahoo!ニュース)※上記の転載記事

朝日新聞では、2018年7月14日に、
運動部のみんな、熱中症「無理」「もうダメだ」の勇気を
編集委員・中小路徹2018年7月14日18時00分
」という署名記事を公開しています。
(我が家では朝日新聞を購読していませんので、
紙面ではどういう扱いかわかりませんが・・・)
これに週刊ダイヤモンドが食いついた訳です。
これが朝日の本気なら、ぜひ全国の高校球児は、
酷暑の中、長時間の試合を強いる夏の甲子園大会をボイコットすべきなのです!

週刊ダイヤモンドの記事は、夏の甲子園大会における朝日新聞のダブルスタンダードを、
容赦なく暴き出し、批判しています。
読んでいて痛快でした。
(もう一つ言えば、NHKも同罪です!)

(関連記事)
ネット上には疑問の声 猛暑もお構いなしに試合が行われる高校野球
2018.7/19(木) 17:12配信(Yahoo!ニュース←リアルライブ)

高校野球自体が、負けを一切許さない(一度負けたら終わり・・・)という仕組みなのが、
そもそも健全育成とはほど遠いものです。
それはさておき、酷暑による熱中症で、
選手か応援の人が誰か死なないと、
批判の声が表立たないのでしょうか・・・
冷房が効いたドーム球場で行うとか、
もうそろそろ炎天下での野球大会はやめるべきだと考えます。
酷暑の中、長時間運動をさせる夏の甲子園は、
もう立派な児童虐待なのでは?

ところで、教育行政では、プログラミング教育だの、
タブレットを導入だの、そういうところには余計なカネをつぎ込もうとしていますが、
たとえば、札幌市でいえば、教室の窓に網戸をつけることさえなされていません。
ましてや、エアコンなんて夢のまた夢・・・
全国的にも、小中のエアコンの設置率は、全国の半分程度であり、
自治体によっては、1割程度のところもあるそうです・・・
小中のエアコン設置 いまだ半数 暑くても設置率1割未満の自治体も 莫大な予算が課題
内田良 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授
2018.7/17(火) 8:56(Yahoo!ニュース)

この記事の核となるところを引用します。
(引用)
教育環境の公平性
 市町村としては、自治体内のすべての学校のすべての教室に、一斉にエアコンを導入することが求められる。そのために億単位の予算を計上することも多々ある。しかも設置と同時に、毎年多額の電気代負担も生じることになる。

 設置のための莫大な予算が短期間に必要とされ、しかも多額の電気代が長期的に必要とされる。この財政的負担が各市町村に与える影響は大きく、それがエアコン設置の障壁となっている。

 現在、国は「学校施設環境改善交付金」としてエアコンの設置には3分の1の額を補助している。そうは言っても、自治体の負担はかなり大きい。

 義務教育段階においては、自治体内だけでなく日本社会全体において基本的には同質の教育環境が公平に保障されるべきである。このことを考えれば、エアコン設置の都道府県格差は、国の問題でもある。国からのより積極的な支援が必要である。

 公教育という名のもと、ある地域では子どもも先生もオフィスと同様のエアコンの効いた空間に身を置き、別の地域では今日もまた汗だくになって授業時間を過ごしている。こんな状況を放置していてよいのだろうか。

 エアコンはもはや贅沢品ではなく、必需品である。子どもたちが適度な室温で授業が受けられる環境を、一刻も早く整える必要があり、これは地域住民さらには国民全体で考えていくべき課題である。
(引用終)


誰かが亡くなってから対策をとるのではなく、
大切な子どもたちを守るためにこそ、税金は有効に使われてほしいと願っています。

2018年6月12日 (火)

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その3)通常CD・1990年代以降の録音(附)N響第1883回 定期公演・ブロムシュテット指揮による2つの「第4番」

ベートーヴェン:交響曲第4番op.60聴き比べ(通常CD編)、
第3回は、1960〜80年代の録音です。
通常CD編は今回で最終です。
(次回からはいよいよSACD、Blu-ray等のハイレゾ編です!)

それでは、聴き比べです。
(今回も通常CDのみです。)
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

○フランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラ(DECCA)
1990年6月
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.0
第1楽章 11:21
第2楽章 8:52
第3楽章 5:14
第4楽章 6:29

Beethoven: Complete Symphonies Box set, CD, Import

優等生的で、アンサンブルの良さは認めますが、
「古楽器系」という存在価値以上はないのかもしれません・・・
(スイマセン、辛口評価で・・・)


○ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)
1993年3月
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.5
第1楽章 10:56
第2楽章 9:24
第3楽章 5:16
第4楽章 6:23

Beethoven: The Symphonies Box set, Collector's Edition, Import

冒頭こそ、いかにも「古楽!」という響きがありますが、
すぐに気にならなくなります。
違和感なく、躍動感ある演奏を楽しむことができます。
故宇野センセイ推薦盤でしたね・・・
古楽対決ならガーディナーに軍配!


○デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(BMG)
1998年5月
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 9:59
第2楽章 8:14
第3楽章 5:20
第4楽章 6:27

ベートーヴェン:交響曲全集&序曲集

※私が持っているのは、50枚組の方です。
Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014 Limited Edition, Original recording remastered, Box set, Import

いわゆるベーレンライター新全集版で、話題になった全集でしたね・・・
スケールの小さい、こじんまりとした演奏ながらも、
細部があれこれ見えてきて、飽きのこない演奏に仕上がっています。
指揮者の解釈よりも、曲そのものの構造を知るにはもってこいといえます。

さて、先日(2018年6月10日)、NHKEテレの「クラシック音楽館」で、
「N響第1883回 定期公演」が放映されていました。
(2018年4月20日 NHKホールで収録)
今年91歳のブロムシュテットが、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番(ピアノ:マリア・ジョアン・ピレシュ)と、
交響曲第4番のダブル4番を指揮していました。

ピアノ協奏曲第4番の方は、
枯淡の、あるいは老境のベートーヴェンという感じでした。
「恋するベートーヴェン」的な演奏ではない、一種独特な世界が広がっていました。
N響のサポートも旧東ドイツのオケみたいな、いぶし銀の響きになっていました・・・
一方、交響曲第4番の方はといえば、
よくいえば「堅実な」、別な言い方なら「地味な」演奏だったといえましょう。
ピアノ協奏曲第4番の方が、心に残る演奏となっていました。

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その1)通常CD・1950年代頃の録音
ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その2)通常CD・1960〜1980年代代頃の録音

2018年6月 9日 (土)

ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その1)通常CD・1950年代頃の録音

ベートーヴェンの交響曲第4番には、
第3番の「英雄」や第5番の「運命」みたいな通称はついていません。
第3番や第5番の有名な冒頭みたいにスッキリ、ハッキリと始まらず、
第1楽章の冒頭のアダージョは少しまどろっこしく感じていた時もありました。
しかし、曲の真価に気づくと、そんなところも好きになってしまいました。
シューマンは、
「2人の北欧神話の巨人(第3番と第5番のこと)の間にはさまれたギリシアの乙女」と例えたそうですが、
とんでもない!
第3番、第5番に負けず劣らずのパワフルな曲なのです。
しかも、第3番の第2楽章の陰鬱さや、第5番の深刻さは皆無で、
色で喩えたら、白、季節なら雪どけの春というイメージです。

今回ベートーヴェンの交響曲第4番を聴き比べしてみようと思ったきっかけは、
2018年5月28日にNHKBSプレミアムで放映された、
ベルリン・フィル ヨーロッパ・コンサート2018 in バイロイト
(収録:2018年5月1日 バイロイト辺境伯歌劇場)の、
パーヴォ・ヤルヴィがベルリン・フィルを指揮した演奏が素晴らしかったからです。
妻も第4番が気にいったようだ、というのも大きな要因です。
(私にとって、妻が気に入る曲は即、名曲扱いです!)

今回の聴き比べ記事は、一度に十数盤を取り上げるのではなく、
幾つか(だいたい3〜6盤ずつ)に分割して書くことにしました。
第1回目は、トスカニーニの名演奏(後述、1951年録音)から、
1960年頃までの録音4盤を取り上げます。

それでは、聴き比べです。
(今回は通常CDのみです。SACD、ハイレゾものはまた別の機会に・・・)
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。


○トスカニーニ指揮NBC交響楽団(RCA)
1951年3月
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.5
第1楽章 9:54
第2楽章 8:46
第3楽章 4:58
第4楽章 8:51

Beethoven: The 9 Symphonies

曲の冒頭こそ、ヒス音が少し気になりますが、
すぐに気にならなくなります。
音はモノラルで、年代相応ですが、
音楽の勢いがそんなことを打ち消してしまうほどです。
モノラル録音ながら、意外と細部もよく聴こえます。
☆3.5としたのは、録音に対してであり、
演奏そのものは、おそらく☆4.0〜4.5が妥当だと思います。
(ステレオ録音なら、間違いなく☆4.0〜4.5ですね。)
演奏はクレンペラー盤などと比べると颯爽としていますが、
せかせかした印象はなく、
聞かせどころのツボをきちんとおさえた名演といえます。

○クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(旧EMI※WARNER)
1957年10月
ベートーヴェン交響曲全集

☆4.5
第1楽章 12:17
第2楽章 10:01
第3楽章 5:50
第4楽章 7:30

Beethoven: The Orchestral Recording / Symphonies & Overtures

または、1枚もので・・・

ベートーヴェン:交響曲第4番 他

第1楽章の、アダージョからアレグロ・ヴィヴァーチェになるところの巨大さ!
そして、そこからの悠悠たる展開!
スポーツカーよりは、まるで戦車が動き出すかのような重量感です。
ベートーヴェンというよりは、ブルックナーみたい?・・・
音楽で造られた堅固な城に入っていくかのようです。
第3楽章の、低音の強調はユニークです。
また、随所にある木管の響きがよく聴き取れて、
美しさを感じました。
重量級の演奏に完全にノックダウン・・・
クレンペラー指揮の盤は他にバイエルン放送交響楽団、
ウィーン・フィル盤もあり、どれも素晴らしいです。
(その評はまたの機会に・・・)
入手しやすさで言えば、クレンペラー盤の中ではこれがオススメです。


○ワルター指揮コロンビア交響楽団(SONY)
1958年2月
ベートーヴェン交響曲全集他

☆3.0
第1楽章 9:47
第2楽章 9:56
第3楽章 6:15
第4楽章 5:51

Bruno Walter Conducts Beethoven

おだやかで、心地よく聴けますが、
クレンペラー盤やトスカニーニ盤の後に聴くと分が悪く、
スケールの小ささを感じてしまいました。
(もっとも、第4番って、本来はこのワルター盤ぐらいのスケールが妥当なのかも?)


○フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(BERLIN CLASSICS)
1960年〜1961年頃
ベートーヴェン交響曲全集

☆3.0
第1楽章 12:11
第2楽章 9:56
第3楽章 5:54
第4楽章 7:18

BEETHOVEN/COMPLETE SYMPHONIES

演奏時間で言うと、クレンペラー盤並の遅さです。
ヨーロッパの老舗の味、という感じでしょうか。
安心して聴いてられますが、
あまり印象に残らなかったかも・・・

(その2)に続く
ベートーヴェン:交響曲第4番ニ短調op.60聴き比べ(その2)通常CD・1960〜1980年代代頃の録音

2018年4月21日 (土)

NHK総合・土曜ドラマ やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる 第1話(2018年4月21日放送)〜学校を「治外法権」にしてはいけない!

2018年4月21日(土)から、NHK総合で放送のドラマ、
土曜ドラマ やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」第1話を観ました。
今回は、教師は体罰をしてはならない、というのを盾に、
やりたい放題の生徒とモンスターペアレントに対して、
学校嫌いの若手スクールロイヤー(学校弁護士)が立ち向かう話でした。
主人公の新人弁護士・田口章太郎を演じているのは、神木隆之介さんです。

学校現場の旧態依然の声を代表するのが、
教務主任の三浦先生(演:田辺誠一さん)です。

事なかれ主義、前例踏襲、何事も穏便に・・・
これが、今の教育現場を苦しめているものではないでしょうか。

たとえば、今回の話に出てきた、
「このままでは娘が不登校になる」というモンペの脅し。
こういう理不尽なクレームに対して、学校現場は萎縮しています。

不登校の問題は、スクールカウンセラーをたくさん配置しても解決しません。
でも、実に単純な解決方法があります。
義務教育であっても、単位履修方式にすればいいだけのことです。
(学校に1日も登校しなくても、年齢が来たから卒業、というのは、
考えて見れば実におかしいことです。)
登校日数及び成績に応じて、留年及び飛び級を認め、
最大、成人(18歳)に達するまでは留年を認めるが、
それ以上は自己責任、ということにすればいいのです。
(知的障がい者及び病弱者については、
かなり緩めの単位認定及び出席日数の認定にするとか、
何か救済措置があった方がいいでしょう。)
不登校の解決は、基本的に家庭の問題だと私は考えています。
(いじめが原因だ、というなら、いじめを行った児童生徒を、
停学扱いにできればいいのです。)

また、教師が体罰をしていはいけないのなら、
教師や他の児童・生徒への触法行為(暴力・恐喝など)はペナルティとなり、
退学や停学措置をとることができるようにするなど、
教育機関=国・都道府県の公権力を伴うものにすれば、
いじめ・校内暴力・モンスターペアレント問題もかなり解決すると思います。

ちょっとドラマの内容から離れますが・・・
ついでに言えば、今年度から道徳が教科化され、
成績評価がなされるようになりましたが、
あれで、いじめ問題が解決するなどというのは、
ただの幻想に過ぎません。
道徳なんて無用だ、とは私もさすがに思いませんが、
法の方がはるかに抑止力があります。
学校で道徳を教えるよりも、
むしろ、法知識を教える(特に刑法!)方が、
明確ないじめ防止につながると思います。
学校が法の及ばない「治外法権」の場所などではなく、
一般社会と同じように、法(特に刑法)が適用される場となるように、
制度改革が必要なのです。

だからこそ、今回のドラマは実に画期的なものではないでしょうか。
学校にもっと法が適用されることが必要です。

あと、もう一つついでに言えば、
ドイツなどでは、学校の敷地から一歩でたところで起きたこと
(学校内での非行など)は、家庭の問題、ということで、
教師の管轄外だそうです。
日本の学校も、学校外での非行については家庭の問題、
ということにした方がいいと思います。
なんでもかんでも教師が悪い、学校が悪い、という風潮は変です。

第2話は、教師の長時間労働についてメスを入れるようです。
胸が悪くなるようなシーンもありますが、
なかなか挑発的で意欲的な作品になりそうで、
楽しみです。

(参考)
教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」 (光文社新書)

ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う

週刊東洋経済 2017年9/16号 [雑誌](学校が壊れる 学校は完全なブラック職場だ) 雑誌 – 2017/9/11

アクティブラーニング 学校教育の理想と現実 (講談社現代新書)

2018年4月 3日 (火)

映画「シェルブールの雨傘」(Les Parapluies de Cherbourg)

映画「シェルブールの雨傘」(Les Parapluies de Cherbourg)が、
2018年4月2日に、NHKBSプレミアムで放映されました。
録画して妻と一緒に視聴しました。
私にとっては、フランス映画№1の作品です!

映画館でのリバイバル上映も含めて、5、6回は観たと思います。
作品の素晴らしさについては、改めて語る必要がないほどです。
味でたとえるなら、
「初めておいしいと感じた砂糖抜きのコーヒー」のようなものでしょうか・・・
最後のシーンのほろ苦さは格別です。

さて、改めて再度視聴してみて感じたのは、
全編に溢れる色の美しさです。
カトリーヌ・ドヌーヴ演じるジュヌヴィエーヴの家と店のピンク系の壁紙、
結ばれぬ恋人のギィの家の水色系の壁紙、
そして、現代でも通用すると思われる、衣装の鮮やかさと洗練されたデザイン・・・
(ほかの場面でも色の鮮やかさは際立っています!)
カトリーヌ・ドヌーヴの美しさは言うまでもありません・・・

あと、我が家で近年、新年の頃にいただくパイケーキ、
ガレット・デ・ロワ」が、映画の中に出てくるのに気が付きました。

音楽の美しさが、
この美しくもほろ苦い映画を見事に甘美なコーティングをしています。
字幕を観ないで、
なんとなくただ聴き流していても(今回の視聴はそんな感じな時が多かったですが・・・)、
心地よく時が流れていきました。
何度観てもステキな映画です!

2018年3月28日 (水)

映画「バラバ」(原題:Barabbas)

 ところで、祭りの度ごとに、総督は民衆の希望する囚人を一人釈放することにしていた。 そのころ、バラバ・イエスという評判の囚人がいた。 ピラトは、人々が集まって来たときに言った。「どちらを釈放してほしいのか。バラバ・イエスか。それともメシアといわれるイエスか。」 人々がイエスを引き渡したのは、ねたみのためだと分かっていたからである。 一方、ピラトが裁判の席に着いているときに、妻から伝言があった。「あの正しい人に関係しないでください。その人のことで、わたしは昨夜、夢で随分苦しめられました。」 しかし、祭司長たちや長老たちは、バラバを釈放して、イエスを死刑に処してもらうようにと群衆を説得した。 そこで、総督が、「二人のうち、どちらを釈放してほしいのか」と言うと、人々は、「バラバを」と言った。 ピラトが、「では、メシアといわれているイエスの方は、どうしたらよいか」と言うと、皆は、「十字架につけろ」と言った。 ピラトは、「いったいどんな悪事を働いたというのか」と言ったが、群衆はますます激しく、「十字架につけろ」と叫び続けた。 ピラトは、それ以上言っても無駄なばかりか、かえって騒動が起こりそうなのを見て、水を持って来させ、群衆の前で手を洗って言った。「この人の血について、わたしには責任がない。お前たちの問題だ。」 民はこぞって答えた。「その血の責任は、我々と子孫にある。」 そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。
(新約聖書 マタイによる福音書27:15〜26新共同訳)

新約聖書の4つの福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)
全てに記載されている、バラバという人物。
マタイ福音書では、罪状は書かれていません。
マルコ福音書では、「暴動のとき人殺しをして投獄されていた」(マルコ15:7)。
ルカ福音書では、「都に起こった暴動と殺人のかどで投獄」(ルカ23:19,25)。
ヨハネ福音書では「強盗」(ヨハネ18:40)と記載されています。
(いずれも新共同訳)
いずれにせよ、今日の日本の基準でも、死刑になりそうな人物です。
バラバの身代わりに、イエス・キリストが十字架につけられました。
そのバラバは、赦され釈放されてから、どのような生涯を送ったのか、
聖書には記述がありません。
ある伝説によると、最後には改心した、ということですが・・・

スウェーデンのノーベル賞作家、
ペール・ラーゲルクヴィスト(1891〜1974)の代表作である『バラバ』を映画化した、
1961年のイタリア映画(音声は英語)「バラバ」(原題:Barabbas)が、
2018年3月27日に、NHKBSプレミアムで放映されました。
録画して妻と一緒に観ました。
主演は名優アンソニー・クイン(Anthony Quinn)。
(ラーゲルクヴィストのノーベル文学賞受賞は、1951年。)

原作の方は、高校生の時に読んだことがあります。
今ではすっかり話の筋さえ忘れてしまい、
最後のセリフ(信仰を言い表しているのか、かなり曖昧な言い方)のところだけが、
心に残っています。

原作(岩波文庫)※現在絶版 中古はトンデモない額!

DVD

「神の守り」という視点を除いてみれば、
いろいろな幸運が重なって、何度も命拾いしているバラバ。
しかし、彼が生かされているのは、やはり「摂理」が働いているから、
としか言いようがないわけです。
バラバは何度も信仰に近づくチャンスがあった訳ですが、
結局、最後まで確かにイエス・キリストを信じたのか、
かなり曖昧なまま、十字架の上で死を迎えます。
(クリスチャンの仲間として・・・)

その行状(暴動や殺人など)は極端でも、
信じたくてもなかなか確かに信じるまでに至らないというところは、
バラバという人物を通して、
近代・現代の、信仰を持たない人たちを描いているのかな、と思いました。
曖昧な結末だからこそ、
一般的なキリスト教系映画とは一線を画した余韻がありました。
地味な感じの映画ですが、最後まで魅入ってしまいました・・・
アンソニー・クインの名演がいぶし銀的に光っています。

映画ではなく、原作について書かれた感想記事を見つけましたので、
紹介しておきます。

バラバ ラーゲルクヴィスト(ブログ名:くろにゃんこの読書日記

ちなみに、ウルトラマンA(エース)の第13、14話に、
「殺し屋超獣 バラバ」というのが出てきます。
この「バラバ」の元は、聖書のバラバだそうです。

ところで、キリストが身代わりになって死なれた、というのは、
実はバラバだけではありません。
この私もそうなのです。
そして、この記事を読んでいる、皆さん方も・・・

(キリストは)十字架にかかって、自らその身にわたしたちの罪を担ってくださいました。わたしたちが、罪に対して死んで、義によって生きるようになるためです。そのお受けになった傷によって、あなたがたはいやされました。
(新約聖書 ペトロの手紙Ⅰ一 2:24新共同訳)

キリストにはかえられません、 世の宝もまた富も、  
    このおかたがわたしに     かわって死んだゆえです。

(讃美歌第Ⅱ編195番「キリストにはかえられません」より)

聖書 新改訳2017

讃美歌・讃美歌第2編 A6判 ともにうたおう

2018年3月18日 (日)

NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部 「堤&萩原デュオ」(2018年3月14日放送)

2018年3月14日放送の、NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部では、
2017年7月8日にハクジュホールで行われた、
堤剛(VC)、萩原麻未(P)によるデュオ・リサイタルのうち、
フランクのチェロ・ソナタ(原曲はヴァイオリン・ソナタ。デルサール編曲)を
放映しました。
録画して視聴しました。
(残り時間に、ロナルド・ブラウティハムによるフォルテ・ピアノの演奏も
放映されていましたが、興味ないので、全く観ないでカットしました。)

実は2017年9月22日に、
このリサイタルのうち、ベートーヴェンとフランクの曲を除いたものを放映しました。
(参考過去記事→NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部
 「堤剛&萩原麻未 デュオ・リサイタル」(2017年9月22日放送)

前回の放送では、いわばメイン・ディッシュを欠くような内容だった感じでした。
今回ようやく、メイン・ディッシュが忘れた頃にやってきた、という感じになりました。

この演奏、第4楽章で僅かなミスがいくつかありますが、
そんなこと気にならないほど白熱したものでした!
このデュオのCDよりも素晴らしい出来だったと思いました。

フランク& R. シュトラウス:ソナタ

特に萩原麻未さんのピアノは絶賛に値します!
まさに日本のアルゲリッチ?
チェロがメインなのに、完全にチェロが壁紙状態で、
ピアノの煌めきがまばゆいばかりです。

ちなみに、チェロ編曲版としては、アルゲリッチ&マイスキーのデュオで、
CDが出ています。
WARNER盤は以前所有していたことがありますが、
DG盤は未聴です。

WARNER盤

DG盤

演奏が終ってすぐに、
「ブラボーおじさん」(?)が出て来るのも納得の名演でしたが、
やはり、チェロ・ソナタでは物足りない感じがして、
原曲のヴァイオリン・ソナタを聴いてしまいました。
私にとっては、フランクのヴァイオリン・ソナタは、
あらゆるヴァイオリン・ソナタの中で最も好きな作品だからです。
何度聴いても目が潤んでしまうのが、
このデュメイ(Vn)&ピリス(P)盤です。
特別な思い入れのある盤ともいえます。
(あえて、他の盤を聴きたいとさえ思わないほど・・・)

堤&荻原デュオの演奏それ自体はとても素晴らしいのですが、
原曲と比べると、例えていえば、
ソプラノ歌手が歌っていた曲を、バリトン歌手が歌うような感じに近いです。
それでも、やっぱりこの曲の美しさを思い起こさせてくれたことに感謝です!

2018年3月 4日 (日)

BS朝日・題名のない音楽会「卒業ソングを深く知る音楽会」(2018年3月4日放送)〜「心の瞳」って名曲!

2018年3月4日放送の、BS朝日「題名のない音楽会」では、
卒業ソングを深く知る音楽会」と題して、
卒業式の定番ソング4曲を、
山田和樹指揮、東京混声合唱団、横浜シンフォニエッタで演奏していました。
(敬称略)

4曲は、
1.蛍の光
2.旅立ちの日に
(作曲: 坂本浩美
作詞: 小嶋登
編曲: 松井孝夫
器楽編曲: 青島広志)
3.さくら(森山直太朗)
4.心の瞳
(作曲: 三木たかし
作詞: 荒木とよひさ
編曲: 加藤昌則
器楽編曲: 青島広志)
でした。

「蛍の光」と、「さくら」は1度聴いただけで、録画からカットしましたが、
「旅立ちの日に」と「心の瞳」はとても感動したので、
5、6回繰り返して視聴して何度もジ〜ンときました。
(「旅立ちの日に」の成立エピソードは興味深かったです。)
この2曲だけ、しばらく録画を保存しようと思っています。

特に「心の瞳」は、素晴らしい歌だと思いました。
実は今回聴くのが初めてでした。
元は、坂本九の歌だったのですね。
残念ながら、これが遺作となってしまった、とのことです。

坂本九といえば、私にとっては、
「福祉に力を入れる優しい人」というイメージでした。
私の少年時代、北海道では、札幌テレビ(STV)で毎日曜日の朝に、
ふれあい広場・サンデー九
というローカルTV番組が放映されていたからです。
(さすがに、「上を向いて歩こう」の時代はリアルタイムでは知らないです・・・)
そして、日航機墜落事故による突然の他界・・・

そのイメージから、「心の瞳」の歌詞を味わうと、
単なる「卒業式」よりは、まさに「人生の卒業式」というのを連想し、
思わずぼろぼろ泣いてしまいました・・・
「愛」という言葉が何度も出てきます。
もちろんこの歌詞での「愛」は、単なる「好き、嫌い」の「愛」ではなく、
「神の愛=無償の愛」(あるいは福祉的な意味での「愛」)
に近いのではないかと思いました。
柔らかな曲調はなんとなく讃美歌的とさえ感じました。
とても美しい歌です。

ちなみに、私の小学校の卒業式では、
確か「翼をください」を、
中学校の卒業式では、「大地讃頌」を歌いました。
高校は・・・
「仰げば尊し」だったかな・・・
「仰げば尊し」はともかく、
「翼をください」と「大地讃頌」は卒業に何にも関係ない気がしますね(^-^;

山田和樹さん指揮による合唱曲集のCDで、
「心の瞳」が収録されていますので、参考までに・・・

心に花を咲かせよう

2018年2月24日 (土)

2018平昌冬季オリンピック・フィギュアスケート男女シングル・名演技ベスト5

平昌冬季オリンピックのフィギュアスケート全競技が終わりました。

男子シングルはなんとなくジャンプ大会になって、
あまり面白くありませんでしたが、
女子シングルの頂上決戦は実に見ごたえがありました。

私が見た男女シングル(含む団体戦)のベスト5名演技は以下のとおりです。

1位 長洲未来選手(米国) 団体戦フリー(2018.2.12)

団体戦の女子シングル・フリーでは、
1位のザギトワ選手とは20点以上引き離されたものの、
トリプルアクセルが決まった瞬間、とても感動しました!
続く演技どれも彼女にとってベスト演技だったのではないでしょうか。
個人のショート、フリー共に不本意な結果だったのは少し残念でしたが、
団体として銅メダルを獲得できたのはよかったです。


2位 羽生結弦選手(日本)個人ショート(2018.2.16)

今回はさすがにメダルは無理だろうと内心思っていましたが、
見事に(いい意味で)期待を裏切って、圧巻の演技を見せてくれました。
男子シングルの中では、芸術レベルに達しているほぼ唯一の演技だと思いました。

3位 アリーナ・ザギトワ選手(ロシア)団体フリー(2018.2.12)

ただただ「凄い!!!」の一言・・・
よほどのことがない限り、個人戦では金銀はOAR(ロシア)が独占を確信しました。

4位 宮原知子選手(日本)個人ショート(2018.2.21)

団体ショートでは回転不足をとられてあともう一歩、というところでしたが、
個人のショート、フリー共に彼女のベスト演技を発揮できて、
かねてから応援している私にとっては嬉しかったです。
ただ、世界のトップ3の壁は高かった・・・というところでしょうか。

5位 ネイサン・チェン選手(米国)個人フリー(2018.2.17)

団体・個人のショートどちらも不振だったのですが、
フリーではとんでもない高得点が出ました。
失うものは何もない、ひたすら攻めの姿勢で、
本来の彼のジャンプを成功させることができました。
その気迫には感動しましたが、
演技そのものとしては、ジャンプの羅列だったな、と思います。
次の五輪での活躍を期待したいです。


あと、団体戦で、カナダが金メダルを取りました。
私と妻が特に応援している、パトリック・チャン選手が、
団体として金メダルをもらえたのは嬉しかったです。
彼もいよいよ引退ですね。

メダルこそ、とれなかったものの、
イタリアのカロリーナ・コストナー選手が、31歳で5位入賞というのは、
スキージャンプの葛西選手並の「レジェンド」となりました。

団体戦は個人戦の後に実施するか、
あるいはそもそも団体戦を廃止した方がいいのでは、とも思いました。
日本はペアとアイスダンスにもっと力を入れて選手を育成した方がいいのでは、
とも思いました。

ともあれ、ステキな名演技をたくさん観ることができたことに感謝です!
選手のみなさん、お疲れ様でした。
感動をありがとう!

2017年12月24日 (日)

アニメ『スーパーブック』「最高のプレゼントをゲット?~はじめてのクリスマス!~」(BS11 2017年12月24日放送)

2017年も残り僅か。
今年もクリスマスを迎えることができて神様に感謝!

BS11で、2017年12月24日(日)17:30〜18:00に、
アニメ『スーパーブック(SuperBook)』の、
ちょうどイエス様の降誕のところの回が放映されました。
クリスマス・イヴに実にふさわしい内容でした。

『スーパーブック』というのは、元々、
日本で1980年代に放映されていた、
「アニメ親子劇場」という、聖書の話を元にしたアニメ番組(制作:タツノコプロ)を、
アメリカのキリスト教放送CBN(The Christian Broadcasting Network)が、
CGアニメとしてリニューアルしたもの、とのことです。

子どもの頃、夕方18時から「アニメ親子劇場」が放送されていて、
たまに観ていましたが、あまり中身まで心に残ったわけではなかったです。
唯一、とても心に焼き付いたのが、
使徒パウロがローマ兵に捕らえられ、鞭打ちの刑にされようとする時に、
そばに立っていた百人隊長に、

ローマ帝国の市民権を持つ者を、裁判にかけずに鞭で打ってもよいのですか。
(新約聖書 使徒言行録22:25新共同訳)

と言うと、周りの兵士たちがビビってしまう(詳しい経緯は忘れましたが・・・)、
というところでした。
その放映から10年も経たないうちに、
聖書でその箇所を見つけた時は少し驚きました。

思い出話はここまでにして、
実際に「スーパーブック」のイエス様の降誕の回を観た感想です。
フルCGアニメですが、なんとなく人形劇っぽい感じがあります。
あと、登場人物は完全にアメリカナイズされています。
アフリカ系男性が出て来るなど、人種的な配慮もされているようです。

映像はとてもきれいです。
イエス様の降誕を告げる天使の賛美(ルカ2:8〜14)のところは、
さながら天上の豪華絢爛ミュージカル、といった感じでした。

「アニメ親子劇場」シリーズで出ていたロボットが、
「ロビック」(英語版では違う名前だそうですが・・・)という名で、
まあまあかっこよくリニューアルされていたのもよかったです。
(私の妻は、「がんばれ!!ロボコン」の「ロボコン」に似ている、と言っていましたが・・・)(*^-^)

今回の放送は、「いのちのことば社」のHPによると、
(引用)
「スーパーブック」は1980年代に「アニメ親子劇場」としてテレビ放送からスタートしました。制作したCBN(The Christian Broadcasting Network)は、CGアニメとしてリニューアルされた「スーパーブック」のクリスマスのストーリーだけでもテレビで伝道できないかとの願いを持っていました。
そこで「ライフ・ライン」でテレビ伝道しているPBAといのちのことば社がCBNに協力し、放送時間を買い取るかたちで道が開かれました。

(引用終)
とのことです。
故に、放送終了までCMはありませんでした。

なかなかよくできた構成だと思いました。
欲を言えば、字幕をつけてほしかったかな、と思います。
あとは、1回の放送で息切れするのではなく、
レギュラー放送で全話放送してほしいと思いました。

番組HPはコチラです。

既にいのちのことば社から、DVDが発売されています。
49062  DVD SUPERBOOK(スーパーブック) シーズン1  
49084  DVD スーパーブックシーズン2 ①~⑦巻セット(全13話) 個人鑑賞用・ライブラリー共用 

いと高きところには栄光、神にあれ、
地には平和、御心に適う人にあれ。

(新約聖書 ルカによる福音書2:14新共同訳)
Merry Christmas!

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