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2019年1月25日 (金)

シベリウス:交響曲第3番Op.52聴き比べ(SACD&Blu-ray Audio編)

2018年年末〜2019年年始、一番よく聴いたクラシック音楽は、
シベリウスの交響曲第3番です。

ところで、みなさんは、シベリウスの交響曲で初めてハマったのは、第何番でしょうか?
私はたぶん人並みに(?)、交響曲第2番からです。
カラヤン&BPO盤(DG)ではピンと来なかったのが、
バーンスタイン&VPO盤を聴いて、一気に好きになりました。
(ただし、今聴くと、クドい気がします。)

(参考)バーンスタイン&VPO盤

それから、バーンスタイン&VPO盤で、第1番、第5〜第7番もステキだとわかり、
第3、第4番以外は好きになりました。
それから何十年かして、つい最近になってから、
苦手だった第4番もようやくその魅力がわかるようになりました。

(参考記事)
レイフ・セーゲルスタム(Leif Segerstam)指揮ヘルシンキ・フィルによるシベリウスの交響曲第4番〜聴く「視点」がようやく見えた!
シベリウス:交響曲第4番聴き比べ〜ベルグルンド(Berglund)盤3盤を中心に

これで、第3番以外の曲は全部気に入ったわけですが、
どういう訳か、第3番はイマイチピンと来なかったのです。

しかし、2018年年末に、
Blu-ray Audioのシベリウス交響曲全集(後述)をなんとなく聴き流しているうちに、
「交響曲第3番も、イイナ・・・」と思えるようになりました。
そこで、全集としてではなく、第3番だけ聴いてみると・・・
そう、第1楽章では、森の小動物がピョコピョコと木陰や切り株から顔を出しているような、
そんな光景が頭に浮かんできました。
シベリウス流の「田園」交響曲なんだなと、一気に好きになりました。
(「田園」というよりは、「森林」なんでしょうけど・・・)

ちなみに、膨大な録音を残したカラヤンでさえ、
なぜか第3番だけは録音を残していません。
The Archives of Herbert von Karajanという、
カラヤンのディスコグラフィーを網羅したサイトによると、
第1番は1回、第2番は2回、第4番と第5番に至っては4回、
第6番は3回、第7番は2回の正規録音があるとのことです。※ライブ録音は除く)
後述する、サー・サイモン・ラトル指揮BPO盤の解説によると、
ベルリン・フィルでのこの交響曲第3番初演は、
2010年2月9日で、初演者はサー・サイモン・ラトルとのこと。
他の交響曲は遅くとも1938年までにはBPOで初演されているそうです。

思うに、あのカラヤンでさえ取り上げなかったのは、
第2番までのポピュラー路線と、第4番以降の晦渋路線どちらでもない、
過渡期的な作風だから、なのかもしれませんね・・・
(これは私の憶測に過ぎませんが・・・)
私にとっても、やはりどっちつかずの作品、という評価でしかなったものです。
しかしその「どっちつかずさ」も、一度判れば魅力にさえ感じました。

もう一つ付け加えて言えば、第3番をさらに純化させていくと、
第6番の世界になるのかも・・・と思いました。
第3番と第6番がカップリングされている盤を聴くと、
あまり切れ目を感じさせません。
(これは余談ですね・・・)

それでは聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・レーベル・録音年月・
スペック(SACD ハイブリッドorシングルレイヤー、Blu-ray Audio)、
2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、今回、通常CDへの評は割愛しました。
(参考までには載せましたが・・・)

◯オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管弦楽団(BIS)
2015年5〜6月
SACDハイブリッド Surround/SACD Stereo/CD
カップリング シベリウス:交響曲第6番&第7番

☆4.5
第1楽章 10:41
第2楽章 10:40
第3楽章 08:47

この第3番を本当に「愉しい」「美しい」と思わせてくれた盤です。
特に第1楽章は、秋の野山を散歩していると、いろいろな小動物に出くわしたり、
可憐な花を見かけたりしたような気分的高揚を感じます。
第2楽章、第3楽章も同様です。
まず一番にオススメしたい演奏です。
オケがアメリカの団体だからといって、侮るなかれ!

なお、同じ指揮者で、ラハティ交響楽団を指揮した全集盤もあります。
交響曲第5番の初稿盤の録音といった、資料的価値は高いですが、
演奏・録音ともに、断然ミネソタ管弦楽団の方をオススメします。

(参考)ラハティ管弦楽団盤(全集)(BIS)

(☆3.5相当)
第1楽章 10:15
第2楽章 11:12
第3楽章 08:51


◯パーヴォ・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団(WARNER)
1977年6月
SACDハイブリッド SACD Stereo/CD
シベリウス交響曲全集(※タワレコ限定)

※下のは通常CD盤です。

こちらがSACD盤です。タワレコ限定盤です。
シベリウス: 交響曲全集 (第1番-第7番), 管弦楽曲集<タワーレコード限定>

☆4.5
第1楽章 10:45
第2楽章 11:13
第3楽章 09:01

スケール雄大ですが、後述のバルビローリ盤のようなゆったり感はありません。
過不足なく響いており、極めて模範的・理想的な演奏といえます。
特に第3楽章は、大自然が鳴動しているかのような、
壮大な光景が見えてくるようです。
なお、一般的には、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団盤の方が、
評価が高いようですが、
私はボーンマス交響楽団盤の方を評価しています。
ヘルシンキ・フィル盤は、あまりにも「極北の」演奏すぎて、
理解と共感を拒んでいるかのような素っ気なさがあるからです。

(参考)パーヴォ・ベルグルンド指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団盤(WARNER)通常CD

(☆3.5相当)
第1楽章 10:16
第2楽章 09:48
第3楽章 08:31

◯サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(KING INTERNATIONAL)
2015年1〜2月
SACDハイブリッド Surround/SACD Stereo/CD
シベリウス交響曲全集

※可能であれば、SACDよりも、
Blu-ray&Blu-ray Audio盤付の方をオススメします。

☆4.0
第1楽章 10:13
第2楽章 09:21
第3楽章 08:43

カラヤン時代のベルリン・フィルとは違って、
力で押し切るような演奏ではなく、
「自然」を感じられる、穏やかな演奏となっています。
第1楽章は小動物が顔をひょこひょこのぞかせているような感じになっています。
第2、第3楽章は、しっとりと聴かせる演奏となっています。
(CD+Blu-ray&Blu-ray Audio付の盤を選んでおけばよかったと思いました・・・)
なお、私は未聴で、購入予定もありませんが、
バーミンガム市交響楽団を指揮した盤もあります。

(参考)交響曲全集(通常CD)

◯サー・ジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団(WARNER)
1969年5月
SACDハイブリッド SACD Stereo/CD
シベリウス交響曲全集(※タワレコ限定で、既に廃盤扱いです。)

※下の全集は通常CD盤です。

分売盤(第6番とのカップリング)

☆4.0
第1楽章 12:16
第2楽章 11:16
第3楽章 09:23

他の演奏に比べて、テンポがゆったりとしており、
スケール感が雄大な印象を受けます。
それはまるで、大型の船に乗ってフィヨルドをクルーズしているかのようなイメージです。
一音一音慈しまれて奏でられるような響きが、シベリウスを超えて、
ブルックナーの大宇宙さえ感じさせるほどです。
あえて難点を言えば、第3楽章が少しもたれ気味かも・・・


◯ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団(ALTHAUS MUSIK)
2015年
Blu-ray PCM STEREO DTS-HD MASTER AUDIO 5.1ch
シベリウス交響曲全集

☆4.0
第1楽章 10:44
第2楽章 09:41
第3楽章 09:47

標準的な演奏。過不足なくフィンランドの大自然が音で描かれています。
このBlu-rayの交響曲全集では、演奏だけではなく、
● ドキュメンタリー「シベリウス、リントゥと7つの交響曲」(ナレーター:ハンヌ・リントゥ)
と、
● 「ソート・オブ・シベリウス!」
というドキュメンタリーやシベリウスについてまとめたバイオグラフィ映像がついており、
曲の理解を助けてくれます。

交響曲第3番の解説では、第3楽章に「神に祈る人」というコラール風の旋律がある、
と教えてくれました。

(→文章で読みたいのであれば、「シベリウスの交響曲第3番」という記事がオススメです。)

◯ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(DECCA)
1968年3月
Blu-ray Audio 2.0pcm 24-bit/96kHz 2.0dolby true HD 24-bit/96kHz
シベリウス交響曲全集(CD付)

☆4.0
第1楽章 09:26
第2楽章 08:15
第3楽章 08:46

金管が吠えまくる!
まるでブルックナーみたいです。
フィンランドとか田園風景というイメージはわきませんが、
まるでロッキー山脈みたいな岩でゴツゴツした岩肌や、
荒々しい荒涼とした自然が見えてくるようです。
あまり愉悦感はありませんが、ここまでやればGood!です。

こういう、CDとBlu-ray Audio付の長時間録音ものが、
最近DECCAやDGから出ていますが、
はっきりいって、CDは不要ですね・・・
しかも、CDは紙ジャケットで出し入れしにくいのもマイナスです。
Blu-ray Audioだけで販売してほしいものです。

◯サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団(LSO Live)
2003年10月
Blu-ray Audio 5.0/5.1 DTS-HD MA 24bit/96khz
2.0 DTS-HD 24bit/96khz
シベリウス交響曲全集(ハイブリッドSACD付)

☆3.5
第1楽章 11:26
第2楽章 11:05
第3楽章 08:26

全体的に控え目の演奏です。東洋的な高原の風景が見えてきそうです。
落ち着いて堪能できる感じ、でしょうか・・・

Blu-ray Audioがついていたら、はっきりいって、SACDでさえ不要ですね。
どっちかだけで十分ではないでしょうか。

◯オッコ・カム指揮ラハティ交響楽団(BIS)
2012年5月、2013年1月
SACDハイブリッド SACD 5.0 Surround /SACD Stereo /CD
シベリウス交響曲全集

☆3.5
第1楽章 10:11
第2楽章 10:05
第3楽章 08:55

静かで、穏やかで、温かいイメージです。
(温かい、といっても、冬の北海道程度ですが・・・)

今回評は書きませんが、我が家にある通常CDも紹介しておきます。
※紹介済のものは除きます。
(演奏時間も省略します。)

○オッコ・カム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(DG)
※タワレコ限定、全集
シベリウス: 交響曲第1番-第3番, 他<タワーレコード限定>

○ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団(DECCA)


※全集

○レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団(ONDINE)


※全集。
通常CDなら、この全集がオススメです。

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