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2017年6月の9件の記事

2017年6月20日 (火)

NHKEテレ・クラシック音楽館「新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会」(2017年6月18日放送)

指揮者の上岡敏之さん登場、ということで録画して視聴しました。
(以下敬称略)
2017年6月18日放送のNHKEテレ・クラシック音楽館で、
2017年5月12日・横浜みなとみらいホールで収録された、
新日本フィルの演奏会を放映していました。
曲目は、
ヴァーグナー:「タンホイザー」序曲、
「ヴェーゼンドンクの五つの詩」(ソプラノ:カトリン・ゲーリング)、
ブルックナー:交響曲第3番」、
アンコールとして、J・S・バッハ:「アリア」(管弦楽組曲第3番より)。

ホールの音響の問題なのか、録音がイマイチなのか、
全体的に音質がパッとしなかった印象を受けました。

この演奏会でのメインプログラムである、
ブルックナーの交響曲第3番についてのみコメントします。
(「ヴェーゼンドンクの五つの詩」での、
ソプラノのカトリン・ゲーリングの声は美しかった、とだけ書いておきます。)

ギュンター・ヴァントや朝比奈隆、
あるいはカール・ベームらが指揮した名盤から、
ブルックナーの交響曲第3番は、
ゴツゴツ、トゲトゲした印象をもっていました。
ブルックナーらしさがついに全開した、記念碑的な作品です。

しかし、上岡敏之指揮新日本フィルの演奏は、
どこもトゲトゲしたところやゴツゴツしたところがなく、
まるで磨いた玉のようでした。
チェリビダッケの指揮ぶりが一番近いかも・・・
それがプラスに作用していればいいのですが、
ブルックナーのこの曲に関しては、マイナスに働いているように思えました。
あと、印象的だったのが、タメすぎるブルックナー休止・・・
(特に第1楽章・・・)
ここまでやり過ぎると、ちょっとなぁ・・・と思いますが、
もし宇野功芳センセイが生きていて、この演奏を聴いたら、
なんとおっしゃるのだろう、と思わず考えてしまいました。
「ブルックナーの本質を外している」というのか、
それとも、「クナやチェリビダッケ、シューリヒト以来の凄演!」とベタ褒めするのか・・・
今時の指揮者としては、相当に個性的な演奏であったのは確かです。
そういう意味では、次に何をやってくれるか、ワクワクすることができる、
日本人指揮者の中では稀有な存在ではあります。

上岡敏之指揮の演奏では、シューマンやベートーヴェンの「第9」、
マーラーの第1、第5などの盤を持っていますが、
いずれも名演です。
しかし、ブルックナーはどうなのでしょう?
史上最遅のブル7と言われた盤、私は未だに手を出していませんし、
たぶんパスかもしれませんね・・・
上岡敏之指揮では、ブルックナー以外に期待した方がいいかも・・・

ブルックナー:交響曲第7番(2枚組!収録時間92分!)

ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)

以前ブルックナーの交響曲第3番について記事を幾つか書いていますので、
よろしければお読みください。

シモーネ・ヤング(Simone Young)指揮ハンブルク・フィル(Philharmoniker Hamburg)による、ブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿版)
ブルックナー:交響曲第3番(1889年第3稿)聴き比べ4盤〜朝比奈、ヴァント、セル、ベーム・・・

2017年6月15日 (木)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その4)21世紀のスタンダードは?

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第4回(最終回)は、21世紀に入ってからのの録音です。

21世紀の録音となると、SACDマルチチャンネルや、
Blu-rayも含まれます。
ただのSACD 2chStereoよりも音の迫力が有利な面がありますが・・・

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯クルト・ザンデルリンク指揮ベルリン放送交響楽団(harmonia mundi)
2002年5月19日
通常CD
※Berliner Sinfonie-Orchester KURT SANDERLING(5枚組CDBOX)
ザンデルリンク引退コンサートを中心としたもの

☆4.0
第1楽章 12:03
第2楽章 04:39
第3楽章 05:47
第4楽章 10:21

Various Symphonies/Concertos Box set, Import

長い指揮者人生の有終の美を飾るにふさわしい、
まさに大団円という言葉がぴったりな演奏です。
第4楽章は、「人生いろいろあったけど、ハッピーエンドを迎えた・・・」
ということを思わせるような感じです。
人生の絶対肯定!

なお、ザンデルリンクの最後の演奏会の演目は、
◯ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
◯モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番(ピアノ:内田光子)
◯シューマン:交響曲第4番
の3曲でした(どれもCDBOXに収録)。
特に、内田光子のピアノによる、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番は、
バレンボイムの旧録音と並ぶ、超名盤だと思います。
「ハイドンの主題による変奏曲」も名演奏です。

(参考)Mozart: the Complete Piano Con Box set, CD, Import

◯ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(ARTE NOVA→SONY?)
2003年10月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 09:44
第2楽章 03:42
第3楽章 05:45
第4楽章 08:02

シューマン:交響曲全集

※我が家にあるのは、下の50枚組CDSET。
Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014 Limited Edition, Original recording remastered, Box set, Import

細部で「おやっ?」(たいていは装飾音)と思うところが幾つもあり、
聴いてみて新鮮さがあります。
(何回も聴くとどうなのでしょうか?)
ただし、スケールは小さめです。

◯トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard)指揮スウェーデン室内管弦楽団(BIS)
2007年5月、10月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  交響曲第3番、マンフレッド序曲、「ヘルマンとドロテア」序曲

☆4.0
第1楽章 09:38
第2楽章 03:34
第3楽章 05:26
第4楽章 07:39

Schumann: Symphonies Nos. 3 & 4 [Hybrid SACD] SACD, Import

キビキビとした演奏です。
第4楽章を聴くと、実に爽快さを感じました。
こんなに爽やかな曲だったっけ?
なぜか、フランクの交響曲の第3楽章フィナーレを思い出してしまいました・・・
なお、ダウスゴー指揮では、初稿版(original version 1841)の録音もありますが、
今回は取り上げません。

(参考)
Syms 2 & 4 Hybrid SACD, SACD, Import

◯上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団(DENON)
2008年10月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲

☆4.0
第1楽章 10:37
第2楽章 04:01
第3楽章 05:21
第4楽章 08:54

シューマン:交響曲第4番 Hybrid SACD

第3楽章の長いタメをプラスと見るか、マイナスと見るかで、
評価が分かれるかも?
(私はプラスにとりましたが・・・)
フルトヴェングラー指揮の名盤を少しスケールダウンして、
音を鮮明にしたような感じがします。
第4楽章が特に生き生きとしています。


◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン(SONY)
2011年12月
SACDハイブリッド(SACD SURROUND、SACD STEREO、CD STEREO)
カップリング  序曲・スケルツォとフィナーレOP.52、
4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥックOP.86

☆4.0
第1楽章 10:22
第2楽章 03:58
第3楽章 05:32
第4楽章 09:38

シューマン:交響曲第4番、序曲・スケルツォとフィナーレ&コンツェルトシュトゥック SACD

"I LOVE Schumann!"と公言してはばからない、
P・ヤルヴィのシューマン愛が詰まった、
若々しく力強い演奏です。録音も優秀です。
ベートーヴェンの交響曲全集(DVD)と並んで、
21世紀のスタンダード演奏になるかもしれませんね・・・

(参考)ベートーヴェン:交響曲全集~2009年ボン・ベートーヴェン音楽祭ライヴ [DVD]


◯パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン( C major)
2012年?
Blu-ray(DTS-HD MA5.1 / PCMステレオ)
※シューマン交響曲全集 SCHUMANN AT PIER2

☆4.0
第1楽章 10:40
第2楽章 04:18
第3楽章 05:30
第4楽章 09:43

シューマン : 交響曲全集 (Robert Schumann : The Symphonies / The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen , Paavo Jarvi / + A Concert Film by Christian Berger) [Blu-ray] [輸入盤] [日本語解説付]

映像付です。
基本的な解釈はSACD盤とほぼ同じです。
ボーナス映像その他を考えると、揃えておく価値はあると思います。
(若干ながら、こちらの方が演奏・録音共に優れているかも?)
なお、映像の字幕は、「英独仏西中韓」です(;д;)

今回でひとまずシューマン:交響曲第4番の聴き比べシリーズが終わりです。
今回の聴き比べ記事に間に合わなかった盤は、各記事の追記で取り上げることにします。

(参考)
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その3)1980年〜1990年代まで

2017年6月12日 (月)

BS11・開局10周年特別番組 にっぽんアニメ100年(2017年6月11日放送)

BS11で、2017年6月11日に、
開局10周年特別番組 にっぽんアニメ100年」という特番を放送していました。
録画して妻と一緒に観ました。
番組HPから放送内容を引用します。

(引用)
日本で最初に国産アニメーションが公開された1917年から、今年で100年。
アニメは現在、日本と切り離せない存在になっています。
初の本格連続テレビアニメとして誕生した『鉄腕アトム』をはじめとする、日本アニメ史に大きな影響を与えた作品を中心に、数々の名作を紹介。輝かしい昭和の名作をお届けしながら、当時のニュースや、流行なども、振り返ります。

出演はアニソン界の歌姫・森口博子さん、俳優の大和田伸也さん、声優の野沢雅子さん。
大和田さんが『鉄腕アトム』の想い出と、自慢のアトムグッズを披露すると・・・「私、アトムに出演してました」と野沢さんの一言が飛び出し、一同驚愕!!
大人たちが大好きなアニメを熱弁し、年表でその作品が生まれた時代にタイムスリップ!
あの名作の裏話も、たっぷりお送りします!

(引用終)

日本で初めてのアニメと言われている、「なまくら刀」から、
1980年代後半の「ドラゴンボールZ」まで。
主に昭和の名作アニメを、
3人の出演者(特に野沢雅子さん)の軽妙なトークで紹介していました。

前述の「なまくら刀」や、「のらくろ」といった戦前の作品にも少し触れ、
その後、「白蛇伝」(今観ても結構美しい・・・)、
そして「鉄腕アトム」や「鉄人28号」、「ジャングル大帝」、「魔法使いサリー」といった、
テレビアニメ草創期の名作を取り上げ、
社会現象にもなった「あしたのジョー」も大きく取り上げ、
出演者の1人、野沢雅子さんの代表作(であり、日本のアニメの代表作)である、
「ゲゲゲの鬼太郎」、「いなかっぺ大将」、「銀河鉄道999」、「ドラゴンボールZ」などを、
きちんと取り上げていました。
途中、「感動アニメ」として、「昆虫物語みなしごハッチ」、「アルプスの少女ハイジ」、
「フランダースの犬」の感動シーン3連発には、さすがに涙腺ユルユルに・・・

今年5月に、NHKが、「ニッポンアニメ100「発表!あなたが選ぶアニメベスト100
という番組を放送していましたが、
あの番組は、視聴者投票、という形で、
昭和の名作アニメを軽んじたトンデモ放送だったと思いました。
結局、インターネットに堪能な若い世代が支持する、
ここ数年(せいぜい10年以内)以内の作品ばかり(CCさくらとエヴァは例外として)が、
「名作」となっていたので、
昭和生まれの私にとってはかなり不満が残る内容でした。
NHK「ベスト・アニメ100」の不可解〜投票がアンフェア!

その点、今回のBS11の番組は、幼少期にテレビの黄金期を過ごした、
昭和生まれの人にとっては、
とても説得力のある内容でした。
私はしばしば録画を一時停止にして、妻とあれこれコメントしながら、
番組を楽しんでいました。
こういう内容こそ、NHKが作るべきものなのではないか、
そんなことさえ思いました。

余談ですが、「アルプスの少女ハイジ」の感動シーンとして取り上げられるのが、
「クララが立った・・・」の名台詞のところ(第50話)ですが、
私の妻は、
「ハイジがフランクフルトからアルムの山のおじいさんの家に戻るところ」(第34話)こそ、
「ハイジ」の中で最も感動したところだ、と言っています。
確かにそうかも・・・
似たようなことを既に書いている方がいましたので紹介しておきます。
「アルプスの少女ハイジ」の名シーンといえば?(ブログ名:米中毒別館)

2017年6月10日 (土)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その3)1980年〜1990年代まで

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第3回は、1980〜90年代の録音です。

80年代は、巨匠の時代の終わりという感じです。
90年代に入ると、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティックによる、
初稿版(original version 1841)の録音(後述)が出てきます。
我が家には、ガーディナー盤の他に、
トーマス・ダウスゴー指揮スウェーデン室内管弦楽団盤がありますが、
今回は初稿版(及びマーラー版)については取り上げません。

(参考)Syms 2 & 4 Hybrid SACD, SACD, Import
※こちらの第4番は、初稿版です。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、特記しない限り、モノラル録音ではありません。


◯バーンスタイン指揮ウィーン・フィル(DG)
1984年2月
通常CD
※シューマン交響曲全集(2枚組CD)

☆3.0
第1楽章 11:48
第2楽章 05:13
第3楽章 05:54
第4楽章 09:29

シューマン:交響曲全集

一般的には評価の高い盤ですが、あまり感銘を受けませんでした。
録音も、少しか細い感じがしました。
ただ、第4楽章のラストの熱狂は、
「さすが、レニー!!」という感じでした。
(汗だくで指揮したのでしょうね・・・)


◯チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(Altus)
1986年10月
SACDシングルレイヤー(SACD2chSTEREO)
カップリング ムソルグスキー(ラヴェル編曲):「展覧会の絵」、
ドヴォルザーク:スラブ舞曲第8番

☆4.0
第1楽章 11:30
第2楽章 05:07
第3楽章 06:42
第4楽章 09:18

シューマン : 交響曲 第4番 他 (Schumann : Symphony No.4, Mussorgsky : Pictures at an Exhibition / Celibidache, Munchner Philharmoniker) [SACD シングルレイヤー] SACD

日本でのライブ録音です。
クレンペラー盤とは違った意味での巨大なスケール感で、
全体的にはまるで象が踊っているかの印象さえ受けました。
クレンペラー盤やサヴァリッシュ盤のようなゴツゴツさは無く、
どこもかしこもふんわりしており、
どこにも(悪い意味で→耳をさすような)尖った響きはありません。
シューマンを聴くというよりは、チェリビダッケの至芸を聴くための盤です。
録音は優秀です。
時折指揮者のうなり声が聴こえてきます。


◯カラヤン指揮ウィーン・フィル(DG)
1987年5月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 11:00
第2楽章 04:50
第3楽章 05:51
第4楽章 08:54

Symphonies Box set, CD, Import

1971年のBPOとの録音のような、精悍さ、力強さ、
輝かしさは確かに減じていますが、
ギラギラしていた70年代にはない、
人生の最後の残照のようなものが全体的ににじみ出ているかのような演奏です。
ウィーン・フィルのふんわりとした響きもプラスに作用しています。
第3楽章から第4楽章にかけての橋渡しとなる部分での、
沈滞感は独特でした。
第4楽章は、「人生、これでよかったのだ!」と言わんばかりの、
おおらかな肯定感、微笑みが見えるようでした・・・


◯ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(ARCHIV)
1997年5月、10月
通常CD
※シューマン交響曲全集

☆4.0
第1楽章 9:55
第2楽章 3:39
第3楽章 5:13
第4楽章 1:34+7:34

Collector's Edition: Schumann Box set, CD, Import

オリジナル楽器による演奏ですが、
モダン楽器かオリジナル楽器か、そんなことはどうでもいいです。
曲の美しさと愉しさを十分に教えてくれる演奏です。
耳にすんなりと入ってきます。
収録時間を見ると全体的に短いように思えますが、
実際聴いてみると、ちょうどいい長さと思います。
あっさりしていてしつこくないが、
細部の美しさは光っています。

次回は21世紀に入ってからの録音を取り上げる予定です。

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで
シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代

2017年6月 8日 (木)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その2)1970年代

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ、
第2回は、1970年代の録音です。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
なお、特記しない限り、モノラル録音ではありません。


◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)
1971年1〜2月
通常CD
※シューマン交響曲全集(3枚組CDBOX)

☆4.0
第1楽章 10:37
第2楽章 04:42
第3楽章 05:47
第4楽章 08:48

Symphonies Box set, CD, Import

充実した響きでありながら耳あたりがよく、聴きやすいです。
シューマンよりはカラヤンを堪能するための盤といえます。
BGM的に聴くなら最適かも?

余談ですが、シューマンの交響曲はボリュームを小さくしても、
結構楽しめます。
ブルックナーやマーラーではそうはいきませんが・・・


◯ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮ドレスデン国立管弦楽団(WARNER)
1972年9月
SACDハイブリッド(2chステレオ)
※シューマン交響曲全集(3枚組SACD)

☆4.5
第1楽章 10:21
第2楽章 04:10
第3楽章 05:16
第4楽章 07:51

シューマン:交響曲全集

サヴァリッシュというと、N響との演奏で安全運転な演奏をする指揮者、
というイメージしかなかったですが(失礼!)、
この盤での演奏は、極めて精悍です。
冒頭の響きから、ムード音楽的なカラヤン盤とは違います。
(決してカラヤン盤を貶しているわけではありません、念のため・・・)
ゴツゴツとした手触りというか・・・
全体的に厳しく凛とした演奏となっています。
前回紹介したクレンペラー盤とは違った意味で、
重量級の演奏が繰り広げられます。
これぞヨーロッパ、これぞドイツ、という響きです。
録音も教会の空気感というか、奥行きを感じられ、優秀です。


◯ズービン・メータ指揮ウィーン・フィル(DECCA)
1976年6月
通常CD
※シューマン交響曲全集(2枚組)

☆3.5
第1楽章 11:16
第2楽章 05:09
第3楽章 06:27
第4楽章 07:43

Schumann: the Four Symphonies/Manfred Overture/Gen Import

※タワレコ限定版の方が入手しやすいかも?
我が家のは下記タワレコ限定盤です。
シューマン: 交響曲全集<タワーレコード限定>

ウィーン・フィルの柔らかな響きが魅力的です。
第1楽章こそ迫力が少し物足りない気がしますが、
第2楽章以降はウィーン・フィルの美感が十分に引き出されています。
たとえば、第2楽章のヴァイオリン・ソロのところは、
蕩けるような甘美さがあります。
カラヤン盤同様、聴き流すにはいい盤かもしれませんね・・・

次回は1980〜90年代の録音を取り上げる予定です。

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで

※カテゴリ「クラシック音楽・シューマン」を新設しました。
そのうち他の作曲家についても少しずつ加えていく予定です。

2017年6月 7日 (水)

シューマン:交響曲第4番ニ短調op.120聴き比べ(その1)1950〜1960年代まで

シューマンの交響曲は、本当につい最近まで、苦手でした・・・
おそらく、故・宇野センセイが「シューマンの交響曲は暗くて苦手・・・」
といった感じの記事を書いたのが「刷り込み」になり、
どうも敬遠していました。
(たとえば、『改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集盤』(講談社)には、
シューマンの交響曲第3番のところで、

(引用)
シューマンは四曲のシンフォニーを書いたが、本書では一番、三番のみを扱った。一般には四番の人気が高いが、あのように暗い音楽は僕には耐えられない。レコード雑誌の月評用にまわってくるCDは聴かざるを得ないが、曲目を自由に選べる単行本ではかんべんしていただきたい。四番をとるくらいなら、僕は二番に指を屈する。
(同書P.200から引用終)

とまで書いています。

また、シューマンのオーケストレーションといえば、
かのマーラーが手を加えた「マーラー版」があるほど、
シューマン=オーケストレーションがイマイチ、というイメージがつきまとっていました。
N響のコンサート放送などで視聴したときも、
なんとなくイマイチな感じでした。

シューマンの交響曲の真価に気付かされたのは、
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏(後述)によってです。
シューマンの交響曲だから、というよりは、
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のSACDだからコレクションしてみた、
という感じでした。
最初に買ったのが、交響曲第1番&第3番の方でした。
あまり期待せずに聴いてみると、「結構いい曲なのでは?」と思えるようになりました。
それから次々とSACDを中心に買い集め、
気づけばあっという間に交響曲全集だけで10種類以上(2017年6月上旬現在)・・・

シューマンの交響曲は、
シューベルトとブルックナーの架け橋のような存在なのかな、
などと勝手に思っています。
シューベルトほど旋律の美しさはなく、
ブルックナーほどの壮大さはありませんが、
「クラスで2,3番目にカワイイ女の子」みたいな、独自の魅力があります。

それはさておき、シューマンの交響曲で一番親しみやすいのは、
宇野センセイの意見はさておき、やはり第4番でしょう。
全4楽章で、30分ほどの曲ですが(マーラーならこれだけで1つの楽章!)、
初めて聴くなら、思い切って第3楽章と第4楽章だけを聴いてみるのがいいのかもしれません。
(私は特に第3楽章→第4楽章が好きです。)
鬱屈した第1楽章〜第3楽章を経て、
いきなり陽光が燦燦と輝く第4楽章を聴くと、
一種のカタルシスを感じます。

今回から、聴き比べ記事は、一度に十数盤を取り上げるのではなく、
幾つか(だいたい4〜6盤ずつ)に分割して書くことにしました。
シューマンの交響曲第4番は、年代ごとに、
4つに分割して記事を書くことにします。
今回は第1回目、フルトヴェングラーの名盤(後述、1953年録音)から、
1960年代までの録音4盤を取り上げます。

それでは、聴き比べです。
録音年月順に紹介します。
指揮者・オケ名、レーベル、録音年月、
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
(今回は全てSACDです。)

◯フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル(DG)
1953年5月
SACDシングルレイヤー(MONO)
カップリング マンフレッド序曲

☆4.5
第1楽章 11:51
第2楽章 05:20
第3楽章 05:55
第4楽章 07:54

シューマン:交響曲第4番 Limited Edition, SACD

宇野センセイ風に表現するなら、
「切れば血が出るような」というのがピッタリです。
楽器がどうのこうの、というよりは、
音楽そのものが躍動感をもって鳴り響いている・・・
オケが一丸となって燃えているのがよく伝わってきます。
モノラル録音ですが、鑑賞には全然差し支えありません。
往年の巨匠の芸に只々圧倒されるばかりです。
通常CDもロングセラーですが、
これは高くてもSACDで聴くのをオススメします。


◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(WARNER)
1957年4月
SACDハイブリッド(MONO)
カップリング ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲と愛の死、
「タンホイザー序曲」、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲

☆3.5
第1楽章 10:33
第2楽章 04:27
第3楽章 05:20
第4楽章 08:18

ワーグナー:管弦楽曲集&シューマン:交響曲第4番 SACD

フルトヴェングラー盤を聴かなければ、それなりの結構立派な演奏ですが、
線の細いモノラル録音を超えてまではみ出てくるものが少ないかな、とも思いました。
カラヤン好きな方ならともかく、カラヤン指揮ので聴きたいなら、
70年代・80年代のDG盤の方をオススメします。
ただし、モノラルながら、聴きやすいですよ。


◯クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(WARNER)
1960年5月
SACDハイブリッド(2chSTEREO,CD)
カップリング メンデルスゾーン:交響曲第3番、第4番、「フィンガルの洞窟」

☆4.5
第1楽章 11:26
第2楽章 03:54
第3楽章 05:18
第4楽章 07:44

Symphonies No.3 & 4 SACD, Import

エソテリック盤はとんでもない値段・・・

国内盤
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」、シューマン:交響曲第4番

もっとお得なら・・・輸入盤CDBOXを!

重量級のパンチが冒頭から繰り広げられます。
極めて重厚な演奏で、まるでブラームスのように響いてきます。
クレンペラーのこの演奏は、
シューマンの交響曲第4番の素晴らしさを迫力ある音で引き出しています。


◯ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(SONY)
1960年3月
SACDシングルレイヤー(2chSTEREO)
カップリング 交響曲第2番、ウェーバー:「オベロン」序曲

☆4.0
第1楽章 08:40
第2楽章 03:51
第3楽章 05:10
第4楽章 07:35

シューマン:交響曲第2番ハ長調&第4番ニ短調ほか Limited Edition, Blu-spec CD

※AmazonではSACDシングルレイヤー盤が売り切れのようです・・・
便宜上、Blu-spec CDを挙げておきます。

シューマン:交響曲全集

クレンペラー盤と比べると、実に軽やかであっさりしています。
それでいて、響きの充実は素晴らしく、聴き疲れしません。
フルトヴェングラーやクレンペラー盤のような重量級はちょっと・・・という方に、
ぜひオススメします。
私も、ジョージ・セルの指揮だからこそ、
すんなりとシューマンの世界に入れたのかもしれません。
何度でも聴いてみたくなる演奏です。

2017年6月 6日 (火)

札幌市手稲区・前田森林公園の藤(2017年6月上旬)

先日(2017年6月上旬某日)、妻と一緒に、
札幌市手稲区の前田森林公園に行ってきました。
毎年5月下旬から6月上旬にかけて見頃になる、
藤を観たかったからです。

車を持たない我が家にとって、
前田森林公園に行くのは結構時間がかかります。
地下鉄南北線、北24条駅から、
1番乗り場出発の北海道中央バス北72「前田森林公園行き」に乗車し、
バスでおよそ30分です。
前田森林公園のHPでは、他に地下鉄東西線宮の沢駅や、
JR手稲駅からのバスも載っていますが、
前田森林公園からかなり遠いバス停までしか行きません。
なお、北24条駅からのバスも、1時間に1本程度しかありません。)

このバスの終点はバス停「前田森林公園」ですが、公園に入りやすいのは、
1つ手前のバス停「前田森林公園入口」です。
(終点まで行って入口が遠くなってしまいました・・・)

さて、公園に入って100メートルほど行くと、美しい白樺並木が拡がっていました。
まるで、ロシアかフィンランドの景色かのよう・・・

20170605_maedasinrinpark_1

ちょうど家から外出する前に、ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団による、
シベリウスの交響曲第1番のBlu-rayを視聴していました。
シベリウスの繊細さがよくわかるすばらしい演奏でした。
(特に普段は金管に埋もれて聴こえないハープの音色が、
まるで夜空に広がるオーロラのようにさやかに聴こえてくるところには感動しました!
そのうち機会があれば、このBlu-rayについて書いてみたいと思っています。)
演奏の素晴らしさを思い出しながら、足を進めました。

前田森林公園は、公園内に全長600メートルの浅い運河があり、
その両側には、ポプラ並木が広がっています。
(全部で240本もあるそうです・・・)

ちょうど行った時には、運河に子連れのカモがいました。
かわいいので、写真に撮る人が何人もいました。

20170605_maedasinrinpark_2

さて、お目当ての藤棚は、運河の果てにありました。
藤の甘い香りが漂っていました・・・

20170605_maedasinrinpark_4

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展望台付近から、運河と手稲山方面を見渡す景色です。

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展望台付近の藤棚。これでもまだ半分なのです・・・

20170605_maedasinrinpark_11

この眺めは、さながら風景画のようでした・・・

20170605_maedasinrinpark_13

20170605_maedasinrinpark_14


今年(2017年)は6月3日、4日に「ふじまつり」が行われました。
藤の甘い香りに誘われるように、
公園内のヨーロッパ的で美しい運河沿いを歩いてみるのはいかがですか?

2017年6月 2日 (金)

NHKEテレ・ハートネットTV WEB連動企画“チエノバ”「障害のある子どもと学校・反響編」(2017年6月1日放送)〜現行制度でのこれ以上のインクルーシブ教育推進は、学校を疲弊させるだけ・・・

2017年6月1日放送の、NHKEテレ
ハートネットTV WEB連動企画“チエノバ”「障害のある子どもと学校・反響編」
録画して(大半は早送りして)観ました。

障がいがある子をもつ親、当事者、そして受け入れる学校側。
それぞれ立場と言い分があります。
番組冒頭に出てきた、かなり重度の医療的ケアが必要な子が、
普通学級で学びたいか、と問われると、「全然」と答えていましたが、
その母親は、「それは本音ではない」と否定するところから始まりました。
障がいがある子も教育を受ける権利は当然あります。
しかし、それを教師や学校に全部丸投げするのは、果たしていいのでしょうか?
教師は教育のプロであっても、医療のスペシャリストなどでは全然ありません。
そういう存在に、看護師や介護士、
そして親がすること(排泄や痰の吸引、食事等)を任せるというのは、
あまりにも教師・学校側に負担がかかるものです。
(頻繁な死亡又は重大事故、新聞報道、そして失職やうつ病の増加、さらには訴訟・・・)
単なる精神論で済ませてはならないものだと思います。

インクルーシブ教育は、理念としては崇高ですが、
実際問題としては、相当無理があります。

今回の番組を観て改めて思ったのが、
日本の教育制度の根幹である、「年齢=学年」という考え方を、
「知的(+生活態度)水準=学年」というものに置き換える必要がある、ということでした。
すなわち、たとえば小学1年生から2年生に進級するなら、
最低限の知識を問うテストに合格する必要がある(一種の単位制)ということです。
そうすれば、小学校に1日も登校しなくてもらえる卒業証書なんていうのはありえないし、
闇雲なインクルーシブ教育推進、ということにもならないからです。

それとも、大幅な財政負担を覚悟で、
教員及び医療サポートの方を大幅に増やした方がいいのか・・・
でも今のままなら、教員に負担が増えるばかりで、
医療訴訟を恐れての産婦人科医が減るのと同様に、
訴訟を恐れて教員に成るのを敬遠させることになります。
無責任な「教師=聖職論」を振りかざして、
教員の自殺者や精神疾患者、果ては「犯罪者」
(ケアを怠ったのは教員のせいだ、
いじめで我が子が自殺したのは担任のせいだ・・・と告訴されて)を増やすのは酷です。

私としては、無理して普通学級に障がいのある子を通わせるよりは、
特別支援学校をもっと有効活用するほうがベターだと考えています。
(もちろん障がいの程度によりますが・・・)

2017年6月 1日 (木)

2017年5月のページビュー(PV)数ベスト10記事一覧

2017年5月のページビュー(PV)数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページ及びカテゴリを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.オキナワ旅行記リターンズ2015夏(その1)〜旅行の経緯と1日目〜
二位.「学び合い学習」は日本の義務教育崩壊を招く!
~おすすめ記事『【解答乱麻】 TOSS代表・向山洋一 亡国の教育「学び合い学習」』

三位.ブラームス:交響曲第1番聴き比べ12種〜カラヤン盤5種を中心に・・・
四位.インクルーシブ(インクルージョン)教育は子どもにとって本当に幸福なのか?
~おすすめブログ記事「脱インクルージョン教育」(ブログ名:斜に構えてみる)

五位.マーラー:交響曲第7番聴き比べ14種類
六位.ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第3番聴き比べ4盤
〜マツーエフ、アルゲリッチ、ユジャ・ワン、アシュケナージ・・・

七位.【演奏会感想】第599回札幌交響楽団定期演奏会(2017年5月20日)
〜ラトヴィア放送合唱団の天上の声!

八位.どの聖書が一番いいか?(新約聖書編)
九位.希望の讃美歌~「一羽の雀(心くじけて)」(新聖歌285)※midi付
十位.バルトーク:ピアノ協奏曲第3番聴き比べ6種
〜アンダ、シフ、アシュケナージ、グリモー、アルゲリッチ、リパッティ・・・

聴き比べ記事と教育関係の記事が先月も多く読まれているのには感謝です。
2017年5月中に書いた記事が、
1本だけランクインしていたのも感謝です。

札幌では先月のライラック祭に続いて、
YOSAKOIソーランなどのイベントが続きます。

余談ですが、2017年5月末で、8〜10年ぐらい購読していた、読売新聞を止め、
北海道新聞に切り替えました。
読売新聞はすっかり政府御用達の新聞に成り下がってしまいましたね・・・
(あと、読売巨人軍のPR誌か・・・)
朝日新聞はあまり好きではないし、毎日新聞は中身が薄いし、
かといって「赤旗」まで行くのはどうも・・・
ということで、北海道民にはおなじみの、北海道新聞を選んだ、という訳です。
マスコミの劣化は恐ろしいものですね。
(北海道新聞がすごくマシ、という訳でもないのですがね・・・)

今月もご愛読よろしくお願いします。

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