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2016年12月 7日 (水)

R・シュトラウス:交響詩《ツァラトゥストラかく語りき 》(Also sprach Zarathustra)op.30聴き比べ9盤

♪ドーソードーーー タター(ディンドンディンドンディンドンディンドン・・・)
タイトルは知らなくても、一度は耳にしたことがある方が多いはず。
R・シュトラウスの交響詩交響詩《ツァラトゥストラかく語りき 》
(Also sprach Zarathustra)op.30。
(以下、R・シュトラウスの交響詩については「ツァラ」と略記。
ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』は『ツァラトゥストラ』と略記。)
映画「2001年宇宙の旅」冒頭での使用であまりにも有名ですね。

映画「2001年宇宙の旅」

冒頭約2分はまさにクラシック音楽の中でも屈指のインパクトだと思いますが、
さて、クラシック音楽愛好家以外で、
その続きを知っている人がどれだけいるでしょうか?
私もクラシック音楽を聴き始めて数年してから(今からウン十年前・・・)、
この曲全体を、確かカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で聴いたことがあります。
はっきりいって・・・
冒頭2分は最高だが、あとはツマラナイ・・・
はっきりいって、冒頭部分以外はまったくの駄作だと思いました。
(R・シュトラウスの交響詩でよくあるパターン?他に「英雄の生涯」とか)
もともと、ニーチェの『ツァラトゥストラ』自体好きじゃないし・・・
(反キリスト教ですから・・・)

この曲をある意味「キライ」にしたのが、
カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏であったのですが、
皮肉にも、評価を見直すきっかけになったのも、
同じカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏(後述)でした。

カラヤン指揮ベルリン・フィルによる1973年録音の、
SACDシングルレイヤーを最近入手しました。
その冒頭部の迫力に大満足!
恐る恐る、その続きも聴いてみたら、
確かに冒頭部ほどのインパクトはないものの、
なんとか聴けるな、と思いました。
(でもやっぱり冒頭部だけでもうお腹いっぱい・・・)

なんだかんだといつの間にか9盤たまっていました。
(「ツァラ」目当てというよりは、「英雄の生涯」とか、
「アルプス交響曲」などのオマケについていた感じ・・・)

本当は今回の聴き比べ、冒頭部だけで終わらせようと思っていたのですが、
ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏(後述)で聴くと、
冒頭部の続きもそれなりに面白い、というのがようやくわかりました。

この曲の鑑賞ポイントとしては、
ニーチェの『ツァラトゥストラ』は一切忘れて、
冒頭のド迫力な「日の出」の部分を堪能することと、
その後の展開で、「♪ドーソードー」が出て来るのを、
まるで『ウォーリーを探せ!』みたいに待ちわびるのと、
最後の方に出てくる「舞踏の歌」の甘美なヴァイオリン独奏に聴き惚れること。
実は「舞踏の歌」あたりは、「超人」の化けの皮が剥がれて、
お金大好き、きらびやかな舞踏会で踊るような「俗っぽさ」が魅力なのです。
(いかにもウィンナ・ワルツ!というのであれば、最も魅力的なのは、
アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル盤(後述)での、
ゲルハルト・ヘッツェルの独奏ヴァイオリンです。)
なんだか「ばらの騎士」や「タンホイザー」(ワーグナー)が、
「超人」(実は超「俗物」!?)に紛れ込んでいるような響きです。
まぁ、所詮は自らを「超人」、あるいは「英雄」だと豪語する方の作品なのですから・・・
近年で言えば、自らを”Perfect Human”と大言壮語する輩と同類項なのです。

それはさておき、聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・レーベル・録音年月・
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。
※なお、今回は収録時間を割愛します。

◯ショルティ指揮シカゴ交響楽団(DECCA)1975年5月
通常CD
カップリング 交響詩「ティル・・・」、「ドン・ファン」

☆4.5

この演奏を聴かなければ、たぶん冒頭部分だけの聴き比べに終わっていたでしょう。
曲そのものの愉しさを教えてくれた盤です。
録音は極めて優秀、SACDでなくても十二分に音響を満喫できます。
『ツァラトゥストラ』とかそんなごちゃごちゃしたことを一切忘れて、
音の饗宴をとことん愉しむ1盤です。
(あえていえば、タイトル自体が、せいぜい「薬味」みたいなもの、
と割り切った方がいいと思います。「超人」ごっこ程度・・・)
冒頭部分だけならカラヤン盤が圧倒的ですが、
曲全体となれば、ショルティ盤の方を第1にオススメします。

◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)1973年1月、3月
SACDシングルレイヤー2ch
カップリング なし

☆4.5

冒頭部だけなら、☆5.0です。SACDの凄さを堪能できます。
冒頭部は今回紹介する全9盤の中でも最高です。
しかし・・・
その次のところがあまりに音が小さすぎて(繊細すぎて?)、
ゴニョゴニョ、ボソボソ何か言っているだけのように思え、
聴く気が少し減退してしまうのがマイナスです。
(そこを何分かガマンして聴き通せば、カラヤン流のゴージャスな響きが待っています!)
「舞踏の歌」あたりの独奏は美しいです。
ヴァイオリン独奏はミシェル・シュヴァルベ。

◯アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィル(TELARC)1987年11月
通常CD
カップリング 交響詩「死と浄化」

☆4.5

ウィーン・フィルの音色と、優秀録音が魅力です。
そして、ゲルハルト・ヘッツェルの独奏ヴァイオリンの優美さ!
独奏ヴァイオリンだけで言えば、この盤が今回紹介する中では最美です。
なお、このCDでは、他の盤のようなトラック分けがありません。
(INDEXがついていますが・・・)

◯ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン(WARNER)1971年9月
通常CD
カップリング 「死と浄化」、「ばらの騎士」ワルツ組曲、カプリッチョ』 op.85~月光の音楽

※私が持っているのは、ルドルフ・ケンペによるR・シュトラウス管弦楽曲全集盤です。

Strauss: Complete Orchestral Works

☆4.0
カラヤン盤のようなゴージャスさはありませんが、
まさに「いぶし銀」のような質実剛健な演奏です。
なお、カップリングの「月光の音楽」には、
世の中にこんな甘美な曲があるのか、と驚嘆しました!
下記の記事で知りました。
月光の音楽 Mondscheinmusik

◯カール・ベーム指揮ベルリン・フィル(DG)1958年4月
通常CD
カップリング 交響詩「ティル・・・」、祝典前奏曲op.61

☆4.0

映画「2001年宇宙の旅」のサントラ盤に使われたのが、
この演奏だそうです。
(映画で実際に使われたのは、カラヤン指揮ウィーン・フィルの演奏とのこと。)
派手さはないですが、ドイツらしい剛毅な演奏が魅力です。
Vn独奏はカラヤン盤と同じミシェル・シュヴァルベ。

◯フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(RCA→SONY)1954年5月
SACDハイブリッド(SACD Surround/SACD Stereo/CD)
カップリング 英雄の生涯

☆3.5

冒頭部はあっさり終わってしまいますが、
その後こそ価値があるのだ、と聴かせてくれます。
「ツァラ」と「英雄の生涯」のカップリングとは・・・
最強の傲慢コンビ?な〜んて(*^-^)

◯ショルティ指揮ベルリン・フィル(DECCA)1997年
通常CD
カップリング 「ティル・・・」、「ドン・ファン」、「サロメ」より7つのヴェールの踊り


※私が持っているのは、輸入盤のものです。
☆3.0

ある方のブログ記事を読んで初めて知った録音でしたが、
結果は・・・
もちろん模範的な演奏だと思いますが、
シカゴ響のような強烈さがなく、インパクトが弱いです。

◯小澤征爾指揮ボストン交響楽団(DECCA)1981年12月
通常CD
カップリング アルプス交響曲、ヨハネ修道会の荘重な入場、英雄の生涯
(2枚組)

◯3.0

このCDは本来、アルプス交響曲目当てに買ったものです。
「ツァラ」はオマケ・・・
模範的・標準的な演奏だと思いますが、それ以上ではありません。

◯デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(BMG→SONY)
2001年2月
通常CD
カップリング ドン・ファン、「ティル・・・」


※私が持っているのは、ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管の50枚組CDです。

☆2.5

迫力不足・・・
生き生きとした感じではなく、
博物館のガラス越しに眺めるような感覚でした・・・

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