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2016年12月20日 (火)

シューベルト:交響曲第7(8)番ロ短調D759「未完成」(Unvollendete)聴き比べ14盤〜トップは意外にもクレンペラー盤!

2016年12月19日に、NHKBSプレミアムで、
2016年のウィーン・フィル来日演奏会が放映されました。
2016年10月1日・2日 サントリーホールでの収録です。
指揮者はズービン・メータと小澤征爾。
(2016年10月下旬に1度放送されたものですが・・・)
このコンサートの中で、
小澤征爾がシューベルトの未完成を指揮していました。
印象としては・・・
「立派な」演奏なのかもしれませんが、
老いぼれてしまったシューベルト、という感じでした。
疾風怒濤の暗い情熱が渦巻くようなのが、
この曲の第1楽章なのかな、と思っています。

シューベルトの「未完成」は、
よくベートーヴェンの交響曲第5番とカップリングされてCD販売されることがあります。
(最近ではシューベルトの「ザ・グレート」とカップリングされる方が多いと思いますが。)
いわゆる、クラシック入門曲、という位置づけだと思います。
しかし、果たして「クラシック入門曲」としてふさわしいのか、
私にとっては甚だ疑問です。
というのも、私の経験で言えば、
第1楽章はなんとか退屈しないで聴けるものの、
第2楽章は退屈な印象が否めません。
たとえば、ベートーヴェンの交響曲第5番と、
シューベルトの「未完成」の第1楽章を比較するならば・・・
ベートーヴェンの方は、わずかなテーマを壮大に変奏することができていますが、
シューベルトは旋律そのものこそ美しいものの、
ベートーヴェンで見られる「展開・発展・変奏」という要素がほぼなく、
あるのは冗長な反復だけです。
この「反復」の魅力は、私にとっては、ブルックナーの曲を理解してから、
ようやくわかるようになりました。
クラシック音楽を聴き始めた頃に「退屈」と思った第2楽章も、
だんだんわかるようになってきました。
今ではステキな曲だと心から思えます。

それでは、聴き比べです。
オススメ順に紹介します。
指揮者・オケ名・レーベル・録音年月・
スペック(通常CD,SACD ハイブリッドorシングルレイヤー)、
(2ch Stereo or Surround etc...) 、
カップリング曲の順です。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(WARNER)
1963年2月
ハイブリッドSACD(2ch Stereo)
カップリング:交響曲第8(9)番「ザ・グレイト」D944

なお、通常CDでOKというなら、下記10枚組CDBOXがお得です。

☆4.5
第1楽章 13:35
第2楽章 11:38

クレンペラー盤は、あまり期待していなかったのですが、
第1楽章の立派さに脱帽でした・・・
ある意味、シューベルトと言うよりは、
ブルックナーかブラームスのような感じです。
豪華な古い城のような構築性があります。
第2楽章は少し落ちる気もしますが、
第1楽章のあまりの素晴らしさで☆4.5をつけました。

◯ヨス・ファン・インマゼール(Jos van Immerseel)指揮
アニマ・エテルナ(Anima Eterna Brugge)(Zig-Zag Territoires)
1996年9月
通常CD
※シューベルト交響曲全集

1枚ものならコチラ(カップリング 交響曲第5番)

☆4.5
第1楽章 13:46
第2楽章 9:49

実にフレッシュな「未完成」です!
ローソクの灯火で煤けていた、
ミケランジェロの「最後の審判」を修復したら、鮮やかな色が現れたような、
細部が光る盤です。

◯デーヴィド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(RCA→SONY)
2011年5月
通常CD
カップリング ロンドD438、ポロネーズD580、
ヴァイオリンと管弦楽のための小協奏曲D345
※私が所有しているのは、50枚組CDです。

Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014

1枚ものならコチラ(カップリングは上記と同じ)

☆4.0
第1楽章 11:42
第2楽章 9:23

ジンマンの指揮した盤は、たいてい期待できないのですが、
時々すごくいい演奏が出てきます。
何か特別なことをしているわけでないのに、
ヘタな指揮者の解釈以上に、
音楽そのものが美しく語りかけてきます。
こちらも構築性というよりは、細部の美しさが光っていました。
なお、カップリングの曲も実に魅力的です。

◯ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(SONY)
1958年3月
通常CD
カップリング 交響曲第5番D485

カップリングにこだわらないなら、こちらの方が入手しやすいです。
(カップリング ベートーヴェン:交響曲第5番)

☆4.0
第1楽章 11:01
第2楽章 13:58

古くからの名盤として知られていますね。
古きよきウィーンの(実際はニューヨーク・フィルですが・・・)響きがします。
万人にオススメできる演奏といえましょう。

◯エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
(Altus)
1978年6月
SACDシングルレイヤー(2ch Stereo)
カップリング ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

☆4.0
第1楽章 14:45
第2楽章 11:32

先日、タワレコの「訳ありセール」でSACDシングルレイヤーを入手しました。
SACDらしい鮮明な録音か、といえば???ですが、
ムラヴィンスキーの至芸を堪能できます。
ワルターの指揮の対極にあるような、
極北のシューベルト、という感じです。

◯カール・ベーム指揮ベルリン・フィル(DG)
1966年2月
通常CD
カップリング 交響曲第8(9)番「ザ・グレイト」D944

☆4.0
第1楽章 11:31
第2楽章 11:29

重厚なドイツ的演奏の典型といえるような演奏です。
何度も聴くのは少し重たいかも・・・

◯カルロ・マリア・ジュリーニ指揮バイエルン放送交響楽団(SONY)
1995年4月
通常CD
カップリング 交響曲第4番「悲劇的」D417

☆4.0
第1楽章 16:29
第2楽章 13:05

全体的にゆったりとしたテンポで、
じっくりと慈しむような響きで聴かせてくれます。
カップリング曲も見事です。

◯レナード・バーンスタイン指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(DG)
1987年10月
通常CD
カップリング 交響曲第9番「ザ・グレイト」D944

☆4.0
第1楽章 13:45
第2楽章 12:51

バーンスタイン晩年の演奏というと、脂ぎった感じを連想しますが、
このシューベルトは、意外にもあっさりとしています。

◯ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・フィル(RCA→SONY)
1995年3月
通常CD
カップリング 交響曲第9番「ザ・グレイト」D944(2枚組)

☆3.5
第1楽章 15:33
第2楽章 12:45

ベームのドイツ的演奏の延長にあると思いますが、
硬すぎて愉しむには向かないかも・・・

◯オットー・クレンペラー指揮ウィーン・フィル(TESTAMENT)
1968年6月
通常CD
※クレンペラー&ウィーン・フィルBOX(8CD)

クレンペラー&ウィーン・フィルBOX(8CD)

☆3.5
第1楽章 15:27
第2楽章 12:30

フィルハーモニア管の方が曲の威容を伝えています。

◯ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン(BERLIN Classics)
1978年2月
通常CD
※シューベルト交響曲全集

シューベルト交響曲全集(私がもっているのは輸入盤ですが・・・)

1枚ものならコチラ(カップリング 交響曲第9番「ザ・グレート」D944)

☆3.5
第1楽章 11:27
第2楽章 12:39

素朴な演奏です。
和食あっさりテイスト(でも、噛みしめればきっと味わい深いのでしょう・・・)。

◯カラヤン指揮ベルリン・フィル(WARNER)
1975年1月
通常CD
※Monumental Karajan!というアルバム。

Monumental Karajan!(3枚組)

1枚ものならコチラ

☆3.5
第1楽章 12:22
第2楽章 13:39

第2楽章の美しさは特筆に値します。
もしかすると、今回紹介した中で最美かもしれません。
第1楽章はムード音楽で終わっているようにも思えます。

◯カルロス・クライバー指揮ウィーン・フィル(DG)
1978年9月
Blu-ray Audio (Surround)

☆3.5
第1楽章 14:06
第2楽章 10:42

通常CD

SACDシングルレイヤー(私はもっていませんが・・・)

流麗ですが、所詮はスポーツ感覚という感じですね。
スポーツカーに乗ったイケメンシューベルト?

◯カルロ・マリア・ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団(DG※タワレコ限定)
1978年3月
ハイブリッドSACD(2ch Stereo)
カップリング マーラー:交響曲第9番(2枚組)

タワレコ限定版

以下は通常CD輸入盤です。


☆3.0
第1楽章 15:24
第2楽章 12:20

カップリングのマーラー:交響曲第9番は名盤ですが、
「未完成」はオマケと考えていいかもしれませんね・・・
標準的な演奏・・・
それ以上でもそれ以下でもありません。

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コメント

影の王子様、コメントありがとうございます。
ウィーン・フィルの日本公演2016、
ご老体2人を担ぎ出すより、
もう少し若い世代の指揮者を使った方がよかったのでは、
という内容でしたね。
ベーム/ウィーン・フィルの名盤情報、
機会があったら聴いてみたいと思います。

こんばんは。
ウィーン・フィルのガラ・コンサート
10月に地上波で第1・2部を観ました。
メータも小澤も80歳越え、もはや昔の冴えは微塵もなく
観ていて辛いものがありました。
「未完成」のご感想、同意です。

CDではインマゼール、バーンスタイン、ヴァントがお気に入りです。
ここにないのではベーム&ウィーン・フィルのライブが良いです。
ただし、客席ノイズがあります。
演奏はとても儚さを感じさせる名演です。

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