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2016年7月 9日 (土)

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64聴き比べ6盤〜女性ヴァイオリニスト対決?

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。
略して「メンコン」と言われることもあります。
第1楽章冒頭の旋律があまりにも有名で、甘美ですね。
3大ヴァイオリン協奏曲(他はベートーヴェン、ブラームス)の中に数えられます。
センチメンタルな響きは、クラシック音楽を聴き始めた人には魅力ですが、
飽きやすい気もしていました。
私は10代の頃第1楽章は好きでしたが、
楽章の切れ目が曖昧(第1楽章から第2楽章のところ→)なのと、
あまりにもなよなよとした感じが、それほど好きになれませんでした。

しかし、今回この記事を書くきっかけは、2つあります。
1つは、ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)、
シャルル・ミュンシュ指揮ボストン響のSACDを聴いた事(後述)と、
もう1つは、NHKBSプレミアムで、2016年6月27日に放送された、
ヴィルデ・フラング(Vn)、ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏を視聴したことです。

(過去記事)→NHKBSプレミアム・プレミアムシアター「ヨーロッパコンサートの舞台 世界遺産レーロース ほか」(2016年6月27日放送)〜ラトル&ベルリン・フィルとヴィルデ・フラング(Vilde Frang)

特にハイフェッツの演奏は、実に辛口です。
ロマンティックさや幻想をバッサリ切り捨て、
引き締まった響きから、曲の本質的な美しさを引き出しています。
たとえて言えば、一般的な演奏を、
子ども向けの、生クリームいっぱいのショートケーキだとすれば、
ハイフェッツの演奏は、大人向けの、
甘くないけど味わい深いケーキのようです。
一方、ヴィルデ・フラングの演奏は、まさに蠱惑的ですが、
「オトナの」魅力というべきものでした。
ハイフェッツ盤とは正反対な、実にロマンティックな演奏でした。
(残念ながらCD化はまだなされていませんので今回の比較対象外です。)
かつては「甘ったるい」と敬遠していた「メンコン」でしたが、
今や約30分が夢のように過ぎていきます・・・

今回取り上げるのは6盤です。
ハイフェッツ盤を除いて、他の5盤のソリストは、
全員女性ヴァイオリニストを選びました。
録音年順に紹介します。
ソリスト、指揮者・オケ名・レーベル(SACDのみ特記)・録音年月の順です。
今回紹介する盤、どれもハズレがありません。
どれを持っていても損はないと思います。
☆5.0は満点、0.5点刻みで、☆3.0以上なら推薦盤です。

◯ハイフェッツ(Vn)、ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(BMG SACDハイブリッド)輸入盤
1959年2月 
カップリング ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲

☆4.5
第1楽章 11:00
第2楽章 7:01
第3楽章 5:58

実に男らしい演奏です。
ロマンティックさを求めるには不向きですが、
かえって、甘ったるくないので、何度も聴くにはいい演奏です。
録音も1959年とは思えないほど優秀です。
ヴァイオリンの美音は・・・録音の古さゆえか、少しイマイチかも?
それでも、オトナには魅力の演奏といえましょう。

◯ムター(Vn)、カラヤン指揮ベルリン・フィル(DG)輸入盤
1980年9月 
カップリング ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲


※紹介したのは国内盤ですが、私が所有しているのは輸入盤です。

☆3.5
第1楽章 14:00
第2楽章 9:25
第3楽章 7:07

ハイフェッツ盤と比較すると、6分半も長い演奏です。
ゆったりとした重量級の伴奏の中、濃厚なヴァイオリンの音色が響きます。
ブルーチーズ風?

◯諏訪内晶子(Vn)、アシュケナージ指揮チェコ・フィル(DECCA)
2000年9月 
カップリング チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

☆4.0
第1楽章 13:03
第2楽章 8:25
第3楽章 6:25

このアルバムは以前持っていましたが、手放したので、
今回改めて買い直しました。
アシュケナージの指揮は模範的(悪く言えば凡庸?)ですが、
諏訪内晶子のヴァイオリンは、あっさりとしながらも、
曲の美しさを純粋に表出させています。
ヴァイオリンの音色の美しさでは、後述の五嶋みどりと甲乙つけがたいです。

◯ヒラリー・ハーン(Vn)、
ヒュー・ウルフ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
(SONY SACDシングルレイヤー 5.1ch)
2002年4月 
カップリング ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番

SACDシングルレイヤー

通常CD

☆3.0
第1楽章 12:00
第2楽章 8:12
第3楽章 5:56

少し線がか細い印象を受ける盤です。
オケも平凡かな・・・
ただし、現在我が家では、
マルチチャンネルを再生できる環境にないので、
マルチチャンネルで聴くと印象が少し変わるかもしれません。
カップリングのショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番の方が名演だと思います。

◯五嶋みどり(Vn)、ヤンソンス指揮ベルリン・フィル(SONY)
2003年1月 
カップリング ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲

☆4.0
第1楽章 13:07
第2楽章 8:09
第3楽章 6:47

端正で模範的な演奏です。
通常CDですが、弱音もきれいに捉えています。
ヴァイオリン独奏の美音では、№1かもしれません。
伴奏も見事です。
通常CDなら、この盤をオススメします。

◯ジェニファー・パイク(Vn)、
エドワード・ガードナー指揮バーミンガム市交響楽団
(CHANDOS SACDハイブリッド 5.1ch)輸入盤
カップリング メンデルスゾーン:「真夏の夜の夢」

☆4.5
第1楽章 12:55
第2楽章 9:01
第3楽章 6:00

ソリストのジェニファー・パイク、指揮のエドワード・ガードナーどちらも初めて知りました。
たまたまこの曲のSACDで何かいいのがないかな、
と調べていた時に見つけました。
録音が非常に鮮明です。
(マルチチャンネルでは聴いていませんが・・・)
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴くとしたら、
ハイフェッツ盤か、このジェニファー・パイク盤をよく手にとります。
カップリングの「真夏の夜の夢」に含まれる、
超有名な「結婚行進曲」も素晴らしい演奏で、
ヴァイオリン協奏曲が終わったら続けて「結婚行進曲」を聴くことが多いです。
聴いていて幸せな気分に浸れる、満足度の高いアルバムです。
SACDなら、このパイク盤か、ハイフェッツ盤をオススメします。

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