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2015年10月 5日 (月)

組み体操は学校教育に必要か〜書評:内田良著『教育という病』(光文社新書)

先日(2015年9月末)、インターネット上で、
組み体操のピラミッドが崩れて6人が重軽傷、というニュースを読みました。
6人が重軽傷‥組み体操ピラミッド事故にネットでは批判の声も‥
ちょうど本日(2015年10月5日)、
NHK総合の「ニュース シブ5時」でも、特集をしていました。

事故が起きた巨大ピラミッドでは、計算上、
一番下の段の子には200kgの荷重がかかるそうです・・・
そして、事故件数は平成25年度(2012年)だけでも、
なんと6533件にものぼるとのこと。
「保護者が感動」「子どもたちの達成感」(そして、「教師の自己満足」)・・・
このために、あまりにも大きいリスクではないでしょうか。
しかも、組み体操は学習指導要領には記載がありません。
過去には1億円の損害賠償になったケースや、
事故により頸髄損傷を負い、全身不随になったケースもあったそうです。

巨大化する組み体操の問題を以前から指摘していたのが、
名古屋大学大学院准教授の内田良氏です。
ちょうど今年の6月に、
『教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』(光文社新書)
が刊行されました。

この本の第1章が、「巨大化する組体操」です。
大小の事故が頻発しているにも関わらず、
未だに「感動」に固執する教員と、「感動」を求める保護者たち・・・
高いピラミッドでは、高さが3〜5メートルにもなり、
本来なら足場を必要とするほどのものです。
(労働安全基準規則によると、2メートル以上の高所作業では、
必ず何らかの安全策が必要とのこと。社会人でさえ法で守られているのに・・・)

この本では、他に、「2分の1成人式」、部活での体罰と事故、
部活動顧問への過重負担(部活動顧問教師は土日も休みがない!)、
柔道界の安全対策についても論じられています。
特に、前述の組み体操と、2分の1成人式、部活動顧問への過重負担については、
教育関係者必読記事です。

感動、感動、感動・・・あるいは「美談」・・・
感動がリスクを見えなくし、
子どもの心の叫びを押し殺してしまうこともあるのです。
目先の感動のために、一生を棒に振ることを生徒に強要するのは、
教育という名の虐待ではないでしょうか?
もっといえば、教師が子どもを使って支配欲を満たしているだけとか・・・

なお、著者の内田良氏の、学校の各種事故についての記事は、
インターネット上で読むことができます。
→「リスク・リポート
統計データについては、

私としては、学校での組み体操の人間ピラミッドは、
2段か3段以上は全面禁止とすべき、と考えています。
まして10段などはもってのほかです。
あと、土日返上の部活動顧問の問題は、
労働基準監督署とか、裁判など、外部の圧力がなければ解決できないと思います。
感動とか美談に酔いしれる教育界に自浄努力を期待するのは難しそうです。

ついでにいえば、小学校の運動会や、学習発表会(学芸会)も、
本当に必要なのでしょうか?
子どもをダシにつかっているだけです。
もっと地道な学習に力を入れるべきなのでは、と考えます。

(2015.10.10追記)
NHKではまた改めて「組み体操」について特集をしていました。
10月10日放送の「週刊ニュース深読み」です。
巨大化する“組み体操” 誰のため? 何のため?
現役小学校教師の声(賛成派)のも紹介されていましたが、
「学校の常識は社会の非常識」と思うようなものでした。
学校の中は北朝鮮なのでしょうか?
乙武洋匡さんのコメントは適切だと思いました。
(参考記事)
ハイリスクでも感動を......組体操「巨大ピラミッド」を行う理由とは?
安全第一の運動会で今なお進化する「人間ピラミッド」の是非

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