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2014年4月24日 (木)

マーラーの交響曲第7番・第5楽章聴き比べ〜クレンペラー盤&ジンマン盤

マーラーの交響曲の中で、
第7番は最も不人気なものかもしれません。
「夜の歌」なるサブタイトルがつけられることもあります。
タイトルからして陰気な感じを与えてしまっています。
(「夜の歌」はマーラー自身が付けたものではありませんが・・・)

CDでかなり前に聴いた時(誰の指揮だっかは忘れましたが・・・)は、
さっぱり良さがわかりませんでした。
第1番や第5番のような親しみやすさもなく、物語性もない・・・
駄作か失敗作だと思いました。

実演ではKitaraで一度聴いたことがあります。
ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンの演奏です。
その日のプログラムは、前半がバレンボイムの指揮振りによる、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番で、後半がマーラーの交響曲第7番でした。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番の演奏は、
現在(2014年4月現在)に至るまで、最も素晴らしい実演です。
しかし一方、マーラーの交響曲第7番は、ただただ退屈でした・・・
(コンサート前半で帰っていた方がよかった・・・と思えるほどでした。)

そんな中、クレンペラーの指揮に魅了されるようになって
クレンペラーの指揮で、
もう一度マーラーの交響曲(特に「大地の歌」)を聴いてみたいと思うようになり、
先日、CDBOXを購入しました。
(クレンペラー指揮の交響曲第2番及び「大地の歌」は、
だいぶ前に所有していました。)

Symphonies 2 4 7 & 9

※交響曲第2番、第4番、第7番、第9番、「大地の歌」&歌曲の6枚組

交響曲第2番、「大地の歌」は圧倒的な名演なのは言うまでもありません。
それよりも掘り出しものは、交響曲第7番でした!
ただし、第5楽章に限りますが・・・

交響曲第7番は、正直に言って、第5楽章と第1楽章があれば、
中間の3つの楽章は、あまり要らない気がします。
(マーラーファンなら別なのでしょうが・・・)
中間の3つの楽章は、通して聴いてもほとんど記憶に残りませんし、
退屈な感じがします。

ということで、今回は第5楽章のみについて触れます。
クレンペラーのCDでの演奏時間を記載します。

第1楽章 27:52
第2楽章 22:12
第3楽章 10:28
第4楽章 15:48
第5楽章 24:20

合計すると100分ほどになります。
当然、CD1枚では収まりきらないので、2枚に分けられています。
このCDBOXでのカップリングは、第1〜第4楽章で1枚、
第5楽章と第9番の第1楽章で1枚、となっています。

第7番の第1楽章からではなく、たまたま第5楽章から聴き始めたのが幸運でした!
(たぶん、第1楽章から聴いていたら、「やっぱりつまらない・・・」
と思って、もう聴かずじまいになっていたと思います。)

第5楽章の愉悦感!
聴いていると、ある絵が脳裏に浮かんできました。
ムンクの「フィヨルドに昇る太陽」です。


Munch_sun


陰鬱な闇夜を突き破って燦然と輝く陽光・・・
交響曲第7番の第5楽章全体が、光と喜びにあふれています。
第1楽章〜第4楽章までのトーンとかなり異なるので、
この第5楽章を失敗作と論じる人も少なからずいるようですが、
第5楽章だけ聴けば、そんなことは微塵も思いません。
(ベートーヴェンの「第9」の第4楽章だけを聴く人がよくいるように・・・)
ここ1週間ほど、頻繁に第5楽章だけを聴いて楽しんでいます。
クレンペラーの演奏によって、ようやく交響曲第7番の魅力に開眼したワケです。

一方、先日紹介した、ジンマンの50枚組のCDの中にも、
マーラーの交響曲第7番が収録されています。
こちらは1枚組です。
ジンマン盤の演奏時間を記載します。

第1楽章 22:01
第2楽章 15:50
第3楽章 10:12
第4楽章 12:22
第5楽章 18:07

トータルで78分程度です。
クレンペラー盤と比べると22分も違いがあります!

クレンペラー盤は重厚な感じですが、
ジンマン盤は軽やか透明という感じです。
第5楽章に限って言えば、クレンペラー盤が油彩に対して、
ジンマン盤は水彩画にたとえられるかもしれません。
「スカスカだ」とか、「薄味だ」とか言う人もあるでしょうが、
こんなに爽やかで暑苦しくないマーラーもアリだと思います。
(バーンスタインの演奏だけが「本物の」マーラー、
ということでもないはずです。
ブーレーズや小澤、カラヤンだって名演を残しています。)
暑苦しくない分、爽やかな初夏の陽光を感じるような演奏になっています。

ジンマン指揮マーラー:交響曲第7番(SACDハイブリッド)※1枚もの


ジンマン指揮マーラー交響曲全集(SACDハイブリッド)


Great Symphonies.The Zurich Years 1995-2014


どちらか1枚、というなら、迷わずクレンペラー盤をオススメします。
音質にこだわるなら、ジンマンの1枚ものの方がいいかもしれません。

マーラーの交響曲第7番について、おすすめのWEB記事を3つ紹介します。
( )内はブログ名です。
マーラー 交響曲第7番ホ短調「夜の歌」 名盤(ハルくんの音楽日記)
交響曲第7番 ホ短調 「夜の歌」
---肥大化した怪作だが、中期ではベストか?---
(題名のない音楽館「マーラーの交響曲」)

クレンペラーのマーラー■交響曲第7-9番及び歌曲■(An die Musik)

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コメント

題なしの及川様、コメントありがとうございます。
クレンペラーの演奏、モーツァルトは確かに絶品ですね。
ワルター指揮のよりも今では気に入っています。

作曲者の意図としては、
第1楽章から順に聴いていってほしい、
というのがホンネなのでしょうが、
マーラーやブルックナーの作品のように一つの楽章が長大なものになれば、
まともに聴くだけで1時間以上かかってしまいます。
しかも、「ながら聴き」ができないようなシロモノがほとんどです。
だからこそ、好きな楽章だけ聴く、という形の鑑賞もアリなのでは、と考えます。
ちょうど、紹介させていただいた記事では、
「チョイ聴き」という形で、オススメ楽章を紹介されていますね。
私もそのところを読んで共感しました。

てんしな?日々さん

「題なし」の及川です。ご無沙汰しています。
拙稿を紹介頂き、ありがとうございました。
私もクレンペラーの演奏はそれなりに聴いていますが、マーラーやブルックナーなどは余り向いていないのかな・・・(マーラーは4番、ブルックナーは8番を持っていました)と思うに至っていますので意外でした。クレンペラーの真価が分かった気になったのは、モーツァルトでしたから。

ところで、マーラーの7番、確かに第1楽章と第5楽章だけでもよさそうな曲ですね。絞りに絞ってコンパクトにしていく発想というものがなかったためかも知れませんね。例えは変ですが、ベートーヴェンなら、2楽章構成で良しとしたかも知れませんね。
まあ、その場合、第2楽章と第4楽章にマーラーが付けた題名に由来する「夜の歌」という愛称も付かなかったわけですから、もっともっと演奏機会も録音も少なかったことでしょう。

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