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2013年9月15日 (日)

ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第1番聴き比べ6種類

ベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲のうち、
どの曲が一番好きか、順位づけするとしたらどういう順にするか、
と問われたら、皆さんならどう答えますか?

今の私なら、
1番→2番→5番→4番→3番と答えます。
特に1番と2番はよく聴きます。
最も優れているのは5番「皇帝」というのは確かですが、
私にとっては気楽には聴けないかな・・・
本を読みながら、テレビ観ながらの「ながら聴き」ができないほどの、
堂々とした作品だからです。
3番、4番も同様です。

その点、ベートーヴェン初期の作品は肩肘ばったものではなく、
モーツァルトやハイドンの作品にみられるのと同じような愉悦感があります。
聴き流すには最適です。

今回から連続記事ではありませんが、
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲の聴き比べ記事を書いてみようと思います。
第1回目は第1番についてです。

その前に・・・
我が家にあるベートーヴェンのピアノ協奏曲(集)のCDは以下のとおりです。
・ピアノ協奏曲全集
(プレトニョフ/ガンシュ/ロシア・ナショナル管弦楽団)DG
・ピアノ協奏曲全集他
(アラウ/コリン・デイヴィス/シュターツカペレ・ドレスデン)DECCA
※タワーレコード限定版
・ピアノ協奏曲全集他
(バレンボイム/クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)EMI
・ピアノ協奏曲全集他
(内田光子/クルト・ザンデルリンク/バイエルン放送交響楽団他)PHILIPS
※現DECCA
・ピアノ協奏曲全集他
(バックハウス/シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィル)DECCA
・ピアノ協奏曲全集※Blu-ray
(バレンボイムの弾き振り/シュターツカペレ・ベルリン)EUROARTS

・ピアノ協奏曲第4番他
(エレーヌ・グリモー/クルト・マズア/ニューヨーク・フィル)TELDEC
※現ワーナー
・ピアノ協奏曲第2番・第5番
(ルービンシュタイン/バレンボイム/ロンドン・フィル)RCA

盤の表記は、いちいち上記のように書くのも煩わしいので、
原則はピアニスト名で表記します。
ただし、バレンボイム盤だけは2種類あるので、
指揮者名(クレンペラー、バレンボイム)とします。

第1番の各楽章の演奏時間は以下のとおりです。
第1楽章を「1;」、第2楽章を「2;」、第3楽章を「3;」と表記します。
(並び方は演奏の古い順→新しい順です。)

・バックハウス盤(1959)
1;13.41
2;09.15
3;08.53

・クレンペラー盤(1967)
1;16.17
2;13.13
3;09.20

・アラウ盤(1987)
1;17.41
2;11.07
3;09.42

・内田光子盤(1997)
1;18.15
2;10.46
3;09.28

・プレトニョフ盤(2006)
1;13.38
2;10.20
3;08.49

・バレンボイム盤(2007)
1;15.43
2;12.07
3;11.41

どの盤を買ってもオススメですが、
あえて順位をつけるとしたら・・・
1位:クレンペラー盤
2位:バレンボイム盤
3位:内田光子盤
4位:プレトニョフ盤
5位:アラウ盤
6位:バックハウス盤

以下は全て、ピアノ協奏曲全集です。
クレンペラー盤

バレンボイム盤(DVD)

バレンボイム盤(Blu-ray)

内田光子盤

プレトニョフ盤

アラウ盤(タワーレコード限定)
→タワーレコードのサイトでどうぞ。

バックハウス盤

クレンペラー盤は、オーケストラの充実感が最高です。
最もシンフォニックな響きがします。
第1番でも、あたかも第5番であるかのような、
堂々とした響きが魅力的です。
中世の城や大聖堂がそびえ立つような感じさえします。
バレンボイムのピアノもロマンティックで見事です。
これぞベートーヴェン!という決定版ではないでしょうか。

バレンボイムの弾き振り盤は、CDも出ていますが、
せっかくなら、映像付で視聴した方がすばらしいです。
まるでベートーヴェン自身が弾き振りしているかのような錯覚さえ抱くほどです。
バレンボイムはベルリン・フィルとの弾き振り盤もありますが、
今ではやはりこちらの方がオススメです。
1曲でモーツァルトとベートーヴェンを一緒に聴くような感じがします。

内田光子盤は、クレンペラー盤、バレンボイム盤を手に入れる前までの愛聴盤でした。
ザンデルリンクが指揮するバイエルン放送響の響きがすばらしかったですが、
上記2枚を手に入れてからは、あまり聴く機会がなくなってしまいました・・・

プレトニョフ盤は、
宇野センセイの近著『ベートーヴェン 不滅の音楽を聴く』を
立ち読みしていた時に知りました。
宇野センセイ激賞モノです。

ベートーヴェン 不滅の音楽を聴く

実際、聴いてみると、確かにプレトニョフのピアノは、
今回聴き比べした中で最も個性的です。
特に第1番の第2楽章冒頭などは、まるでラフマニノフの曲かと思うほど、
甘美に弾いています。
ピアノの至芸を聴くなら、プレトニョフ盤はオススメですが、
オーケストラがあくまで「オマケ」的な感じがするのがマイナスです。

アラウ盤はピアノに鋭さこそないものの、
音を慈しむように弾いているところと、
シュターツカペレ・ドレスデンのオケの響きが渋いです。

バックハウス盤は録音のせいなのか、
ピアノ・オケどちらも少しぼやけ気味に聴こえてしまうのが難点です。

ピアノ協奏曲第1番を初めて聴いたのは、確かNHKFMでした。
ちょうど第3楽章がかかっていて、
初めはモーツァルトの曲かな、と思ったほどでしたが、
最後の手前で、「モーツァルトではなくこれはベートーヴェンの曲だ!」とわかりました。

全3楽章のうち、最も好きなのは第2楽章です。
その甘美さは、ベートーヴェン初期の作品の中では、
悲愴ソナタの第2楽章と双璧をなすのではないでしょうか。
もちろん第1・第3楽章の楽しさも大好きです。
第3楽章の音楽が止まりそうになってから、
また突然勢いを取り戻して終わる仕掛けなどは何度聴いても楽しいものです。

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