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2013年7月の11件の記事

2013年7月27日 (土)

『ちょんまげぷりん』映画と原作

NHKEテレ「グレーテルのかまど」で2013年5月3日に放映された、
ちょんまでぷりんのプリン」の回が、
2013年7月26日にもアンコール放送されていました。
作者・荒木源さん自身が主夫であり、
「安兵衛さん」のモデルだと知りました。
実は2013年5月3日の放送後に、さっそく原作を買って読みました。
題名のユニークさや表紙はともかく
(少なくとも表紙は小説中の安兵衛さんにあっていないように思えますが・・・)、
グイグイと物語の面白さに引き込まれてしまいました。
180年前からやってきた侍の視点で、
現代の子育てや現代日本の諸問題(特に労働問題)について、
社会風刺的に描かれています。
映画化されていることはあとで知りました。


ちょんまげぷりん(原作)


2013年7月26日の再放送の後、妻とその回について話しているうちに、
「じゃあ、映画版を観てみたい」ということになり、
さっそくTSUTAYAでレンタルして妻と一緒に観てみました。

概ね原作どおりのストーリー展開となりますが、
2時間という枠で収めるために、
安兵衛さんの現代での仕事がささやかな一パティシェにとどまっていました。
原作では、日本中知らない人がいない
売れっ子コメンテーターにまでなっていましたが・・・

安兵衛さんを演じる錦戸亮さんの侍姿がキマッテいました。
子役の鈴木福くんも相変わらずウマイ演技でした。

原作と細かいところは違いますが、
映画としての見せ場(おかしの城をつくる、
おかしの城製作時の失敗を見事な成功に変える、
ケーキナイフでのゴロツキとの殺陣シーンなど)はしっかりとあり、
コメディ映画としては成功していました。
原作を知らなくても十分に楽しめる作品になっています。


ちょんまげぷりん(DVD)

2013年7月22日 (月)

NHKBSプレミアム・プレミアムシアター ベルリン・フィル ワルトビューネ・コンサート2013(2013年7月22日放送)

2013年6月22日に、
ベルリンのヴァルトビューネ野外音楽堂で開催された、
ベルリン・フィル ワルトビューネ・コンサート2013」が、
早くもNHKBSプレミアムで放送されました。
ここ数年、雨続きのコンサートだったようですが、
今年は晴天に恵まれていました。

ラトル指揮のベルリン・フィルによる、
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(独奏:クリスチャン・テツラフ)と、
ベートーヴェンの「第9」というプログラム。
もちろんお目当ては「第9」の方です。
(メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、
冒頭だけ聴いてパス・・・)

野外コンサートですから、どんな名演奏であっても、
散漫な印象になりがちですが、
放送用の録音になると、余計な雑音がほとんど入らず、
普通はありえないほどの音の鮮明さがありました。

特に第1楽章は、
CDだと音の塊になってしまってあまり聴こえないようなパートまで、
鮮明に聴こえてきました。
解釈の素晴らしさ云々よりも、音の鮮やかさに驚嘆しました。
オーケストラだけの演奏に限っていえば、
かなり素晴らしい演奏の部類に入るのではないかと思ったほどでした。

問題は第4楽章。
ソリストの歌声は鮮明に聴こえるのですが、
肝心な合唱がぼやけてしまっていたのが残念でした。

ヴァルトビューネのエンディング恒例、
パウル・リンケの「ベルリンの風」では、
ラトルが指揮台から退き、大太鼓を叩いていました。
なかなか見られない光景でした。

実際にこのコンサートに行かれた方のブログ記事がありましたので紹介します。
ベルリンフィル Waldbuehne 2013 [コンサート]
いいですね〜

2013年7月21日 (日)

高校野球・夏の甲子園大会は児童虐待&児童酷使?〜おすすめWEB記事「暑すぎる高校野球 球児たちの「物語」に冷静な視線」(MSN産経ニュース2013.7.19)

夏の風物誌といえば、高校野球の夏の甲子園大会ですね。
青春の汗と涙と感動・・・
しかし、死者が出るほどの猛暑の中、
高校野球をやらせることが、
本当に高校生の健全育成につながるのでしょうか?

こういう記事を読みました。
暑すぎる高校野球 球児たちの「物語」に冷静な視線
(MSN産経ニュース2013.7.19)
酷暑の中行われた高校野球地区予選埼玉大会で、
熱中症になった選手に対して、
監督や高野連幹部が「何をやっているのか」
「体が慣れていないんじゃないかな」などと
倒れた選手の体調管理を疑問視するかのような発言をしたとの報道がありました。
それに対してついに批判が出始めた、というものです。
死人が出るまでこういった人たちはわからないのでしょうかね・・・

この記事の中でコメントをしている、
スポーツジャーナリストの玉木正之さんは、
以前から高校野球の商業化・NHK等での全国中継の中止を訴えています。
少し古い記事ですが、今も現状は変わらないので、
玉木正之さんが問題提起した記事を紹介します。
学校はスポーツを行う場ではない!
学校教育の場がスポーツ興行の場になってしまっている現状への警鐘です。
もうかれば、高校球児が酷使されても何も言わないのはおかしいのです。
玉木正之さんは以前(どの本でか忘れましたが)、
「高校野球は1回負ければ敗退するのではなく、
サッカーのようにリーグ戦にすべき」ということも主張されていました。
確かに、一発勝負で負ければ終わり、
というのはアマチュアにとってすごく酷です。
全然「教育」になっていないといえます。

ついでに言えば、高校野球のみならず、
公立学校(特に中学・高校)において、
部活が最優先になってしまっているのが、
教師の体罰や学力低下の温床になっている、と言えないでしょうか?
部活動を生徒指導に使う、というようなことはもうやめるべきではないでしょうか?
学校での教育と、高度な専門技術を要するような部活動
(スポーツのみならず、吹奏楽なども)は、切り離すべきです。
教員が過度に部活指導をするため、
日常の授業がおろそかになってしまう弊害を是正すべきです。

(2013年8月18日追記)
アメリカのスポーツメディア関係者にとっても、
日本の高校野球・甲子園大会は「児童虐待」と映っているようです。
「日本の高校野球は狂気的」済美・安楽の敗退に安堵する米国人記者
((SPA! ) 2013年8月17日(土)配信)

(引用)
 準優勝を収めた今春のセンバツ大会、安楽は9日間で5試合に登板し、計772球を投げた。世間が新たな怪物の登場に湧く一方、高校生の“投げ過ぎ”を問題視する声が、日本のみならずアメリカ各地でも上がったことは記憶に新しい。

 アメリカの野球界は、とにかく投手の球数にセンシティブだ。「投手の肩は消耗品」という考え方が広く浸透しており、若い投手の投球過多は将来の故障リスクを高めると考えられている。そのためアメリカでは、小学生のリトルリーグですら投手の投球数が管理されている。

 米国最大のスポーツ専門ケーブル局『ESPN』のスタッフは今年5月、わざわざ愛媛まで足を運び、済美高校と安楽を取材した。日本独特の高校野球文化と球数に対する考え方をテーマに、特集番組を制作したのだ。特集では“Nagekomi(投げ込み)”や”Kaibutsu(怪物)”といった、日本野球特有の文化があることが紹介された。

 そして迎えた夏の甲子園。アメリカのスポーツメディア関係者は今、再び日本の球児たちに視線を注いでいる。

 米Yahoo!スポーツのジェフ・パッサン記者は、アメリカ野球界を代表する論客だ。

 13日に安楽が今大会初登板を終えた翌日には早速、「10代のスーパースター、狂気的な球数、国民的行事 夏の甲子園が帰ってきた」と題した記事で、日本の高校野球に警鐘を鳴らした。

「大人は子供の将来のために存在するのであり、才能を潰してはならない」。長年、野球選手の代理人を務めている団野村氏は以前、日本の高校野球は『児童虐待』だと話している。
(引用終)

ごもっともです・・・

2013年7月20日 (土)

ラプサンスーチョン(Lapsang souchong,拉普山小種)は正露丸の香り?〜鬱な気分を吹き飛ばした一杯

先日、妻と一緒に札幌市北部の、とある紅茶専門店に行きました。
(地下鉄駅のすぐそばにお店がある、とだけ書いておきます。)
いろいろな珍しい紅茶がありました。
中国の紅茶では、キーマン(祁門)は知っていますし、
以前実際に買って飲んだこともありますが、
ラプサンスーチョン
(Lapsang souchong,”拉普山小種”or”正山小種”)なる紅茶は、
そのお店のメニューで初めてみました。
札幌市内のいくつかの紅茶専門店に行っても、確か、
なかったと記憶しています。
(中島公園近くの有名な紅茶専門店ならありそうですが・・・
まだ行ったことがありません。なんとなくコワソウで(^-^;))

実は、この店に来る前、気持ちがなんとなく重い感じがありました。
(個人的な愚痴になるのであえて書きませんが・・・)
待っている間も、妻とあまり話が弾まないほどでした。

私はイングリッシュミルクティーを、
妻はラプサンスーチョンを頼みました。
注文してから10分ほどで紅茶がテーブルに来ました。
さて、ラプサンスーチョンの香りと味は?

ラプサンスーチョンの香りを嗅いだ時、
思わず「???」となりました。
漢方の香り?なんか違うぞ・・・
なぜか小さい頃の記憶と、「おばあちゃんの家」というのが浮かびました。
まさか、「ヨードチンキ」?これも違うみたい・・・

何回か香りと味を楽しみ(?)ながら、
あれこれ記憶を総動員しつつ考えていると・・・
わかった!(o^-^o)
ラッパのマーク、正露丸!!!
でも狭い店内で他のお客さんもいるし、
ちょっと伝えづらいので、妻には、
「わかったけど、ちょっと口では言えないので・・・」と
手帳に答えを書いて見せました。
妻も私が手帳に書き終わるまでに答えがわかってしまい、
小声で「正露丸?」と言ってしまいました(*^-^)

独特な香りはかなり違和感がありましたが、
ティーポットいっぱいの紅茶を飲み干す頃には、
すっかり慣れてしまいました。
妻も最初はかなり戸惑っていましたが、
ポット内の紅茶がなくなる頃には気に入ったようでした。

マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』では、
主人公がプチット・マドレーヌを紅茶に浸して食べるところから、
過去の記憶が甦り、壮大な小説が紡がれていきますが、
私はラプサンスーチョンの香りから、
幼少期の記憶を思い出し、そこから妻とも話が弾み、
いつの間にか鬱々とした気持ちもどこかへ消散していました。
正露丸が腹痛に効き、ラプサンスーチョンは憂鬱に効くのかもしれませんね・・・
(※個人の感想で、効果を証明するものではありません(*^-^)。)

店内では、『知識ゼロからの紅茶入門』という本がおいてあり、
紅茶が来るまでの待ち時間はその本を読んていました。
なかなか興味ふかい内容でした。


知識ゼロからの紅茶入門


ちなみに、プルーストの『失われた時を求めて』は、
ちくま文庫版で、第1巻「スワン家の方へ」だけは読みましたが、
あとは挫折・・・
(現在ちくま文庫版は絶版のようです。岩波文庫と集英社文庫、
光文社古典新訳文庫で出ています。)


スワン家のほうへ 岩波文庫版


スワン家のほうへ 光文社古典新訳文庫版


スワン家の方へ 集英社文庫版

2013年7月18日 (木)

書評:吉川景都 作『子どもと十字架 天正遣欧少年使節 上』

先日、コミック版『氷菓』3巻・4巻(タスクオーナ作)を
買って読んだ際、新刊のお知らせが入っていました。


コミック版 氷菓 3巻


コミック版 氷菓 4巻

(※『氷菓』ファンならオススメです。)


その中に『子どもと十字架 天正遣欧少年使節 上
というコミックがあるのを知りました。
天正遣欧少年使節」という、どちらというとマイナーな話題を、
よくぞコミック化したものだ〜と思い、
購読しました。


子どもと十字架 天正遣欧少年使節 上


キャラクターデザインが少女マンガ的すぎて違和感がありましたが、
(武士の子どもたちなのだから、
もっとごっつく骨太に書いてもよかったのでは?)
ラテン語のミサに出てくる言葉や聖書の御言葉が出てくるなど
(冒頭から、マルコ8:34文語訳が出てきます)、
宗教的な背景を描いているのには好感を持ちました。
下巻が出るのが楽しみです。
教会学校で読ませても大丈夫な内容となっています。

天正遣欧少年使節についてなら、
若桑みどり著『クアトロ・ラガッツィ』(集英社文庫)
という本が詳しいそうです。
文庫本・上下巻です。
そのうち読んでみようかな・・・


クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)


クアトロ・ラガッツィ(下)天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)

2013年7月15日 (月)

アニメ版「銀の匙 Silver Spoon」と、原作8巻

アニメ版の「銀の匙 Silver Spoon」、
北海道でも2013年7月14日(15日)から放送開始されました。
(ついにノイタミナ枠も東京から数日遅れになりました・・・
「のだめカンタービレ」の時とかは数ヶ月遅れだったのですが。)
もともと原作も好きでしたので、期待大でした。
アニメ化はまずまずの合格点ではないでしょうか。
(もっと北海道の空気感を出せるよう描き方なら、
文句なしかもしれませんけど・・・)

銀の匙 Silver Spoon 1(完全生産限定版) [Blu-ray]


ちょうどほぼ同時期に、原作の8巻が発売になりました。
さっそく買って読みました。

銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)

ようやく8巻で、タイトルの「銀の匙」の由来が明らかになりましたが、
アニメ版ではあっさり第1話で、謎解きがされてしまったのには少々唖然・・・

8巻では、北海道の農業の深刻さが描かれています。
離農、後継者問題、迫り来るTPPの影・・・
そういう中で、主人公・八軒の心の成長と、
アキとの関係進展(といっても、まだまだささやかなものですが)は読み応えがあります。
北海道の農業の問題について10代・20代の若者に認識してもらうのに、
下手な資料を使うよりも、
この「銀の匙 Silver Spoon」を読んでもらう方が、よっぽど効果的なのではと考えています。
私にとって新刊が楽しみなマンガの1つです。

銀の匙 Silver Spoon」の1〜3巻については既に記事にしていますので、
よろしければご一読ください。
書評:荒川弘 作『銀の匙 Silver Spoon 1』~北海道民はぜひ読むべ~!

2013年7月13日 (土)

テレビ東京系・たけしのニッポンのミカタ!「知らないと怖い…TPP加盟は善か!?悪か!?」(2013年7月12日放送)〜日本がTPP参加すると起きるであろう悪夢・・・

先日、書店をぶらぶらしていると、こんなタイトルの本がありました。
庶民は知らないアベノリスクの真実 』(角川SSC新書)
エコノミストの森永卓郎さんの著作です。
もはや「アベノミクス」ではなく、
アベノリスク」なのですね・・・

庶民は知らないアベノリスクの真実 (角川SSC新書)

※Amazonでは評価が低いようなので、
もう一冊、「アベノリスク」がタイトルにある本を紹介します。
植草一秀著『アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪 』です。
こちらはAmazonでも高評価です。

アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪


自民党のポスターには、「日本を、取り戻す。」と書かれていますね。
しかし私には、
日本を、売り渡す。(アメリカに)」としか思えません。
TPP推進、経済至上主義の考え方は、結局亡国のではないでしょうか?

2013年7月12日にテレビ東京系で放送された、
たけしのニッポンのミカタ!
知らないと怖い…TPP加盟は善か!?悪か!?」は好内容でした。
TPP参加のメリットも一応伝える一方、
デメリットの部分を多く取り上げていました。
1時間番組ながら、わかりやすく具体的でした。

「遺伝子組み換え食品」表示の撤廃
(遺伝子組み換え食品を食べ続けたラットの実験は驚愕、いや恐怖でした・・・)、
フカヒレが食べられなくなるかもしれない事(日本の伝統的食文化の崩壊・・・)、
著作権保護で自由にモノマネができなくなるかもしれない事、
そして最悪は、日本が世界に誇る制度である、
「国民皆保険」が崩れ、ささいな風邪で病院にかかっても高額請求されたり、
離島・過疎地などの病院が今以上に無くなってしまうこと・・・
番組ではやみくもに反TPPを訴えるような一方的な立場の主張はされませんでしたが、
やはり交渉は避けられないことだけは共通理解となっていました。
これでも、TPPに両手を挙げて賛成できるでしょうか?
私は中野剛志氏や、番組中で浜矩子氏が述べていたように、
TPP参加は日本にとって大いにマイナスになると考えています。

中野剛志:TPP亡国論 (集英社新書)

TPP 黒い条約 (集英社新書)


ちなみに、番組中で紹介されていた、
遺伝子組み換え食品をラットに2年間食べさせ続ける実験を取り上げた映画は、
世界が食べられなく日」というフランスの作品です。
映画公式サイト
予告編


ところで、2013年7月21日の参議院選挙はもうすぐですね。
私は不在者投票を済ませてきました。
(あえて、どこに投票したかは書きませんが・・・)
少なくとも私にとっては(北海道民の多くにとっては)、
TPPを積極的に推進しようとする党に一票を入れることは、
自分の首をしめるようなものだと考えます。

民主党は嘘つき・口先だけの政党でしたが、
再び返り咲いた自民党は結局、
昔ながらの公共事業頼み・強者の味方の政策しかできません。
(弱者いじめをして庶民の気をそらす程度でしょう・・・)
共産党や新党大地のような政党を除けば、あとは似たり寄ったりです。
大勢は自民党に票が行ってしまいそうですが(日本の愚民化の成功ですね・・・)、
少なくとも我々は、No!を示すことはできるのではないでしょうか?

投票に行かない、というのは、
自分の人生どうなってもいいよ、というのに等しいですね。
投票を放棄するような人は、政治がどんなにひどくなっても、
文句を言うべきではないと思います。
「政治が悪い」のではなく、悪い政治家・政治体制を選んだのは、
ほかならぬ我々自身なのです。
我々が変わらなければ、政治は変わらないのです!

2013年7月 9日 (火)

ホルスト「惑星」(The Planets)聴き比べ〜メータ、ショルティ、カラヤン、ボールト、レヴァイン

ホルストの「惑星」(The Planets, op32)、
実は結構好きです。
平原綾香の「Jupiter」の原曲があることでさらに有名になりましたね。
ただし、全体を通して聴くことは稀で、
たいていは、「火星ー戦争をもたらす者」(Mars,the Bringer of War)と、
「木星ー快楽をもたらす者」(Jupiter,the Bringer of Jollity)だけを聴きます。
あと、たまに「金星ー平和をもたらす者」(Venus, the Bringer of Peace)と、
終曲「海王星ー神秘をもたらす者」(Neptune, the Mystic)も合わせて聴く程度。
他の3曲は・・・「惑星」マニアの皆さんには申し訳ないですが、パスでございます・・・
(クラシック音楽だからといって、必ず全曲通して聴かねばならない、
という考えは私にはないです。)

この曲との出会いは・・・
確か何十年か前の「24時間テレビ」で、
読売交響楽団が「木星」のところだけ演奏しているのを、
テレビで観たのが一番最初です。
高校生になってから、クラシック音楽を本格的に聴くようになって、
派手な管弦楽曲の代表曲の1つとして、
ショルティ指揮ロンドン・フィルの演奏CDを買いました。
(当時はショルティ指揮のが結構好きでした。)
「火星」と「金星」、「木星」、「海王星」の音楽を聴きながら、
様々なヴィジョンの世界に入り浸っていました。
(「海王星」などはまさに宇宙空間を漂うな感覚ですよね。)

ショルティ指揮のは一度手放し、
後年、宇野センセイオススメの、
ボールト指揮ロンドン交響楽団(1978年)を手に入れ、
その盤だけで満足していました。
しかし、近年のCD価格の下落で、
1000円前後で名盤が容易に手に入るようになった結果、
いろいろ買ってしまった次第です。
現在、我が家には5枚の「惑星」CDがあります。
改めて聴き比べをしてみました。
本来なら全曲通してを評すればいいのでしょうが、
手っ取り早くわかりやすい、演奏時間、カップリング曲、
「火星」と「木星」の演奏評(満足度)についてのみ書きます。
①→火星
②→金星
③→水星
④→木星
⑤→土星
⑥→天王星
⑦→海王星
で表します。

第5位:メータ指揮ロサンジェルス・フィル(1971)
カップリング曲:ジョン・ウィリアムズ「スター・ウォーズ組曲」

ホルスト:惑星 / ウィリアムズ:スター・ウォーズ

①7:11
②8:05
③3:48
④7:49
⑤9:52
⑥5:38
⑦7:10

「惑星」を聴くよりは、
カップリングの「スター・ウォーズ組曲」を聴くために買ったCDです。
輸入盤で、買った当時は600円か800円ぐらいでした。
それなりに楽しめますが、「惑星」はオマケと思った方がいいかも?


第4位:ショルティ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1978)
カップリング曲:エルガー「威風堂々」作品39(全5曲)

ホルスト:組曲「惑星」、エルガー:威風堂々第1番-第5番

①6:41
②8:20
③3:49
④7:15
⑤9:49
⑥5:34
⑦8:02

高校時代には嬉々として聴き入って異次元世界へ誘ってくれた演奏なのですが、
現在の私にとっては、もはやあの頃の感動とはほど遠くなってしまったなぁ・・・
というのが偽らなぬ感想でした。
もちろんそれなりの演奏です。
こちらも実はカップリングの「威風堂々」全5曲を聴くために、
改めて買い直したわけです。
(「威風堂々」は文句なくオススメです!)
なお、このCDでは、従来あった訳の「火星ー戦争の神」等、
「◯星ー△△の神」がまだ使われていますが、
訳としては間違いですね。

第3位:カラヤン指揮ベルリン・フィル(1981)
カップリング曲:なし

ホルスト:組曲「惑星」

①7:20
②8:37
③4:15
④7:32
⑤9:22
⑥6:02
⑦8:49

「惑星」を拡めるのに大いに貢献したカラヤンの2回目の録音です。
ダイナミックな演奏で満足できます。
「火星」も迫力満点です。
「火星」だけなら、2位にしてもいいかな・・・

第2位:ボールト指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1978)
カップリング曲:エルガー「エニグマ変奏曲」

ホルスト:組曲「惑星」、エルガー:エニグマ変奏曲

①7:56
②7:21
③3:42
④7:53
⑤8:17
⑥6:22
⑦6:22

この曲の初演者であり、この曲を5回もレコーディングしたことがある、
ボールトの指揮はさすがに深みがあります。
これは最後の5回目の録音です。
イギリス音楽としての側面を垣間見ることができます。
後述の、レヴァイン盤とこのボールト盤があれば、
後は何枚も買う必要がないと思います。
カップリングの「エニグマ変奏曲」も実に見事な演奏です。
(こちらも、第9変奏Nimrodだけ取り出してよく聴きます。)
「木星」中間部は、
悠々自適に田園生活を送る英国紳士の姿が目に浮かびそうです。


第1位:レヴァイン指揮シカゴ交響楽団(1989)
カップリング曲:なし

ホルスト:惑星

①7:26
②7:24
③3:45
④7:33
⑤9:08
⑥5:44
⑦8:12

昔から気になってはいたCDですが、つい最近になって、
ようやく手に入れました。
このCDの特徴は、超優秀な録音です!
音の迫力が、上述した他の4枚とまるで違います。
「火星」のラストあたりでは、床が震えるほどです。
オーディオを同じボリュームにしても、
このCDだけ他の1.2〜1.5倍ぐらいの響きで圧倒されます。
あえて難点を1つだけ言えば、「木星」のある部分で、
ほんのちょっとだけ「タメ」を作ってくれればよかったのに、
と思えたところです。
(開始〜1:00あたりのところ及び5:40前後のところ)
音の立派さから言えば、「これぞ「惑星」!」とオススメできる1枚です。
ファーストチョイスでこの盤を選んでしまうと、他のが聴けなくなってしまいそう・・・

ところで、世の中には、「惑星」の超マニア的な人がいるのですね〜
こんなサイトを見つけました。
ホルスト 「惑星」 所有盤 ディスコグラフィ
なんと、「惑星」だけで116種類の盤を所蔵し、
そのすべてについてコメントを書いている、という凄さ!
ちなみにこの方のイチオシ盤は、私の第3位のカラヤン盤とのこと。

今回の5種類の聴き比べなど、
上記サイトに比べるとごくごくささやかなものですが、
参考になれば幸いです。

(2013年7月16日追記)
当ブログによくコメントをくださる「題なしの及川」様から、
コメントをいただき、興味深い記事をご紹介いただきました。
コメント欄にも載っていますが、
本文中にも記載します。
ちなみに、「題なしの及川」様のオススメは、
カラヤン指揮ウィーン・フィルの演奏です。

ホルスト 惑星--- こんなに人気のある曲になるとは! ---

2013年7月 6日 (土)

吉田 秋生作『海街diary』は傑作!

NHKEテレの「グレーテルのかまど」は、
私ども夫婦の好きな番組の1つです。
先日、2013年6月13日放送の回では、
海街diaryの梅酒&梅ジュース」として、
吉田秋生作『海街diary』(各巻ごと名前がついていますが・・・)の作中に出てくる、
梅酒と梅ジュースを紹介していました。
家族の絆のしるしである梅酒のエピソードが魅力的に思えたので、
原作を読んでみようと思いました。
(そういえば、『海街diary』は今年3月に
「マンガ大賞2013」を受賞した作品でしたね。
受賞時、少し興味を持ちましたが、
買って読みたいとまでは思いませんでした・・・)

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃』を早速買って読みました。
冒頭こそ、男女の「こと」が終わったのを示唆する描写がありますが、
それ以外の扇情的なシーンはほぼありません。
3姉妹が異母姉妹である中学生のすずを引き取り、
鎌倉の古い家で暮らす物語です。
4姉妹のうち、末のすずの視点で物語が描写されることが多いです。

とにかく心理描写と背景描写(生活感の描写)が圧倒的です。
事件らしい事件は起こりませんが、
何気ない日常をこんなに魅力的に描けるとは!
読んでいるうちに、悲しい物語ではないのに
(現実の苦さはたっぷり含まれていますが・・・)、
知らず知らず、泣きそうになってしまいます・・・
(妻にこの話をしたら、「女の子みたい!」と笑われてしまいましたが・・・)
喩えて言うなら、沈みゆく夕日を見て、
その美しさとはかなさに感動するのに似ています。

単なるマンガというよりも、
連作短編小説や短編映画のような味わいがあります。
(でも、ドラマ化・映画化したら、鎌倉をきちんと映していても、
何か大切なものが消えてしまいそうな気がしますが・・・)

さっそく大人買いで5巻まで買い揃えてしまいました・・・
私がマンガを読むスピードはかなり速いのですが、
(場合によっては1冊5分〜10分)
この『海街diary』シリーズは、
一瞬一瞬に立ち止まりたくなるような美しさ、切なさが溢れているので、
容易にページを繰る手が進まないほどです。
まさに傑作です!
いちばんお気に入りは今のところ4巻です。
少しずつ近づいていくすずと風太との距離・・・
なんとも甘くせつないものです。

作品の舞台、鎌倉には、何十年も前に1度行ったことがありますが、
また行ってみたくなりました・・・

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃


海街diary 2 真昼の月


海街diary 3 陽のあたる坂道


海街diary 4 帰れない ふたり


海街diary5 群青

2013年7月 3日 (水)

書評:松本佐保著『バチカン近現代史〜ローマ教皇たちの「近代」との格闘〜』(中公新書)

2013年7月3日のニュースで、
2代前のローマ教皇、故ヨハネ・パウロ2世が、
年内にも聖人に認定される、という報道がありました。
故ヨハネ・パウロ2世が年内にも聖人に、法王庁が認定
(AFP=時事 7月3日(水)15時2分配信)

記事によると、
(引用)
【AFP=時事】カトリック教会の列聖の認定手続きを担当するバチカン(ローマ法王庁、Vatican)の列聖省(Congregation for the Causes of Saints)は3日、2世代前の法王であるポーランド出身の故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)による2つ目の「奇跡」を認定した。これにより、ヨハネ・パウロ2世の列聖には現法王フランシスコの署名を必要とするのみとなった。伊ANSA通信が2日に伝えた。(中略)

 ヨハネ・パウロ2世の列聖は12月までに正式決定し、年内にも列聖式が行われる見通しだ。

 聖人と認められるには、その人物が起こした2つの奇跡が認定される必要がある。ヨハネ・パウロ2世は、2005年の死去からわずか6か月後に1つ目の奇跡が認められ「福者」となっている。

 福者となったのは、フランス人の修道女、マリ・シモンピエール(Marie Simon-Pierre)さんが故ヨハネ・パウロ2世による「とりなし」を求めて祈ったところ、パーキンソン病が治癒したことが奇跡と認められたため。治癒の理由は医学的には説明がつかないという。

 2つめの奇跡が起きたのは2011年5月1日。バチカンのサンピエトロ広場(St Peters' Square)でヨハネ・パウロ2世の列福式の当日、コスタリカ出身の女性が、病気から突然回復したという。正式に「奇跡」と認定されるためには、こうした病からの回復が瞬間的かつ永続的で、医学的に説明が付かないものでなくてはならない。
(引用終)

どうして故人に「とりなし」を願おうとするのか、私には理解できませんが、
(祈るべきはただ真の創造主のみです!)
それはともかくとして、故ヨハネ・パウロ2世の「奇跡」は、
病気の癒しとかの、ちっぽけな(当事者にとっては別ですが)ものではありません。
その「奇跡」とは?

松本佐保著『バチカン近現代史〜ローマ教皇たちの「近代」との格闘〜』(中公新書)
という本を新聞広告で見かけ、早速買って読みました。

バチカン近現代史〜ローマ教皇たちの「近代」との格闘〜

ローマ教皇の創始から17世紀まで軽く序章で触れられた後、
フランス革命の時代を経て、
「第1バチカン公会議」を開き、
「教皇不可謬説」、「聖母マリアの無原罪の御宿り」という、
カトリックの2大トンデモ教義を定めた教皇、
ピウス9世(在位1846〜1878)を大きく取り上げ、
その後の教皇とその業績をすべて取り上げています。
(著者はピウス9世にとても興味があったそうです。)

行き過ぎた工業化や資本主義の弊害を警告した回勅、
「レールム・ノヴァールム」を発したレオ13世(在位1878〜1903)、
ムッソリーニ、ヒトラーとバチカンの関係、
特に「ヒトラーの教皇」とさえ言われ、
第2次世界大戦後は反共産主義に立ったピウス12世(在位1939〜1958)の働きなど、
政治史として読み応えがありました。

ヨハネス23世(在位1958〜1963)と、
パウロ6世(在位1963〜1978)によって進められたすばらしい改革となった、
第2バチカン公会議についても1章が割かれています。
(この公会議については、大いに評価されるべきものだと考えます。)

そして先ほど触れた、ヨハネ・パウロ2世(在位1978〜2005)の時代。
「奇跡」とは、共産主義圏の崩壊です!
聖書の言葉を借りれば、
わたしたちは、あなたのために
一日中死にさらされ、
屠られる羊のように見られている

(新約聖書ローマの信徒への手紙8:36新共同訳→元は詩編44:23)
ような、共産主義の暴虐の下では、
弾圧・投獄・処刑の対象とされ、非力な存在のキリスト教会が、
ヨハネ・パウロ2世というカリスマ的指導者を得て、
ポーランドから始まってついには共産主義大国、
ソビエト連邦を崩壊させるまでの過程が本書の白眉といえるところです。

冷戦後のヨハネ・パウロ2世の活躍にも1章が割かれています。
前教皇ベネディクト16世(在位2005〜2013)については数ページだけでした。
(確かにその程度で十分かも・・・)
新教皇フランシスコの登場でバチカンの近現代史が締めくくられています。

カトリック信徒にはもちろんのこと、
キリスト教全般、ヨーロッパ史に興味がある人にはオススメです。
著者は「私自身はカトリック信者ではないが」(本書P.247)と書いてありますので、
擁護も断罪もしない、公平な立場でバチカンの政治史を書いています。
私にとっては小説並の知的面白さがありました。

だれが、キリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。
艱難か。苦しみか。迫害か。飢えか。裸か。危険か。剣か。
「わたしたちは、あなたのために
一日中死にさらされ、屠られる羊のように見られている」
と書いてあるとおりです。
しかし、これらすべてのことにおいて、わたしたちは、
わたしたちを愛してくださる方によって輝かしい勝利を収めています。

(新約聖書ローマの信徒への手紙8:35〜37新共同訳)

2013年7月 1日 (月)

2013年6月のアクセス数ベスト10記事一覧

2013年6月のアクセス数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部
 - キャメロン・カーペンター オルガン・リサイタル -
(2013年4月8日放送)〜ビジュアル、テクニック共にスゴすぎ!!

二位.ウコンは肝臓に悪い?~NHK・ためしてガッテン「肝臓の健康を守れSP」
(2011年6月29日放送)

三位.公立学校で習熟度別授業の導入はプラスか、マイナスか?
~読売新聞北海道版・連載「学力危機」第1部・札幌の格差 (10)を読んで

四位.「学び合い学習」は日本の義務教育崩壊を招く!
~おすすめ記事『【解答乱麻】 TOSS代表・向山洋一 亡国の教育「学び合い学習」』
(MSN産経ニュース2012年11月24日掲載)

五位.NNNドキュメント’13
「口は悪いが腕はいい…自閉症の子を救う男わが子に起きた奇跡」
(2013年2月18日放送)

六位.根拠薄弱な実験を報道したNHKの怠慢〜NHKニュース
「「人は本来は善人の可能性」の実験結果」(2013年6月13日放送)

七位.2013年5月のアクセス数ベスト10記事一覧
八位. 「学びあい」という美名の下の教育の堕落
~NHKEテレ・ETV特集「輝け二十八の瞳 ~学び合い 支えあう教室~」
(2012年2月5日放送)

九位.退職すると訴訟?!社畜から奴隷へ?ブラック企業の恐怖・・・
~NHK・クローズアップ現代「やめさせてくれない~急増する退職トラブル~」
(2012年4月26日放送)

十位.算数の問題解決型学習~学力「崩壊」の決め手

2011年10月以来、ずっ〜と月間アクセス数1位を独占し続けていた、
「ウコンは肝臓に悪い?〜」の記事がついにトップ陥落!
代わって1位に輝いたのが、オルガニストのキャメロン・カーペンターについての
記事でした。
ベスト1はアクセス数2000件超え、ベスト2も1000件超えでした。
先月は2・3・4・5・8・10位に教育関係の記事が入ったのは嬉しいです。
変わったところでは、「2013年5月のアクセス数ベスト10記事一覧」という記事が、
ベスト10入りしているのが意外でした。

札幌はまださわやかな初夏です。
今月もご愛読よろしくお願いします。

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