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2013年1月25日 (金)

新名盤?〜タスミン・リトル(Tasmin Little)によるエルガーのヴァイオリン協奏曲

イギリスのヴァイオリニスト、
タスミン・リトル(Tasmin Little)をご存知ですか?
実は私もつい最近知ったばかりです。
イギリスでは人気があるそうですが・・・

先日、飛行機の機内放送で、
暇つぶしにクラシック音楽をいろいろ聴いていました。
その中で、印象に残ったのが、
先日記事にした、ラトル指揮ベルリン・フィルによる
ブルックナーの交響曲第9番(第4楽章付)と、
今回紹介する、
タスミン・リトル(Vn)
サー・アンドリュー・デーヴィス指揮
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団による、
エルガーのヴァイオリン協奏曲(他2曲)でした。

Tasmin Little Plays Works By Edward Elgar [SACD, Import]

たいして期待しないで聴いたのがよかったのでしょうね。
飛行機の機内放送用のヘッドホン(あまり質が良いとはいえません)でも、
音の良さと演奏のすばらしさが十分に伝わってきました。
全曲演奏すると50分かかるこの作品を、
タスミン・リトルの演奏では、
時間の長さを忘れるほど充実して堪能することができました。

これはすばらしい!と思い、
思わずCDを買ってしまいました。
SACDハイブリッド盤です。

録音の優秀さもさることながら、
何よりも、充実した演奏はこの曲の時の長さを忘れさせるほどでした!
甘美な第2楽章はもちろんのこと、
第1楽章・第3楽章の魅力にようやく開眼させられました。
後述のヒラリー・ハーン盤と聴き比べても、
こちらの方が断然すばらしく、ヒラリー盤は手放してもいいかな、
とさえ思ってしまいました。
全曲の中では、特に第3楽章が非常な名演といえると思います。
演奏者のテクニック云々よりも、
作品の魅力そのものがダイレクトに伝わってくるような演奏です。
オーケストラもダイナミックさと繊細さどちらも満たしています。
ここ数日、毎晩のように聴いています。

ところで、エルガーのチェロ協奏曲はジャクリーヌ・デュ・プレの名演で、
とても人気が高いですが、
ヴァイオリン協奏曲は不人気です。
実は私も、甘美な第2楽章こそ好きでしたが、
第1楽章、第3楽章は敬遠していました。
ブルックナーがヴァイオリン協奏曲を作ったらこんな感じかな、
などと思うほど、重厚長大な(というよりは、野暮ったい)作品で、はっきり言って、
よほどのエルガー・ファンでない限り、聴いてて疲れるか飽きると思います。

初めてこの曲を聴いたのは十数年前、
シベリウスのヴァイオリン協奏曲とカップリングされていたNaxosのCDによります。
(どうしてこの盤を選んだのかは忘れてしまいましたが・・・)
第1楽章、第3楽章は演奏時間を見てまず辟易し、
実際に聴いてみて、最初の数分で「面白くない・・・」と思ってしまいました。
しかしその代わりに、第2楽章は大いに気に入りました。
数あるヴァイオリン協奏曲のアダージョ楽章の中でも、
最も美しいものではないでしょうか。

(たぶん、聴いたのはこの盤のようです。↓)

Sibelius & Elgar:Violin Concertos

近年になって、ヒラリー・ハーンの演奏に惹かれ、
ついでにエルガーのヴァイオリン協奏曲のCDも手に入れていました。
あのヒラリー・ハーンの演奏によってでさえも、
第1楽章・第3楽章の魅力を知ることはできませんでしたが、
とりあえず美しい第2楽章を時々聴けたら十分だと思っていました。

エルガー:ヴァイオリン協奏曲

改めてタスミン・リトル盤とヒラリー・ハーン盤を聴き比べてみると、
ヒラリー・ハーン盤は線の細さが気になります。
過度のダイエットで痩せすぎて元気がないような・・・
今ひとつ、愉悦感に乏しいといえます。
対するタスミン・リトル盤は痩せすぎず、贅肉もない、
適切な音のプロポーションを保っています。
演奏者を忘れて、20世紀初頭の大英帝国の落日が見えてくる感じ、
とでもいいましょうか・・・
深刻ぶらず、重苦しすぎず、なおかつ音楽の高貴さと高揚感を保ち続けています。

ヒラリー・ハーンのファンにとっては、
上記アルバムはもちろん十分満足できる内容です。
一方、エルガーのヴァイオリン協奏曲の良さ・すばらしさを堪能したいなら、
ぜひタスミン・リトル盤に耳を傾けてみてください。
名盤入り決定!

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