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2013年1月の11件の記事

2013年1月25日 (金)

新名盤?〜タスミン・リトル(Tasmin Little)によるエルガーのヴァイオリン協奏曲

イギリスのヴァイオリニスト、
タスミン・リトル(Tasmin Little)をご存知ですか?
実は私もつい最近知ったばかりです。
イギリスでは人気があるそうですが・・・

先日、飛行機の機内放送で、
暇つぶしにクラシック音楽をいろいろ聴いていました。
その中で、印象に残ったのが、
先日記事にした、ラトル指揮ベルリン・フィルによる
ブルックナーの交響曲第9番(第4楽章付)と、
今回紹介する、
タスミン・リトル(Vn)
サー・アンドリュー・デーヴィス指揮
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団による、
エルガーのヴァイオリン協奏曲(他2曲)でした。

Tasmin Little Plays Works By Edward Elgar [SACD, Import]

たいして期待しないで聴いたのがよかったのでしょうね。
飛行機の機内放送用のヘッドホン(あまり質が良いとはいえません)でも、
音の良さと演奏のすばらしさが十分に伝わってきました。
全曲演奏すると50分かかるこの作品を、
タスミン・リトルの演奏では、
時間の長さを忘れるほど充実して堪能することができました。

これはすばらしい!と思い、
思わずCDを買ってしまいました。
SACDハイブリッド盤です。

録音の優秀さもさることながら、
何よりも、充実した演奏はこの曲の時の長さを忘れさせるほどでした!
甘美な第2楽章はもちろんのこと、
第1楽章・第3楽章の魅力にようやく開眼させられました。
後述のヒラリー・ハーン盤と聴き比べても、
こちらの方が断然すばらしく、ヒラリー盤は手放してもいいかな、
とさえ思ってしまいました。
全曲の中では、特に第3楽章が非常な名演といえると思います。
演奏者のテクニック云々よりも、
作品の魅力そのものがダイレクトに伝わってくるような演奏です。
オーケストラもダイナミックさと繊細さどちらも満たしています。
ここ数日、毎晩のように聴いています。

ところで、エルガーのチェロ協奏曲はジャクリーヌ・デュ・プレの名演で、
とても人気が高いですが、
ヴァイオリン協奏曲は不人気です。
実は私も、甘美な第2楽章こそ好きでしたが、
第1楽章、第3楽章は敬遠していました。
ブルックナーがヴァイオリン協奏曲を作ったらこんな感じかな、
などと思うほど、重厚長大な(というよりは、野暮ったい)作品で、はっきり言って、
よほどのエルガー・ファンでない限り、聴いてて疲れるか飽きると思います。

初めてこの曲を聴いたのは十数年前、
シベリウスのヴァイオリン協奏曲とカップリングされていたNaxosのCDによります。
(どうしてこの盤を選んだのかは忘れてしまいましたが・・・)
第1楽章、第3楽章は演奏時間を見てまず辟易し、
実際に聴いてみて、最初の数分で「面白くない・・・」と思ってしまいました。
しかしその代わりに、第2楽章は大いに気に入りました。
数あるヴァイオリン協奏曲のアダージョ楽章の中でも、
最も美しいものではないでしょうか。

(たぶん、聴いたのはこの盤のようです。↓)

Sibelius & Elgar:Violin Concertos

近年になって、ヒラリー・ハーンの演奏に惹かれ、
ついでにエルガーのヴァイオリン協奏曲のCDも手に入れていました。
あのヒラリー・ハーンの演奏によってでさえも、
第1楽章・第3楽章の魅力を知ることはできませんでしたが、
とりあえず美しい第2楽章を時々聴けたら十分だと思っていました。

エルガー:ヴァイオリン協奏曲

改めてタスミン・リトル盤とヒラリー・ハーン盤を聴き比べてみると、
ヒラリー・ハーン盤は線の細さが気になります。
過度のダイエットで痩せすぎて元気がないような・・・
今ひとつ、愉悦感に乏しいといえます。
対するタスミン・リトル盤は痩せすぎず、贅肉もない、
適切な音のプロポーションを保っています。
演奏者を忘れて、20世紀初頭の大英帝国の落日が見えてくる感じ、
とでもいいましょうか・・・
深刻ぶらず、重苦しすぎず、なおかつ音楽の高貴さと高揚感を保ち続けています。

ヒラリー・ハーンのファンにとっては、
上記アルバムはもちろん十分満足できる内容です。
一方、エルガーのヴァイオリン協奏曲の良さ・すばらしさを堪能したいなら、
ぜひタスミン・リトル盤に耳を傾けてみてください。
名盤入り決定!

2013年1月24日 (木)

人の死なないミステリ読み比べ〜松岡圭佑『万能鑑定士Qの事件簿』Ⅰ・Ⅱ・Ⅹ(角川文庫) VS 三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫)

二十歳過ぎてからは、あまり小説を読まなくなった私ですが、
最近、面白いと思って読んでいる小説シリーズがあります。
松岡圭佑万能鑑定士Qの事件簿』シリーズです。
(正しくは「Qシリーズ」というそうですが・・・)
数年前、東京に行った時に、電車・地下鉄の中吊り広告等で、
ちょっと怖そうな絵と、
面白くて知恵がつく 人の死なないミステリ」というキャッチフレーズを見かけて以来、
気にはしていたものの、読む機会はありませんでした。
(ミステリ=殺人事件のはずなのに、
「人の死なないミステリ」というのが、ひっかかりました。)

最近、教会学校の小学校高学年〜中学生向けに、
マンガだけでなく、小説も読ませたいと思うようになりました。
マンガならある程度知っているので目が利きますが、
ティーン向けの小説って、何がいいんだろう?と考えました。
ソードアート・オンライン』とかのアニメ化されているライトノベル(ラノベ)等を
幾つか立ち読みしてみましたが、
私自身がどうもその文体に入っていけないのです・・・
あるいは、『俺の妹が・・・』とかその類だと、
エロ要素が結構あり、却下でした。
(エロとグロは教会には不向きです。
その他に、超能力とかエクソシストとかのオカルト要素ものや、
「神様」になってしまう類の話も不可ですね・・・)

そこで思い出したのが、『万能鑑定士Q』のシリーズでした。
(もう1つは、『氷菓』シリーズでしたが・・・)
少し立ち読みしただけで、「面白そう!」と直感しました。
知性と教養を尊ぶ姿勢が随所にみられますし、
何よりストーリー展開が巧みです!
約300頁、様々な分野の薀蓄に驚嘆しながら、
たくさんある伏線を手繰り寄せての謎解きを楽しみました!

万能鑑定士Qの事件簿 I (角川文庫)


万能鑑定士Qの事件簿 II (角川文庫)


万能鑑定士Qの事件簿X (角川文庫)


Ⅰ・Ⅱの力士シールからハイパーインフレへの話の飛躍は、
わずかな隙間からの漏水が洪水を引き起こすような感を抱きました。
ハイパーインフレの狂乱の描写は、
新約聖書の「ヨハネ黙示録」の一節を連想しました。

わたしは、四つの生き物の間から出る声のようなものが、こう言うのを聞いた。「小麦は一コイニクスで一デナリオン。大麦は三コイニクスで一デナリオン。オリーブ油とぶどう酒とを損なうな。」
(新約聖書ヨハネの黙示録6:6新共同訳)
(※1コイニクス=約1。1L、
1デナリオン=古代ギリシャ・ローマ時代の1日分の賃金⇒現代なら約1万円ぐらい)
⇒小説では、週刊少年ジャンプが数千円とか、
東京→沖縄の片道運賃が数十万円になる、といった描写が出てきます。

読んでいて「へぇ〜」と思う知識がたくさんあるのですが、
その中でも「!!!」と思ったのが、
Ⅹ(Ⅰ・Ⅱの直接の続きに相当する)に出てくる、
「二桁どうしの数字の掛け算で、
十の位が同じ・一の位が足して10になる場合、
答えは簡単に出せる」(今手元にないので何頁か忘れましたが・・・)
というところでした。
(例)74☓76=5624
(7×8=56、4☓6=24)
仕組みはぜひ小説でお読みください。

主人公の凜田 莉子の描写はいろいろと出てきますが、
恋愛関係にならないところがかえって好都合です。
劣等生だった主人公がいかにして論理的思考と広範囲な知識を身につけたのか、
小説とはいえ、若い世代には生き方のヒントになるかもしれません。
これなら、小学生には少し難しいものの、
中学生以上ならオススメできる作品です。
まだ全シリーズを読んではいませんが、
そのうち全巻踏破をしたいと思っています。

余談ですが、確かにこのシリーズ、殺人の話は出て来ませんが、
ハイパーインフレによる治安悪化の際に、
結構「犠牲者」が出ていたのでは、と勘ぐってしまいました・・・
あと、表紙の絵はあまり好きではありません・・・


「Qシリーズ」のついでに手を出してみたのが、
2013年1〜3月の「月9」ドラマ化された、
三上 延 ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫)です。
表紙の清楚な女性像は魅力的ですね。

最初の20頁くらいまでは、なかなか作品に入り込めませんでしたが、
ヒロインである栞子さんが出てくるところあたりから、
急に物語が白黒からカラーになったような展開となり、
ようやくその世界に踏み入ることができました。

「Qシリーズ」は国家を揺るがすような大事件に取り組んだりしますが、
「ビブリア」の方はまさに私小説の世界です。
「第四話 太宰治『晩年』(砂小屋書房)」でようやく、
少しミステリらしい展開になりますが、ささやかなスケールです。

本が大好きだが人と接することが苦手で、入院中の栞子さんと、
本が読めない「体質」だが本の話を聴くのが好きで、
動きまわることができる主人公の青年。
相補いあう二人のやり取りで物語は展開されます。
祖母の死とかの話は出てきますが、
少なくとも1巻では殺人事件は出て来ません。
主人公の五浦は、我々読者の代表のような存在でしょうね。

こちらは角川と講談社でマンガ化されていますし、
剛力彩芽さん主演のドラマが放送されていますね。
しかしあえて言えば、下手に映像・視覚化しないで、
各人がそれぞれ「栞子さん」を思い描いた方がいいのでは、
と考えます。
書店で「お試し読み」として、
講談社版の「ビブリア」のマンガ版がありましたので、
少し読んでみました。
小説版の清楚なイメージを壊す感じがしました。
また、剛力彩芽さんがドラマでは栞子さんを演じていますが、
小説表紙のロングヘアと
剛力彩芽さんのショートカットヘアではかなりイメージが異なりますし、
あまり役にあっていないのでは、という印象を受けました。
(松下奈緒さんあたりなら、ピッタリかも?)

ともあれ、こちらも気づけばすっかり魅了されてしまいました。
中学生向けとしては?かもしれませんが、
本好きな子なら、案外大丈夫かもしれません。
古書を通して、読書の世界を広げるきっかけになるといいですね。
鎌倉が舞台なのも少し魅力的でした。
謎解きは少しご都合主義かな〜とも思いましたが、
ヒロインの魅力に免じて目をつぶることにしましょう。
現在2巻目を購入し、そのうち読む予定です。
最初の部分だけ少し読むと、
「巨乳」云々の記述が出てくるのが少し残念・・・

ちなみに、私は中学生の時に、よく古本屋巡りをしていましたよ。
星新一の作品を全部集めるためでした・・・
(しかし、中3の冬に『赤毛のアン』を読み始めてから、
古本屋巡りはやめて、ひたすら新品で買うことにし、今日に至っています。)

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)

(参考)
ビブリア古書堂の事件手帖(1): 1 (アフタヌーンKC) ※マンガ


ビブリア古書堂の事件手帖 (1) (カドカワコミックス・エース) ※マンガ

結論としては、中学生ぐらいにオススメなら、
「ビブリア」よりも「Qシリーズ」を私は選びます。

2013年1月22日 (火)

書評:笹森建美著『武士道とキリスト教』(新潮新書)

先日、紀伊国屋書店の新書コーナーを散策していると、
この本のタイトルと帯が目に飛び込んできました。
武士道とキリスト教
武士道は
愛することと
見つけたり
牧師にして小野派一刀流第17代宗家が説く、混迷を生きる心得。


武士道とキリスト教


帯の写真には、刀を持った和服の眼光鋭い老人の背後に十字架が・・・
これは面白そうな本かも?と思い、さっそく手に取り、
結局即買ってしまいました。
(帯の写真の拡大はコチラ⇒

帯の言葉は、もちろん『葉隠』のパロディというべきものです。
武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり
著者は日本キリスト教団の牧師であり、小野派一刀流第17代宗家です。
他の肩書きは、
「大長刀直元流、居合神無想林崎流宗家も受け継ぎ、
日本古武道協会常任理事を務める。」とのこと。
新潮社のHPから転載)

武士道とキリスト教というのは、相容れないもの、と考えられがちです。
戦いの道と平和の道・・・
しかし、日本の武士道を世界に知らしめた名著『武士道』を書いたのは、
クリスチャン(クエーカー=フレンド教会)である新渡戸稲造でしたし、
もう一人の代表的な日本人クリスチャンである内村鑑三の信仰も、
武士道色が色濃く反映されたものです。


武士道(岩波文庫)


本書では、武士道とキリスト教の接点を、日本キリスト教史を振り返りつつ、
広い視点で論じています。
また、著者の家系は明治以来の日本のキリスト教史
及び教育史の展開に深く関わりがあります。
単なる家族史にとどまらないところが実に興味深かったです。

本書から武士道について、あるいは武士道とキリスト教の関わりについては、
かなり有益な考察を得ることができるでしょう。
「切腹」・「殉死」(殉教)と自殺の違いの考察などは、
「なるほど〜」と思いました。
また、キリスト教の重要な神学概念の一つである「原罪」を、
仏教の「業」(ごう)という言葉に置き換えてもいいいのでは?
(本書P.141)という主張も興味深かったです。
(信仰的には、
六章の「キリスト教は「切腹」を認めるか、武士道に「愛」はあるか」
(P.123〜153)のところが最も興味深く読めたところでした。)
武士道という視点からのごく簡単なキリスト教入門になっていると思います。
(あえて難点を言えば、キリスト教信仰の中心である、
「キリストの復活」⇒「罪からの開放」といったところは、
まったく触れられていません。
しかし伝道が目的の本ではないので、「無いものねだり」ですね・・・)

本書で展開される著者の主な主張は、
武道、いわゆる武士道とキリスト教
-日本におけるキリスト教宣教の一課題として-

という小論文としてネット上で読むことができます。

「武士道とキリスト教」という論点で、
著者とかなり似ている視点で取り上げているサイトも紹介しておきますね。
武士道とキリスト教 
内村鑑三や新渡戸稲造など、明治のクリスチャンたちが
武士道をきわめて高く評価した理由

本書を通して、日本のキリスト教界にはびこる日本伝統文化の軽視が、
少しでも払拭されるといいなと願っています。
クリスチャンの方に特におすすめします。

(引用)
 キリスト教は単なる知識や教養ではなく、人の生き死にをみつめるための「道」です。そして決して西洋だけではなく、全人類のためのものなのです。この基本が理解されれば、必ず日本人もキリスト教信仰に触れることができると考えています。
 一方で、日本人の信者を含むキリスト教側でも、日本、あるいは東洋の精神や武士道の教えについて十分に理解ができているとは思いません。「原罪」は日本語で言えば「業」に近いと述べましたが、こうした訳語を含めて、もっと日本の機微を学んでいかなければと反省しています。
 その両者の結びつきのきっかけに、この書が役立てばと願ってやみません。繰り返しになりますが、キリスト教は全世界に呼び掛けている清潔な、品ある信仰です、先入観を捨ててそのものに触れるならば、日本人こそが良きキリスト者になれると信じているのです。さらに欧米一辺倒のキリスト教ではなく、日本の土壌で潤ったキリスト教と、日本の武士道の精神が全世界に広がれば、秩序と公正、そして安寧が全世界に確立されると確信しています。

(P。184〜185「おわりに」からの引用終)

日本のキリスト教界(プロテスタント・カトリック問わず)の錯誤は、
アメリカや韓国、あるいはヨーロッパで成功した例を、
そのまま日本に持ち込んで、
「だから日本(文化)はダメだ」と叫び続けているところです。
反日であることがあたかもキリスト教的と勘違いしているわけです。
根がなければ、しっかりと枝を張ることはできませんね・・・

日本化されたキリスト教、というよりは「キリスト道」。
日本文化への深い敬意と、深い聖書理解・・・
おそらく、「キリストの幕屋」をもう少しソフトにしたようなものが、
理想的な日本的キリスト教(道)なのでしょうね・・・

一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。
だが、死ねば、多くの実を結ぶ。

(新約聖書ヨハネによる福音書12:24新共同訳から)

2013年1月21日 (月)

ヤンソンス&バイエルン放送響の「第9」〜NHKBSプレミアム・プレミアムシアター「プレミアムシアター ヤンソンス&バイエルン放送響 ベートーベン交響曲全曲演奏会」(2013年1月21日放送)と、つい「第九病」で買ってしまったCD(フルトヴェングラー1942、スウィトナー1982、朝比奈1986)

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団による、
東京・サントリーホールでのベートーヴェン交響曲全曲演奏会
(2012年11月26日、27日、30日、12月1日)
その全曲が、放送で早くも堪能できるとは!
2週にわたってNHKBSプレミアムの「プレミアムシアター」で放送されました。
(2013年1月14日、21日)
演奏時間だけでも6時間近くになる放送でした。
もちろん全部録画しました。

どれも手堅い演奏で、新鮮みや奇抜さこそないけれども、
安心して聴ける演奏でした。
その中で、やはり特筆すべきは、「第9」でしょう。

第4楽章の独唱ソリストの一人、
アルトの藤村実穂子のすばらしさは称賛に値します。
「第9」のアルト(ソリスト・合唱)は、ふつう、存在感が薄いのですが、
見事にソプラノを圧倒していました。
(ソプラノの方が存在感が薄かったのは少し残念デス・・・)
合唱はこの演奏のために、わざわざバイエルン放送合唱団が来日して望みました。
こちらもすばらしい出来!!!
ヤンソンスのオーソドックスな指揮に多少の物足りなさがあったものの、
「第9」の第4楽章のすばらしさで見事帳消しとなり、
満足のできる演奏となりました!

ヤンソンス&バイエルン放送響による「第9」では、
ローマ教皇ベネディクト16世のための御前演奏となった、
ヴァチカンでのライブDVDを持っていますが、
今回の演奏の方がすばらしいものといえます。
(※2013年7月4日追記
放送されたこの演奏会のBlu-ray&DVDが発売されます。

Blu-ray

DVD

(参考)
ローマ教皇ベネディクト16世のためのコンサート マリス・ヤンソンスの第九 [DVD]

上記DVDと同一音源のCD


ヤンソンス・バイエルン放送響のベートーヴェン:交響曲全集(5CD BOX)


ところで、昨年から私はすっかり「第九病」にかかってしまったのかもしれません。
「第九病」とは、ベートーヴェンの「第9」の魅力にとりつかれ、
次から次へとCD等を買い漁ったり、
12月の「第9」コンサートを聴きに行きまくるような「病状」デス。
ということで、またまたCDを買ってしまいました・・・

1.フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル(1942.3/22&24)
タワーレコード限定版です。
同一録音は、Amazon他でも買うことができます。

1942年の録音なので、音質こそ期待できませんが、
有名なバイロイト盤よりも男性的な力強さをもった演奏です。
ティンパニの生々しさは特筆に値します。

2.スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ(1982)
模範的な演奏といえます。
これぞドイツ流「第9」といえる、安心して聴ける演奏です。

ベートーヴェン:交響曲第9番<合唱> [Blu-Spec CD]

3.朝比奈隆指揮NHK交響楽団(1986)
この3枚の中で最も感動した演奏です。
「高齢」により来日キャンセルしたギュンター・ヴァントの代役として、
N響を振ったものです。
(とはいえ、ヴァントよりも朝比奈の方が「高齢」なのでしたが・・・
実際は、ヴァント・朝比奈どちらもこの演奏の後十数年以上現役で活躍しています。)
全曲で約80分近い演奏ですが、中だるみしたところなどなく、
非常に堂々とした演奏となっています。
日本人指揮者による日本のオケ・合唱団・ソリストが到達した、
ベートーヴェンの理想・理念を体現したような名演ではないでしょうか。
あえて難点を言えば、ソリストの面々ぐらいだけでしょうか・・・
私の「第9」ベスト盤の一つに「殿堂入り」決定、かな?

ベートーヴェン:交響曲第9番

2013年1月17日 (木)

田部京子&上海クァルテットによるシューマン:ピアノ五重奏曲〜NHKBSプレミアム・クラシック倶楽部 - 上海クァルテット 演奏会 -(2013年1月14日放送)

上海クァルテット(以下「上海SQ」と略記)、
私にとっては初耳の団体でした。
(室内楽の方は少し疎いので・・・)

2013年1月15日に、上海SQの演奏会が、
NHKBSプレミアムで放送されていました。
収録は2012年10月31日、東京・石橋メモリアルホールです。
上海SQに興味があった、というよりは、
共演者が田部京子さんだったからです。

放送された曲目は、
ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第6番(第2楽章を除く)と、
シューマンのピアノ五重奏曲Op.44でした。
(ショスタコの方は聴くのをパスしましたが・・・)

シューマンのピアノ五重奏曲、何度か聴いたことがあります。
近年では、アルゲリッチらによる、
東日本大震災のためのチャリティ・コンサート」(2012年1月29日放送)で、
ピアノの女王様アルゲリッチによる堂々とした演奏を聴いたことがあります。
その他、グレン・グールドのアルバム
(カップリングはブラームスのピアノ五重奏曲)とか、
後は演奏者が誰だったか忘れてしまうようなのがいくつか・・・
しかしどれを聴いても、さほど好きにはなれなかった曲です。
上述のアルゲリッチの演奏では、シューマンを聴くというよりは、
アルゲリッチの演奏を聴くのがメインになりますね・・・
ピアノの女王様にひたすら奉仕する4人のナイト?
当然、ピアノばかりが印象に残ってしまいます。

(参考:グールド盤※輸入盤)


今回取り上げた、田部京子&上海SQの演奏は、
ピアノは王女様的に適度に華やかですが目立ちすぎず、
少し地味な上海SQの演奏を見事に盛り立て、
理想的ともいえるような心地良いものに仕上がっていました。
放送されたものは録画しておいたので、
ここ数日間でかれこれ10回近く聴いています。
この曲の魅力にようやく開眼させられた演奏となりました。
田部京子さんの演奏は、
クララ・シューマンその人が弾いているかのような印象さえ受けます。

田部京子さんはカルミナ弦楽四重奏曲と、
2008年にこの曲を録音しています。
試聴した限りでは放送の演奏との優劣はちょっとわからないですね・・・
(短い中でも、
カルミナSQのはじけるような新鮮味ある音色が魅力的だとは思いましたが・・・)
ちなみに、この盤は、
2008年度の音楽之友社レコード・アカデミー賞受賞(室内楽部門)を受賞しています。
ご興味のある方はどうぞ。
(私もそのうち手に入れるかもしれませんが・・・
しばらくは放送録画の演奏で十分かな?)

[Hybrid SACD]

[SACD, SHM-CD]

2013年1月16日 (水)

BS朝日・三ツ星エンタメ!小倉・住吉のおスミつき「諏訪内晶子×ヴァイオリン」(2013年1月14日放送)

BS朝日の「三ツ星エンタメ!小倉・住吉のおスミつき」という番組、
今回初めて観ました。
小倉智昭さんと住吉美紀さんがMCとして、
「エンタメ」の各界で活躍する著名人と対談していく番組のようです。

2013年1月14日放送では、私の好きなヴァイオリニストの一人、
諏訪内晶子さんがゲスト登場していました。
これはぜひ観なくちゃ!
ということで、録画してじっくり観ました。
番組詳細は、番組HPでどうぞ。

相変わらず妖艶な美しさですね。
それ以上に、音楽そのものが結晶化したような、
一点の曇りのない演奏も相変わらず!
番組の中では、生い立ちから現在に至るまでの他に、
「亜麻色の髪の乙女」(ドビュッシー)、
「スペイン舞曲」(ファリャ)、
「ツィゴイネルワイゼン」」(サラサーテ)も演奏してくれました。

番組の中で、諏訪内さんの話とは別に興味深かったのが、
ハイフェッツら往年の巨匠たちの演奏方法の映像と、
楽曲分析のところでした。
巨匠たちは、演奏技巧の誇示のためには、
楽譜を改変するのは日常茶飯事だったようですね。
映像と楽譜がシンクロするところは、「なるほど〜」と思わされました。
また、ヴァイオリンを修理する職人の話も興味深かったです。
なかなか好番組かもしれませんね・・・

2013年1月30日には、
「プレリューディオ~諏訪内晶子ベスト・セレクション【SHM-CD】」
というベスト盤CDが発売されます。
(けっこうベスト盤が多いのですが・・・)

数ある諏訪内さんのCDの中で、
室内楽ものと協奏曲ものから各1枚をオススメするとしたら・・・
私なら、次の2枚を選びます。

室内楽ものでは、「スラヴォニック」です。
これはCD入手が少し難しいようですが、
ユニバーサル・ミュージック・ジャパンの諏訪内さんのHPでは、
今のところ、現役盤となっています。
(iTunesでダウンロード可能です。)



協奏曲ものでは、バッハとシベリウスどちらにしようかと迷いますが、
人間世界を遥か離れた音楽が結晶化された演奏といえる、
シベリウスの方をとりましょう。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲の最美演奏です。


2013年1月15日 (火)

天国への蛇足?〜ラトル指揮ベルリン・フィルによるブルックナーの交響曲第9番・第4楽章

先日、飛行機の機内放送で、
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによる、
ブルックナーの交響曲第9番の演奏を聴きました。
後で調べると、2012年2月のライブ録音、とのことです。
機内での退屈しのぎのBGM的に流していただけなので、
しっかりと聴く、というほどではありませんでした。
演奏はなかなかのものですが、感動するほどではなかったかな・・・

国内盤 [Hybrid SACD, SACD]

輸入盤(通常CD)

さて、第3楽章も終わり、違う曲を選ぼうか・・・と思っていた矢先、
聴きなれない不吉な感じの音楽が・・・
えっ、第4楽章?!
第3楽章コーダの「天国」での浄福から、
一気に「煉獄」か(カトリック的に言えば)、
あるいは終末の世界に突き落とされたような不穏な音楽・・・

部分的に、ブルックナーの他の交響曲からの引用らしきところがあったり、
学問的には興味深いものがあるのでしょうが、
正直、「天国」への蛇足のように思えました。
冗長で退屈、第3楽章の幸福感をぶち壊すような楽章です。
ラトルの演奏は、他の補筆版による演奏に比べれば、
かなりすばらしいものと言えましょうが、
ベルリン・フィルの美音によっても、
第4楽章の音楽的価値を伝えることはできなかったといえます。

ブルックナーの「第9」の第3楽章は、疑いなく、
彼の全作品の中で最も美しいものです。
音楽の中で、大天使や終末の救いの様子が見えてきそうなほどです。
聖書の終末の救いの様子の箇所を想起させます。

すなわち、合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、主御自身が天から降って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し、それから、わたしたち生き残っている者が、空中で主と出会うために、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます。このようにして、わたしたちはいつまでも主と共にいることになります。
(新約聖書テサロニケの信徒への手紙Ⅰ4:16〜17新共同訳)

ブルックナー自身は、この曲が完成しなかったら、
第4楽章の代わりに「テ・デウム」を演奏するよう示唆したそうですが、
(朝比奈隆指揮大阪フィルのCDで、実際にカップリングしたものがありましたが・・・)
交響曲第9番は、第3楽章で終わることこそ、最も美しい終わり方だと思います。

以前、クルト・アイヒホルンの演奏による、
「第9」第4楽章補筆完成版(サマーレ&マッツカ校訂)を聴いたことがあります。

アイヒホルンによるブルックナー・交響曲選集

フィナーレのところは確かに感動的ですが、そこに至るまでは、
やはり天才の霊感が欠けている、気の抜けたような代物に過ぎませんでした。
ブルックナー・マニアなら、聴く価値があるのかも知れませんが、
一般にはおすすめできません。
シューベルトの「未完成」と同様、この曲は第3楽章までで十分なのです。

作曲者の死後、別の作曲者・学者が補筆完成したものとしては、
モーツァルトの「レクイエム」、プッチーニの「トゥーランドット」、
マーラーの「交響曲第10番」のデリック・クック版が、
成功した例として挙げられますが、
他の場合はは大抵、「蛇足」みたいなものです。
ブルックナーは、形式的な人ですから、
第4楽章を作って完成させるのを望んでいたとは思いますが、
天がそれをストップさせたのかもしれませんね。

ブルックナーの「第9」は、ブルックナーの作品の中で最も好きな作品なので、
いろいろな指揮者の演奏で聴きました。
ヴァント(NDRとBPO)、朝比奈隆(何種類か)を始めとして、
カラヤン(二種類)、バーンスタイン、ムラヴィンスキー、
マタチッチ、ベーム、ジュリーニ(新旧)、シューリヒト、クレンペラー、
ヨッフム(新旧)、ワルター、レーグナー・・・(他にもあったはず・・・)
この中でオススメを2枚あげておきます。
ギュンター・ヴァント&BPOと、ジュリーニ&VPO盤です。
曲そのものの美しさを細部まで楽しみたいなら、ヴァント盤を、
第3楽章が最も美しい演奏なら、ジュリーニ盤です。
まるで大天使が終末のラッパを力強く高らかに奏しているのが見えるかのようです。

ヴァント盤(Hybrid SACD)

ジュリーニ盤

2013年1月13日 (日)

目で聴く?アリス=紗良・オットのグリーグ・ピアノ協奏曲〜NHKBSプレミアム・特選 オーケストラ・ライブ「NHK音楽祭2012 ロリン・マゼール指揮 N響」(2013年1月13日放送)

日曜朝のお楽しみ、NHKBSプレミアムの「特選オーケストラ・ライブ」。
2013年1月13日放送は、
NHK音楽祭2012 ロリン・マゼール指揮 N響」として、
2012年10月29日にNHKホールで行われたコンサートの放送でした。
指揮はロリン・マゼールなので、
実は最初からあまり期待していませんでしたが
(マゼールファンの皆様、ゴメンナサイ・・・)、
アリス=紗良・オットの独奏によるグリーグは、
もしかして期待できそう?
と思い、録画して視聴してみました。

最初に、グリーグのピアノ協奏曲の演奏以外について。
ベートーヴェンの「レオノーレ序曲第3番」、
チャイコフスキーの交響曲第4番、
アンコールの「ルスランとリュドミーラ」序曲。
どれも演奏そのものには瑕疵がないですが、
少なくとも私にとっては、心に響くものがありませんでした。
なのに、「ブラボー!!!!」の嵐・・・

さて、グリーグのピアノ協奏曲についてのコメントに移りましょう。
アリス=紗良・オットは、なんと裸足でステージ上に現れました!
CMに出演してしまうほどの容姿端麗さは確かに魅力ですね・・・
(そのうち資生堂の「TSUBAKI」CMあたりに出てもおかしくないほど・・・)

第1楽章はかなりおとなしい感じでした。
第2楽章以降が彼女の表現力がよく現れていると思われました。
ミスタッチが散見されるものの、
録画の随所に出てくる、うっとりとした表情や、
うれしそうな笑顔が、些細な事を忘れさせてしまいます。
ビジュアルを抜きにしても、
第2楽章などは北欧の短い夏に咲く野の花を思わせるような美演でしたよ。

全体的には、もし音だけ聴くなら、「佳演」どまりでしょう。
しかし、映像を見ると、つい甘く評価したくなってしまいます・・・
女優の吹石一恵さんになんとなく似ているような・・・

マゼールとN響は名サポートをしていましたが、
さすがに第3楽章のコーダは芝居がかって、やり過ぎかな、と思いました。

比較のために、手持ちのCDを聴いてみました。
ルドルフ・ケンペ指揮ミュンヘン・フィル、
ネルソン・フレイレのピアノによる1968年の録音です。
冒頭部分はこちらの方が激しく、曲そのものを堪能するなら、
このCDをおすすめします。
(以前記事を書いています。
NHKBSプレミアム・プレミアムシアター「ベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサート2011」(2012年1月21日放送)附:ウィーン国立歌劇場の「こうもり」(2011年12月31日公演)

グリーグ&シューマン:ピアノ協奏曲

上記記事で紹介している、ラトル指揮BPOとキーシンによる、
グリークのピアノ協奏曲他のコンサートは、Blu-ray化されています。

Dances & Dreams [Blu-ray] [Import] (2011)

アリス=紗良・オットは、まだまだ未知数かな・・・
今のところは、映像付きで聴く=目で聴く(?)のをオススメしましょう。

ピクチャーズ(初回限定盤)(DVD付) [CD+DVD, Limited Edition]

2013年1月 7日 (月)

エッファタ!(開け!)〜唾と泥と賜物と・・・(附:ブログ一時休止のお知らせ)

それからまた、イエスはティルスの地方を去り、シドンを経てデカポリス地方を通り抜け、ガリラヤ湖へやって来られた。人々は耳が聞こえず舌の回らない人を連れて来て、その上に手を置いてくださるようにと願った。そこで、イエスはこの人だけを群衆の中から連れ出し、指をその両耳に差し入れ、それから唾をつけてその舌に触れられた。そして、天を仰いで深く息をつき、その人に向かって、「エッファタ」と言われた。これは、「開け」という意味である。すると、たちまち耳が開き、舌のもつれが解け、はっきり話すことができるようになった。イエスは人々に、だれにもこのことを話してはいけない、と口止めをされた。しかし、イエスが口止めをされればされるほど、人々はかえってますます言い広めた。そして、すっかり驚いて言った。「この方のなさったことはすべて、すばらしい。耳の聞こえない人を聞こえるようにし、口の利けない人を話せるようにしてくださる。」
(新約聖書マルコによる福音書7:31〜37新共同訳)

新改訳のBIBLE navi (バイブルナビ)
(聖書 新改訳 解説・適用付)で、このマルコ福音書7章を読むと、
耳が聞こえず、口のきけない人」(マルコ7:32〜37)
のいやしのところの解説・適用に、次のようなことが書いてありました。
(P.1607から引用)
7:34イエスは「開け」と言うとき、この耳が聞こえない人にも理解できるようなことばを用いられた。いやしのメッセージは、個人的であり独特である。いったい誰が、つばが力あるわざの手段となると思っただろう。あなたの教会で、あかしの手段が1つしかなかったら(例えば、説教)、多くの人々は、聞こえないかもしれない。教会は、さまざまな要求を満たすため、異なった方法を必要とする。音楽家に演奏してもらおう。俳優に演じてもらおう。作家に執筆してもらおう。創造力のあるクリスチャンたちに、話をしてもらおう。イエスは、つばと泥を用いられた。私たちも、人々の心に訴える方法がきっとみつかるはずである。
(引用終)※下線は筆者による。



私たちの才能・賜物も、創造主である神様から見れば、
「つばと泥」に過ぎないのかもしれません。
しかし、それらを用いてイエス様がいやしをなされたように、
様々な人々にわかるように、多様な方法で、
神様の「福音」を伝えるのは大事なのだな〜と改めて思わされました。
私のこのブログも、ささやかながら、神様のお役に立つことができれば幸いです。

ところで、1月8日〜12日の間、都合により、ブログを一時休止します。
再開は1月13日の予定です。
この期間、コメントをいただいても掲載・返答できませんのでご了承願います。

主がすべての災いを遠ざけて
あなたを見守り
あなたの魂を見守ってくださるように。
あなたの出で立つのも帰るのも
主が見守ってくださるように。今も、そしてとこしえに。

(旧約聖書 詩編121:7〜8新共同訳)
アーメン!

2013年1月 6日 (日)

年末年始のクラシック音楽番組あれこれ2012ー2013〜N響「第九」、東急ジルベスターコンサート、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート

年末年始のクラシック音楽番組恒例といえば、
N響の第九東急ジルベスターコンサート
そしてウィーン・フィルのニューイヤーコンサートですね。
2012−2013年の年末年始に放送された、
上記3つのコンサートについて書きます。

1.N響の第九(2012年12月31日・NHKEテレ)
今年の指揮はロジャー・ノリントン
例年の「いかにもドイツ〜」的な演奏とは一線を画すものだとは、
聴く前から予想していました。
果たして・・・
ノリントンのトレードマークである「ピュアトーン」(ノン・ビブラート)。
N響の皆さんはだいぶ苦戦したのでは?
ノン・ビブラートでの「第九」を聴くと、確かにすっきりして聴こえました。
余分な贅肉と脂分が全部搾り出されたような感じというか・・・
別なたとえで言えば、カスタマイズした機械を、
工場出荷状態にリセットしたような感じとでもいいましょうか・・・
今まで音の洪水に阻まれてあまり聴こえなかった細部がよく聴こえてきました。
ベートーヴェンのスコアをX線で透視して見えるようにしたような演奏、ともいえます。

第3楽章はとてもあっさりと終わりますが、
セカセカと早い、という印象は受けません。
薄味そうに見えながら、
しっかりと味がついている関西風のうどんみたいな感じ?(*^-^)

第4楽章は、テナーのソリストがかなり残念・・・
声楽が入るところのバス独唱は、
もう少し朗々と歌わせた方がいいのでは、とも思いました。
アルトとソプラノは合格点でしょう。
合唱はハリのある声がとても美しく、満足できました。
女声を前に、男声を後ろにすると、
少し男声パートが弱く聞こえるのは難点でした。
第4楽章スコアの843〜850小節の解釈は実に独特でしたよ。
(かなり間延びした印象を受けました・・・)

全体としては、「音のドラマ」をこの演奏に求めるのは酷です。
情念をゆさぶる感動とは対極の演奏といえますが、
曲の細部の魅力を知るのは価値がある演奏記録といえましょう。

ちなみに、「第九」につづいて「らららクラシック」がやっていましたが、
最初の10分程度見て、後は紅白歌合戦を見ていました。
「ららら〜」としてやるぐらいなら、
例年通り「クラシックハイライト」として放送した方がよかったのでは?


2.東急ジルベスターコンサート
(2012年12月31日〜2013年1月1日 テレビ東京系&BSジャパン)
こちらは、23:30からの放送でしたが、
紅白歌合戦が終わり、「ゆく年くる年」の除夜の鐘を聞いた後、
確か23:53頃から視聴しました。
既にカウントダウン曲の「威風堂々第1番」が始まっていました。
今年の指揮は藤岡幸夫
見事に2013年0時0分0秒ぴったりに、
曲を終わらせたのはさすがでした!
これは「ブラボー!!!」ですね!

2013年最初に聴いた曲は、
ワーグナーの「ローエングリン」第3幕への前奏曲でした。
奇しくも、後述するウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでも
取り上げられていました。
モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」も
新年早々聴けたのはうれしかったです。
神様に感謝!


3.ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート(2013年1月1日 NHKEテレ)

今年の指揮はフランツ・ウェルザー・メスト
2011年に引き続き2回目の登場でした。

今回のコンサートで最もよかったのは、
ワーグナーの「ローエングリン」第3幕の前奏曲でした!
演奏会用の特別コーダのところなど、実にカッコイイ!
それともう1曲、スッペの“軽騎兵”序曲!
シンフォニックな響きが立派でした。
この2曲は録画したものをもう何度も再生して視聴しています。

残念ながら、肝心のウィンナ・ワルツは、
「知る人ぞ知る」という曲がほとんどで、
あまり楽しめませんでした。
知っているのは、ラストの定番の2曲を別とすれば、
せいぜい「天体の音楽」ぐらい・・・
立派な演奏なのですが、愉悦感には乏しいかな、とも思いました。
(ブルックナーやブラームス風の重量感あるウィンナ・ワルツ?)

「エルンストの思い出 作品126」では、
楽団員に何かプレゼントを上げるという演出がありましたが、
あまり面白いものではありませんでした。
昨年のヤンソンスの時の方がまだ面白みがあったといえます。

他に評価できる点としては、バレエは衣装が鮮やかで見事でした。
このコンサートも例年どおり、早々とCD&Blu-ray化されるのですね。
CDは1月23日、Blu-rayは2月13日発売予定とのことです
(※国内盤。輸入盤はもっと早くて安いです。)
(私は録画したものをさらに編集し、抜粋保存で十分ですが・・・
全3時間のうち、結局録画として残したのは51分程度となりました。)

CD


Blu-ray

2013年1月 4日 (金)

謹賀新年&2012年12月のアクセス数ベスト10記事一覧〜今年もご愛読よろしくお願いします

謹賀新年!
あけましておめでとうございます。
本年もご愛読よろしくお願いします。

さて、2012年12月のアクセス数ベスト10記事は以下のとおりです:
(※トップページを除く)
ベスト3までは記事リンクをつけています。

一位.ウコンは肝臓に悪い?~NHK・ためしてガッテン「肝臓の健康を守れSP」
(2011年6月29日放送)

二位.「学びあい」という美名の下の教育の堕落~
NHKEテレ・ETV特集「輝け二十八の瞳 ~学び合い 支えあう教室~」
(2012年2月5日放送)

三位.公立学校で習熟度別授業の導入はプラスか、マイナスか?
~読売新聞北海道版・連載「学力危機」第1部・札幌の格差 (10)を読んで

四位.退職すると訴訟?!社畜から奴隷へ?ブラック企業の恐怖・・・
~NHK・クローズアップ現代「やめさせてくれない~急増する退職トラブル~」
(2012年4月26日放送)

五位.「学び合い学習」は日本の義務教育崩壊を招く!~おすすめ記事『【解答乱麻】 TOSS代表・向山洋一 亡国の教育「学び合い学習」』
(MSN産経ニュース2012年11月24日掲載)

六位.1万円の「北海道&東日本パス」で東京から札幌へ1泊2日片道約1200kmの普通列車の旅
七位.立ち読み日記~『こうすれば日本も学力世界一 フィンランドから本物の教育を考える』(朝日選書)
八位.NHK・地球イチバン「地球でイチバン アタマがよくなる!?授業~フィンランド~」(2012年12月13日放送)と、釧路市の基礎学力保障条例可決(2012年12月14日)
九位.18歳で選挙権という希望?~NHK・クローズアップ現代「18歳は大人か!? ~ゆれる成人年齢引き下げ論議~」(2012年4月11日放送)
十位.フィギュアスケートGPファイナル2012(ソチ大会)を観て

ベスト1は相変わらずアクセス数1000件超えで、総アクセス数は1500以上でした。
忘年会シーズンだからでしょうか?
今回は二位、三位、五位、七位、八位に教育ネタがベスト10入りしていました。
NHKでフィンランド教育を取り上げた影響もあります。
六位の「北海道&東日本パス」の記事も、ちょうど帰省時期だから、
多く読まれたようですね。
かくいう私(ども)も、帰省には「青春18きっぷ」を使いましたよ。
(悪天候で、結局、帰り道には特急自由席を使いましたが・・・)

新しい年!みなさんはどのような「初夢」をみましたか?
私はなぜか教会学校に関する夢でした。
どんな意味を持っているのか、まだわかりませんが・・・
本年、そして今月もご愛読よろしくお願いします。

おまけとして・・・
道東の鶴居村、標茶町の方面にドライブで行ってきました。
丹頂鶴の写真と双子の太陽(?)、エゾ鹿の写真を掲載します。
丹頂鶴は、鶴居村の伊藤タンチョウサンクチュアリにて撮りました。
双子の太陽(?)は、鶴居村から塘路湖方面へ出る道の途中で撮りました。

エゾ鹿は、塘路湖周辺の道路にいっぱいいたうちの1頭を撮りました。
見た目はとてもかわいいのですが、車にとっては脅威なのです・・・
エゾ鹿が道路に飛び出して来て、車にあたれば破損か、
時には車が大破して運転手が死ぬことだってあるのです。
増えすぎたエゾ鹿を駆除して、その肉を学校給食で利用するとか、
何か抜本的な対策が必要ですね。

丹頂鶴
2013new_year_trip_in_doto1

双子の太陽?
2013new_year_trip_in_doto2

エゾ鹿ちゃん
2013new_year_trip_in_doto3

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