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2012年11月20日 (火)

NHK・クローズアップ現代「広がる“派遣教師” 教育現場で何が」(2012年11月20日放送)

教育の分野にまで「派遣」が広がっているとは・・・
東京の私立高校で増えている派遣教員の実態を、
派遣先、派遣元、授業を受ける生徒たちという角度から、
問題点と改善点について論じていた好内容でした。

2012年11月20日放送のNHK・クローズアップ現代では、
広がる“派遣教師” 教育現場で何が」と題して、
増えつつある派遣教師について報道していました。

番組HPから、放送内容を転載します。
(引用)
かつて聖職と言われた教師の現場が、いま大きく変わろうとしている。人材派遣会社から派遣される教師が増えているのである。活用しているのは私立中・高校。少子化や不況の影響で生徒が集まらない私立校が、人件費を削減するために“派遣教師”を利用しているのだ。一方で、教師を志す人たちも、正規教員の採用が年々“狭き門”になる中、“派遣教師”にならざるを得ないという実情もある。派遣教師の広がりは、教育現場に何をもたらすのか考えていく。
(引用終)

今回取り上げられたのは私立高校における派遣教員の問題ですが、
では公立高校(小中もあわせて)はどうかというと・・・
実際のところ、さすがに派遣は使っていないと思いますが、
非常勤講師、期限付教諭などの非正規教員は増える一方のようです。
(これは後で論じます。)

番組で取り上げられた私立高校の例では、
少子化による定員割れから経営難になり、
派遣教員を使うことによってコストカットをはかっている、というのが紹介されていました。

私立高校では、教育委員会の人事の手が及びませんから、
適切な人員配置が難しい、という事情はわかります。
しかし、コストカットついでに教育レベルまで下げるのなら、
何のために高い授業料を払っているのかわからなくなるのではないでしょうか?
番組の中で紹介されたある私立高校では、
生徒を難関大学受験を目指す特進クラスとそうではない一般クラスにわけ、
一般クラスには派遣教師を割り当て、正教員は特進クラスの担当、
というやり方をしていました。
その時間割を見たら、
「この学校の一般クラスの人たちはある意味詐欺の被害者なのでは?」と思ったほどでした。

派遣教員として働く人たちの労働環境も問題です。
番組の中では、月17万円の収入しかない派遣教員が紹介されていました。
教師の仕事は、時間だけ教壇に立ってハイ、おしまい、というわけにはいきません。
一つの授業をするにも、たくさんの勉強や準備時間が必要なのです。
生活保護よりはマシとはいえ、教員という大事な仕事をするのに、
あまりにも割にあわないのではないでしょうか?
しかも、来年の仕事が保障されているとは限りません。
派遣教師自体も、雇用上・経済上のさまざまな不安を抱えながら教えるわけです。
これでは、生活が成り立たないですね・・・

派遣教員なら、契約上、生徒との関係をきちんと築くことができないなど、
教育上のさまざまなデメリットがあります。
放課後、生徒がわからないところをセンセイに聞きにいっても、
センセイがいない・・・
こんな事態になり、もしかすると、学習意欲の低下につながるかもしれません。

実際、ある私立高校では、人件費抑制等のために、
一時期、非常勤講師や派遣教員が全体の3割ほどいたのですが、
学力低下を招き、結局、その割合を1割程度に抑えた結果、
学力向上につながった、というのが紹介されていました。

番組スタッフのブログ記事「スタッフの部屋」では、
こういうコメントを寄せた方がいます。
切実な訴えです・・・

(引用)
私は秋田県の公立高校で非常勤講師をやっている39歳男性です。派遣教師と言うことで取り上げられていますが、公立も人件費削減のために同じことをしております。私は低賃金のために結婚も諦めました。派遣でしたら会議等も免除ですが、雇用継続をちらつかされて職務外のことも断るに断われない環境です。派遣教師の業態は公立学校にもあることを知って欲しいと思います。

投稿日時:2012年11月20日 19:36 | 9R
(引用終)

私立高校では派遣教師ですが、
公立校では非常勤講師や期限付教諭が増え続けています。
小学校ではフルタイムで働くため、時間契約にはならない場合が多いはずですが、
中学校・高校では時間契約(1コマいくら)になるので、
時間には余裕ができるものの、経済には余裕がなく、
ワーキングプアを招いているそうです。

番組の中では、尾木ママこと尾木 直樹さんがコメントしていました。
この人の教育論は私はあまり好きではありませんが、
コメントは的確でした。

文部科学省は、監督官庁として、
私立高校を含む全学校(学校教育法第1条に規定される「1条校」)には、
教員の正規・非正規(派遣含む)教員の数と割合の報告義務を課し、
あわせて、その情報を公開するよう義務づけるなどの法的措置をとるべき、と考えます。
また、非正規教員が全教員の2割を超えてはならない、などの制限も設けるべきでしょう。
守れないなら、私立学校なら認可取り消しなどの重い行政処分もあった方がいいと思います。
児童生徒の学ぶ権利を保障し、あわせて、教員の身分をきちんと保障するためです。

教育は日本の未来を築き、その生徒の将来を大きく左右します。
教育の分野こそ、もっと大幅に税金を投入すべきところだと私は考えます。

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コメント

結婚式節約コンサル幸田 様、
ストーリーセラピスト 様、
コメントありがとうございます。
また、このブログ記事にリンクを張っていただき、
ありがとうございます。
今後ともご愛読していただけたら幸いです。

ブログ(ルパン三世のページ)へのコメントありがとうございました!
11月22日朝8時更新予定の記事には、派遣教師の記事へのリンクを張らせて頂きました。
私の記事の内容は、また好き勝手かいちゃってますが、派遣教師は衝撃的でした。
先生を雇う方も先生になりたい人も必死ですね・・・
映画やドラマばかりじゃなくてニュースもちゃんと見ないといけないなと反省しました。
勉強になりました!!

ブログ参考になります。テレビをほとんど見ないのでこういうサイトが便利です。

この記事へのコメントは終了しました。

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