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2012年9月13日 (木)

映画「ネバーエンディング・ストーリー(The Neverending Story)」と原作『はてしない物語』(原題:Die unendliche Geschichte)

2012年9月8日(9月7日深夜)に、NHKBSプレミアムで、
映画「ネバーエンディング・ストーリー」を放映していましたので、
録画して観ました。
小学生か中学生頃、テレビで観て以来だったので、
「懐かしいなぁ~」というのが最初の感想でした。
当時としてはかなり手のこんだ特撮技術たっぷりの映像ですが、
さすがに昨今のCG全盛の時代の視点で見ると、
仕掛けがミエミエでした。

映画DVD(廃盤?)

最初に観たときはあまり気にならなかった、
ラストシーンの問題性も、今ははっきりわかりました。
(原作者が訴訟を起こしたほど・・・)

映画の問題点(物足りなさ)は、主に3つあります。
①原作の半分ほどの話を映像化したにすぎないこと。
②余計と思えるラストシーン(唐突に白いドラゴンでイジメっ子達に復讐?)
③主人公のバスチャンが原作のイメージと異なり、フツーの子であること。
(原作では「デブでのろま」な少年)

ただ、この映画がなければ、私も後年、原作を読むことはなかったでしょう。
映画の主題曲「Never Ending Story」のすばらしさは、
時代を超えてすばらしいものです。
(近年、車のCMで使われていましたね。)
冒頭で主題曲が流れるオープニングシーンのみは絶賛に値します。

サントラ盤

車のCMで使われていたカバー盤(歌:坂本美雨)

映画は入門編としてはいいですが、やはり原作には全然及びません。
私が原作を読んだのは、20年くらい前です。

原作(単行本)

原作(岩波少年文庫本版)上

原作(岩波少年文庫本版)下

最初の数十頁は、なぜかあまり先を読みたいという気になれなかったです。
実際、冒頭をちょっと読んでから、
結局、半年ぐらい読まずに「ツン読」状態にありました。
(読むスピードが速い私としては、かなり異例でした。)
面白そうなことが先に書かれてあるのだろうけど、なぜか読み進めない・・・
(原作の中では、本を読んでいるつもりが、
いつの間にか、「本に読まれている」ような感じでしょうか?
本も読み手の状況を選んでいるのかもしれませんね?)
しかし、それから半年ほどして、部屋にあったこの本をふと手にとると、
一気に読み進めることができました。
(ちなみに、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』を読破した時も、
同じような状況でした。最初の数十頁は退屈なのですが、
それを乗り越えると、怒涛の世界が待っています・・・)

(参考)
E・ブロンテ『嵐が丘』
(※私が読んだのは、新潮文庫版ですが、古い訳のほうです。)

岩波文庫、新潮文庫、光文社古典新訳文庫で出ていますね。

物語で特に感動を覚えるのは、やはり終盤のあたりです。
物語の世界で英雄になった主人公バスチャンは、本当の自分が誰であるか、
忘れてしまいます。
そういう中で、本当の自分の姿をありのままで肯定し、
もう一度現実世界に戻るところに深い感銘を覚えました。
(今から考えると、禅の「十牛図」に通じるものがありますね。)

十牛図(解説は上記リンク先からどうぞ)
Jyugyuzu

読破した当時、
私は「この作品は西ヨーロッパ文学でダンテの『神曲』や、
ゲーテの『ファウスト』に匹敵する想像力あふれる作品だ」
と思ったほどでした。
(今読み返すとどうかはワカリマセンが・・・)

映画の話に戻りましょう。
この映画を観ながら、実はこの作品、
極めて現代的な視点を持っているのではないか、と思いました。
主人公バスチャンがアトレーユとして活躍するのは本の中ですが、
「本」を「(TV、オンライン)ゲーム」と置き換えてみたらいかがでしょうか?
現実はただの引きこもり青年なのに、ゲームの世界では「神」を標榜するほど、とか・・・

現実の自分を受け入れられず、ゲームの世界だけで英雄やモテ男を気取って、
ついには現実世界と架空世界が逆転してしまうケースです。
バスチャンは現実を受け入れ、積極的に肯定することができましたが、
それらの「英雄」は、いつ現実世界に戻ってくることができるでしょうか?・・・
そういう意味では、「預言的」な本なのかもしれませんね。

私の妻は映画を観てから、原作に興味を抱き、
「ぜひ英語版で読みたい」と言ったので、
さっそく買ってしまいました・・・

英語版

ちなみに・・・
映画版の続編があったのですね。
しかも「第2章」とかという題で、何作も・・・

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