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2011年11月21日 (月)

映画「ダウト ~あるカトリック学校で~」

2011年11月20日に、BS日テレで、
映画「ダウト ~あるカトリック学校で~」が放映されていましたので、
録画して観ました。
以前から興味があった作品でした。
字幕版ではなく、吹替版での放送でした。

映画の主な登場人物は、4人です。
厳格なカトリック学校の校長シスター・アロイシアス(メリル・ストリープ)。
年若い歴史教師のシスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)。
進歩的で生徒達の人気も高いフリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)。
そして、フリン神父と性的関係を持ったのではないかと疑われる、
黒人少年ダニエルの母(ヴィオラ・デイヴィス)。
原作はこの4人のセリフ劇だそうです。


原作:ダウト―疑いをめぐる寓話


シスター・アロイシアスとフリン神父は、
シベリアとイタリアぐらいの違いがあります。
カトリック教会で起こることがある小児性愛(ペドフィル)への疑い。
疑い(ダウト)はどこまでも広がり、
映画の核心を成すシスター・アロイシアスとフリン神父との
直接対決のシーンにつながります。
メリル・ストリープの鬼気迫る怪演に脱帽でした。

結局、映画を最後まで観ても、真実は何だったのかは明らかになりません。
フリン神父はシスター・アロイシアスのウソにひっかかり、
人に言えないような過去(これもよくわかりませんが・・・)を引け目に、
教区から去ります。
シスター・アロイシアスは、
単なる思い込みから人を罪に陥れたという罪責感をようやく認めるところで、
映画は終ってしまいます。

映画の舞台は1964年という設定。
アメリカでは公民権運動がようやく広がってきたり、
カトリックの世界においても、第2ヴァチカン公会議が開かれ、
カトリック教会の刷新が行われようとしていたところでした。
しかし、黒人差別や、カトリックの古臭い教義に固執する人はまだ根強かった。
そんな背景を頭に入れてみると、作品への理解を深めることができるでしょう。
特に黒人への差別は、想像以上にひどかったようです。

象徴的なのは、シスター・アロイシアスが、
教室に1950年代の教皇、ピウス(ピオ)12世の肖像写真を飾るように、
シスター・ジェイムズに命じるところです(当時の教皇はヨハネス23世)。
聖母被昇天を教義化した教皇で、
古色蒼然としたカトリック教会を代表するような人物ですね。

この作品は、9.11後のアメリカを寓話化したものだとか、
いろいろな解釈がなされているようですね。
私は政治的ドラマというよりも、教会でありえるかもしれない話として観ました。

教会でも、心の狭い人が幅を利かせることがあります。
異端審問官のように、裁くのが大好き・・・
(概して保守的で、新しいものを目の敵にしたりすることが多い・・・)
あるいは、根拠のないウワサ話をばらまくのが大好きな人も・・・

シスター・アロイシアスは極端な例ですが
(知っている限り、カトリックのシスターは心が温かい方ばかりですが・・・)、
このような闇は、多かれ少なかれ、誰の心の中にあるのかも?

人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。
人を罪人だと決めるな。
そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。
赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。

(新約聖書ルカによる福音書6:37新共同訳)
人を裁くのに熱心なものではなく、
人を赦したり、慰めたりするのに熱心な者になりたいものですね。

ところで、カトリック司祭の独身制が、小児性愛などの性的虐待を引き起こしている、
という主張がヨーロッパやアメリカでは盛んになっているようですね。
カトリック教会の権威の失墜につながっています。
私見では、独身制は聖書的根拠があまりないと思います。
一律に独身制を強要するのは、自然に反するとさえ思います。
ハリストス正教会のように、
一生独身コースと、妻帯者でも司祭になれるコースに改めていく必要があるのでは、
とも考えています。
結婚は汚らわしいものなどではなく、
神様がお造りになった、聖なるものです。
一方、独身の方が神様に仕えていきやすい、という人も確かにいます。
両方の道を備えた方がいいのは自明の理ではないでしょうか?

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