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2011年10月20日 (木)

NHKの犯罪?~「あさイチ」2011年10月17日放送「放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」

NHKの「あさイチ」の放送時間にはもう家にいないので、
観ていない番組を批判するのは気がひけます。
しかし、NHKをよく観る一視聴者として、
こういうヒドイ番組を放送していたのか、と知り、
NHKに対して失望を隠せません。

2011年10月17日放送の「あさイチ」では、
放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査」と題して、
全国のたった7家族をサンプル家族として抽出して、
食品に含まれる放射性物質を測定してみた、とのこと。
番組HPから実験内容を転載します。
(注:2011年11月6日追記。
以下の文章と測定データは、いつの間にかNHKの番組HPから削除されています。
NHKの「やらせ」だった、ということなのでしょうか?・・・
異常な事態です。
NHK「あさイチ」~放射線大丈夫?日本列島・食卓まるごと調査~
(ブログ名:それって本当?)という記事で知りました・・・)

(引用)
それぞれの家族に一食分余分に食事を作ってもらい、一日分をまとめてミキサーにかけて完全にかき混ぜ、分析用のサンプルを作ってもらいます。それを一週間続けて東京の研究室に送ってもらいました。

分析をしたのは、首都大学東京・福士政広教授研究室です。精密に測定できる「ゲルマニウム半導体検出器」を用い、各サンプル7,200秒かけて分析しました。これは現在通常行われている食品検査より長く、より精度の高い測定ができます。さらに各家庭1サンプルは、30,000秒の追加測定を行いました。

今回、放射性セシウムが検出されたのは、7家族中、5家族。それぞれ一週間のうち1日から検出されました。

・札幌 セシウム134・・・5.69ベクレル/キログラム
・須賀川 セシウム134・・・3.66ベクレル/キログラム
・江戸川 セシウム134・・・4.05ベクレル/キログラム
・目黒 セシウム137・・・8.97ベクレル/キログラム

郡山と廿日市では、今回測った一週間では、放射性セシウムは全く検出されませんでした。
また、水と今年の新米は、各地で別に測定しましたが、今回の調査では放射性セシウムは全く検出されませんでした。

(引用終)

廿日市は広島県なので、放射性セシウムは検出せず、というのはわかります。
しかし、福島県の郡山で未検出、というのは、眉唾ものかな、と思います。
仮にそのデータが正確であることを認めたとしても、
これをもって、福島県産の農産物・海産物「すべて」が「安全」とはいえないのは自明です。
(測定期間の間だけ、遠い産地の食材を使っていた、という可能性を否定できましょうか?)

この放送内容を知ったのは、
福島県在住の方が書いている「草莽隊日記」というブログによります。
・「福島産農産物の安全PRに躍起になっている国とNHKの犯罪」(2011年10月19日)
記事から引用します。
(引用)
さらに、そうした民主党政権をバックアップするかのように、またもやNHKがやらかしたのが、去る17日のNHKの「あさイチ」である。嗤ってしまうのは、食卓まるごと調査を全国7家族を対象に実施した結果、郡山市の家族だけが0ベクレルであったことだ。ぜひとも同じことを、民間の研究機関に行ってももらいたいと思う。郡山市は空気中の放射線濃度も、1時間あたり1マイクロシーベルトに近いし、セシウムによる汚染も深刻である。だからこそ、除染の必要性が叫ばれているのではないか。それに目を向けさせまいとするキャンペーンに、NHKが手を貸しているのである。しかし、いかに真実を隠蔽させようとしても、国民はもっと利口である。嘘八百を並べ立てていることは、最終的には司法の場に持ち出されるのであり、せいぜい、茶番劇が通用するのは今のうちである。
(引用終)

中部大学の武田邦彦教授はもっと厳しい指摘をしています。
NHKの報道(2011年10月17日あさイチ)
(引用)
NHKが「良い番組」を提供してくれれば良いのですが、本来の目的を失った組織が「良い番組」を提供するというのは至難の業で、NHKの番組には理解できないある特徴があります。それは「放送の素人のような内容の番組を作る」ということです。その典型的なものの一つが2011年10月17日の朝に放送された「あさイチ」という番組でした。

番組の内容は福島と福島以外のいくつかのご家庭を選び、そこで1週間にわたって食べた食材のベクレル(汚染度)を測定して放送するというもので、放送の結論としては、1)福島の家庭がもっとも食材の汚染がすくなかった、2)気にすると被曝して気にしないと被曝しない、というものでした。

この番組は、1)学校で平均値と個別の値の関係を勉強しなかった人、2)因果関係を考えることを知らない人が制作し、3)映像のもつ力を理解していない(もしくは悪意のある)人が指導した、ということになるでしょう。

たとえば、3年A組の平均身長が160センチ、3年B組が165センチとします。でも、A組でも背の高い人は180センチあり、B組でも背の低い人は150センチの人もいます。だから、A組から一人だけ、B組から一人だけを選んで写真を示し、「B組は背が低い」と言ったのとおなじなのが今回のNHKの「あさイチ」です。

福島から一つ、放射線の無いところから一つの例を出して、結論を出すなど言いようの無いほどひどい番組でした。

映像で断面を切り取ることは印象を深くするのに大切ですが、それを示すときには合わせて統計的なデータを示す必要があります。あまりにひどい番組であることはNHKも知っているので、大学の先生を出して「私が先にやりたかった」と言わせるところなど、とても作為的です。このような手法をとれば、集団の一つを選んでなんとでも言えます。
福島の家庭には汚染されていないものを、遠く離れたところのものは福島のものを食べさせたのか、あるいは九州の原発から放射性物質が漏れていると言いたかったのかと考えられます。

次に、「因果関係」を当たらなければなりません。つまり、「汚染された畑からとった野菜がなぜ汚染されていないか?」ということです。すでに学問的には「移行率」、つまりどのぐらい汚染されていたらそれが植物にどのぐらい移るかという研究があるのですから、「汚染されている畑でとれた野菜が汚染されず、汚染されていない土地のものが汚染されている」ということはあり得ません。もし、放送があったように福島の野菜から放射性物質が検出されず、汚染されていない地域から検出されたなら、慎重に調べなければなりませんので放送できないはずです。

(中略)
さらに、「気にしていると被曝する」と指定ましたが、このようなことを放送するのはきわめて悪質です。たとえば、台風報道、インフルエンザ報道など危険が迫ってくる場合、「注意すること」が被害を減らすことにつながるからです。これからNHKは台風報道にさいして、「注意しない方が安全です」と言わなければなりません。

以上、この放送はまったくひどい放送で、なんの参考にもなりません。NHKが故意に子供に被曝をさせようとしているとしか解釈のしようがありません。

(引用終)

このような数字のトリックに対して「否!」とすら言えなくなった日本国民は、
まさに「愚民化政策」が見事に成功した、稀有な国なのかもしれませんね。
メディアリテラシー「0」・・・
どんな嘘八百(「ただちに健康に影響がない」等)も丸呑み・・・

原発関連の事実隠蔽・改竄・不作為報道は、
BPO(放送倫理・番組向上機構)の「人権侵害」の対象にならないのでしょうか・・・

武田教授は、上記の記事の補足・追加として、
「大丈夫」という人たちに大人の責任を求める」という記事でも、
あさイチ」の問題について書いています。
(引用)
先日のNHKの番組のように、福島県で一つの家庭だけをとって、それがあたかも福島県を代表する平均や、特に危険なところにお住みの方のように放送した場合、10年後に障害がでたら、それを人間は購うことができない。病気になった人の将来は取り戻せない。NHKは絶対に番組内容を保存し、常に視聴者が見ることができるようにすること。
(引用終)

NHKの報道による5年後・10年後の放射能被害に、
NHKはきちんと責任を取るべきです。
セックスレス特集とかセンセーショナルなもので、
視聴率を稼ごうとする姑息な「あさイチ」は放送中止にした方がいいのでは?
(私の妻は、「はなまるマーケット」の方が心が豊かになる、と言っていました。)

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