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2011年9月17日 (土)

NHKスペシャル「生活保護 3兆円の衝撃」(2011年9月16日放送)

9月16日放送のNHKスペシャル「生活保護 3兆円の衝撃」を観ました。
今年4月末の受給者は、
全国で202万人を突破しており、
世帯数で見ると146万世帯を超え、
給付額は3兆4千億円に達しようとしているそうです。
そういう中で、日本一生活保護受給者が多い大阪市の取組を中心に、
生活保護費が闇社会に流れている実態や、
生活保護支給要件の厳格化とそれに反対するNPO法人の働きかけ、
最後は識者2人による生活保護問題の解決策の提示で終わりました。

番組HPから、放送内容を転載します。
(引用)
凄まじい勢いで増え続ける生活保護受給者。今年4月末の受給者は、全国で202万人を突破。世帯数で見ると146万世帯を超え、終戦直後の混乱期を上回り過去最多となった。給付額は3兆4千億円に達しようとしている。急増の背景には、リーマンショックを受け、2010年春に厚生労働省が65歳以下の現役世代への生活保護支給を認めるよう全国の自治体に促したことがある。
全国一受給者が多い大阪市では、市民の18人に1人が生活保護を受け、今年度計上された生活保護費は2916億円、一般会計の17%近くを占めている。危機感を抱く大阪市は「生活保護行政特別調査プロジェクトチーム」を設置、徹底的な不正受給防止にあたると共に、受給者の就労支援に乗り出している。しかし巨額の生活保護マネーに群がる貧困ビジネスは悪質化、肥大化し、摘発は進まない。また、就労意欲の低い受給者に職業訓練や就職活動を促す有効な手立てがない中で、不況下の再就職は困難を極めている。
東日本大震災の影響で今後受給者が更に増えるとも言われる中、今年5月から、国と地方による生活保護制度の「見直し」に向けた協議が始まっている。番組では非常事態に陥った大阪の生活保護をめぐる現場に密着。「働くことができる人は働く」という日本社会の根幹が日に日に毀損されていく状況をどうすれば止められるのか、そのヒントを探る。

(引用終)

番組冒頭では、大阪市の50代の生活保護受給者の様子が映し出されました。
50代で再就職はなかなか難しいので、ある程度は仕方がないのかな、とも思いました。
しかし次に、20代の男性2人(28歳、25歳)の生活保護受給者が取り上げられたときは、
「これはおかしいだろ?!」と思いました。
もはや働く気力さえ失い、生ける屍状態になっている若者・・・
番組でも触れていましたが、最低賃金でフルタイムで働くより、
生活保護を受給した方が収入としては恵まれるのです。
(税金も医療費もタダですしね・・・)
市の担当職員が就労支援に乗り出してはいるものの、
結果は思わしくないようです。
(いかにもフリーター、というような茶髪の若者がハローワークに来て、
「正社員になりたい」と申し込んでいる姿は、現状認識が全然出来ていないな、
と思いました。
観ていてなんとなく
「もしかすると、この若者達は、何らかの発達障害を抱えているかもしれない」
(そうでなければ、暴力団関係者?)とも思いました。
生活保護を2年以上も給付されると、自分から再就職を求めるよりも、
もらいっぱなし状態の方がラクということが染み付いて、
働く気になれなくなるのでしょうね・・・

番組では続いて、生活保護費が闇社会に流れることを取り上げていました。
違法賭博や「支援団体」を名乗る悪徳業者によって生活保護費を巻き上げられたり、
不正に病院から薬物をもらって転売したり・・・
我々の貴重な税金が、闇社会を肥やしている現実は、
なんとも悲しいものがあります。

番組では取り上げられていませんが、
「闇社会」までいかなくとも、パチンコや競馬などのギャンブルにも、
相当なお金が流れ込んでいるのは容易に想像がつきます。


なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)
なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)


では、どうすれば不正受給や生活保護受給者を減らすことができるのでしょうか?
政令指定都市の首長らが集まり、知恵を出しているところのようです。
番組で紹介されていたのは、
・たとえば、生活保護を受けるものは、最低1年間ボランティア活動などに従事し、
勤労意欲を見る。
・生活保護申請の厳格化
などです。
これに対して、生活保護受給者が団結して、反対デモを行う様子や、
NPO法人による保護の様子なども取り上げられていました。
既得権を奪われるのは大変なことですから・・・

最後に、識者2人がどうすれば生活保護受給者増加を防げるか、
具体的な提案をしていました。
一人は、学習院大学教授の鈴木亘氏。
もう一人は、内閣府参与で「年越し派遣村」で有名になった湯浅誠氏。
私としては2人とももっともな意見だと思いました。
より共感してのは湯浅誠氏の意見の方です。

生活保護を最終的なセーフティネットとしながら、
その前段階として、多様な職業訓練を受ける機会を与えるなど、
生活保護を受けなくても済むような社会を構築することが大事だ、
といった主張をされていました。

以前、NHKで、デンマークの雇用対策が放送されていました。
NHK・クローズアップ現代「職業訓練で雇用を生み出せ」(2011年5月19日)
ヨーロッパでの先進的な取組を見習ったり、
(決して、アメリカ型社会を目指すべきではありません!)
あるいは、清掃でも何でもいいから、ボランティア活動をさせたりするなど、
社会の税金に「タダ乗り」状態のヒトを少しでも減らす努力が必要です。
また、そもそも教育において、キャリア教育を行ったり、
読み書き計算という「基礎・基本」を図ることや、
情報機器操作(パソコン)を技術として定着させるなど、
生活保護に陥らないような早い段階からの努力が必要です。
(日本の社会構造全体の変革が必要な分野ですね・・・)

生活保護とは少し話がずれますが、
公務員をもっと増やすと景気回復する」という説をとなえている人がいます。
作家の三橋貴明氏です。

経済と国家がわかる 国民の教養

この説を応用して、生活保護受給者で勤労意欲のある者を、
臨時公務員として採用し、生活保護受給額以上の賃金を支払い、
(税金や社会保険をすべて差し引いても、生活保護費以上になるよう調整)
雇用の確保と生活保護受給者を減少させる、というのはどうでしょうか?
(シロウト意見ですが・・・)
少なくとも、税収につながりますし、当然消費拡大にもつながります。

最後に、今回の番組に関係ある本を何冊か紹介します。

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)
反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)


ルポ 生活保護(中公新書)※北海道釧路市の例が取り上げられています。
ルポ 生活保護―貧困をなくす新たな取り組み (中公新書)


生活保護VSワーキングプア (PHP新書)
生活保護VSワーキングプア (PHP新書)

※9月18日追記

番組の最後でコメントをしていた学習院大学教授の鈴木亘氏が、
NHKスペシャル「生活保護 3兆円の衝撃」の残念さ」という記事を書いています。
番組で発言したコメントは、インタビューを受けたごく一部であり、
恣意的に編集されており、ご本人の主張とはかけ離れている、というものです。
NHKは結構ニセモノ作りが上手ですからね・・・
(特に戦時中の話など・・・)
いやいや、テレビなんて、所詮そんなものなのかも?・・・

鈴木氏の著作も紹介しておきます。

財政危機と社会保障 (講談社現代新書)
財政危機と社会保障 (講談社現代新書)


社会保障の「不都合な真実」
社会保障の「不都合な真実」

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