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2010年12月 2日 (木)

隠れた名脇役、小樽・・・映画「Love Letter」(岩井俊二監督作品)

数年前から、折あるごとに、
妻は、「映画『Love Letter』はとてもロマンティックな作品なので、
一緒にぜひ観たい」、と言ってました。
しかし、レンタルビデオ店ではなぜか置いてなく、
かといって、わざわざ高いDVDを買うまでもないなぁ・・・と思いながら、
観る機会がありませんでした。
たまに、テレビ放映していたようですが、
見逃していました。
ようやく今年の7月頃、レンタルビデオ店(GEO)で見つけましたが、
1995年の映画なのに、なぜか新作扱い・・・
もうしばらく待つことになりました。
そしてようやく最近、
新しくできたTSUTAYAでついにこの映画のDVDを借りる事ができました・・・

岩井俊二監督の作品では、「四月物語」と「花とアリス」を観たことがあります。
どちらも、すてきな作品なので、
傑作として知られる「Love Letter」を観る期待は高まりました。
期待にたがわぬすばらしい作品でした!
この映画は、香港では知らない人がいない、と言われるほど。
今日、小樽が中国、台湾、香港、韓国等からたくさんの外国人を迎える理由は、
この映画の影響が大きいと言われています。
日本よりも伝統的な貞操観念が強い国だからこそ、
この純愛物語が大いにうけたのでしょうね。

映画では、中山美穂さんが一人二役を演じ、
それぞれ多彩な表情を魅せています。
リンカーン大統領の名言をもじって言えば、
この作品は、
「中山美穂の、中山美穂による、中山美穂のための映画」といえます。

映画の中では、3つの恋が対照的に描かれます。
一つは、神戸の渡辺博子と藤井樹の恋。
もう一つは、渡辺博子とトヨエツ演じる秋葉茂との恋。
最後が、小樽の藤井樹(女)と藤井樹(男)との、
中学時代のきわめて淡い恋(恋愛未満)・・・

神戸の恋の方は、セリフの中に少し現われるだけで、
具体的に、どういうものだったのか、まったく描かれていません。
映画の時点での「今」の恋は、濃厚なキスシーンが一つあるものの、
それほど重要なところではありません。
一番印象に残るのは、やはり2人の「藤井樹」の中学時代のところでしょう。
二人は「告白」はおろか、手をつなぐことすらありません。
それでも、想い出の中で美しい記憶として輝いています。
ラストシーンのところは特にすばらしい演出だと思いました。

勘違いから、全然接点のない神戸の渡辺博子と小樽の藤井樹の文通が始まります。
ここのところは、時代の流れを感じさせます。
相手からの手紙を待ちわびる1週間・・・
待ち遠しくも、ワクワクするような時間の流れです。
今のメール時代とは大違いです。
「待つ」ことで「熟成」されるものも多いと思います・・・

有名な「お元気ですか~」と山に叫ぶシーンと、
小樽の藤井樹が高熱で倒れ、病院に運ばれるものの、回復するエピソードは、
死と復活(再生)を象徴するようなところかな、と思いました。

映画全体では、セリフは控えめで、「余白」がいろいろあるところが、
すばらしい余韻をもたらしています。

また、タイトルに書いていますが、
隠れた「名脇役」といえるのが、舞台となった小樽市そのものです。
私は小樽が好きで、なんども行っていますが、
この映画を観て、また新たな魅力を発見できました。
残念ながら、主人公の藤井樹の家とされた民家は、
2007年5月の火事で消失した、とのことです。
小樽市で、なんとか復元してくれないのでしょうか・・・

映画に関するサイトでは、ロケ地詳細など、大いに参考になります。
おすすめは2つです。
・Love Letter ロケ地ガイド
http://loca.ash.jp/show/1995/m1995_loveletter.htm
・映画の生まれた舞台を歩く 小樽編 「Love Letter-喪失と再生の物語」
http://www.hokkaido-jin.jp/issue/sp/200409/sp_01.html

ところで、冒頭に出てくる中山美穂さんは、
どちらの役を演じているのでしょうか?
上記のロケ地ガイドでは、「渡辺博子」の方だ、と書いていますが、
ロケ地は小樽なので、藤井樹なのでは、と思います。
ただ、冒頭のシーンは他のシーンにつながらない(かな?)と思いますので、
どちらの役であってもいいのかな、とも思いました。

折りあるごとに、また観たくなるような、すてきな映画でした・・・

Love Letter

四月物語

花とアリス

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