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2010年8月 6日 (金)

書評:石田勝正著『抱かれる子どもはよい子に育つ』(PHP文庫)

表題から読むと、単なる子育て本、と一言で片づけられそうです。
しかし、実際は、人間の深い欲求である、「愛」と「存在感」について、
理論と実際からわかりやすく解き明かした、「愛の心理学」の本といえます。

一番読んでほしいのは、もちろん、現在妊娠中の方や子育て真っ最中の人です。
赤ちゃんの股関節脱臼を防ぐ「コアラ抱っこ」や、家庭の和を保つこと、
スキンシップの大切さや、産後うつの克服など、興味深い記事が満載です。
(産後うつに苦しむ人は意外に多いようですね。)
それだけにとどまらず、児童虐待のメカニズムや、どうして成人後に刺青を入れる人がいるのか、
自傷行為、大人になれない若者など、「存在感」をキーワードに、しくみを解き明かしているところが、
子育てに関係がない人でも興味深いところです。


自然の流れに逆らっている現代の育児法

もし、私たちの先祖が、次のような言葉を耳にしたら、どう思われるでしょうか。

「抱きぐせをつけるな」
「赤ちゃんをあまやかすな、過保護にするな」
「一人で寝かせて、自立を促せ」
「ゼロ歳児保育の施設を増やせ」
「子育てより、職業が生きがいだ」
「粉ミルクや離乳食缶詰を使えば、母親が楽だ」
「保育は子育ての終わった女性にゆだねよう」
「子育ては男女平等に」
「しつけは三歳までに」
・・・・・・などなど。

先祖たちが、このかわりはてた今日の育児環境をもし見聞きしたら、きっとひどくあきれかえってしまわれると思います。私たちの先祖は、自然に逆らわない育児をしてきました。そのおかげで、私たちは今、地上に生きていられるのです。先祖たちにとってこれらの言葉は、不自然な育児を奨励する、嘆かわしいものに聞こえるでしょう。
(同書P.20~21から引用)

上記の「ゼロ歳児保育の施設を増やせ」については、
最近、私は否定的な立場をとるようになりました。
保育所をいっぱい増やすと、女性は働きやすくなりますが、
その一方で、労働賃金は下がりますし、失業者はかえって増えるはずです。
(特に男性の失業が深刻です。)
あるべき政策としては、保育所を増やすよりも、
妊娠、出産から少なくとも子どもが3歳ぐらいまでは、女性が働かなくとも、
生活が十分に保障されているような社会を目指すべきではないでしょうか。
(そもそも、「待機児童」なるものがなくなります。)
そうすれば、余計な施設建設にお金を使わずとも、
消費が拡大しますし、雇用問題の改善(失業率の低下と賃上げ)にもつながり、
母子の関係にもいいはずです。
愛情を十分に受けて育つ子は、明るい日本を築いてくれるでしょう。
自殺も減るかもしれません。
もちろん、虐待親がなくなるわけはないですから、
行政が子どもの虐待防止に対してもっと介入できるようなシステムにすればよいでしょう。
(参考までに、武田邦彦教授のHP記事、
「幼児の死と日本の家族文化」、もぜひお読みください。)
http://takedanet.com/2010/08/post_8bc6.html


抱かれる子どもはよい子に育つ―こころをはぐくむ愛の心理学 (PHP文庫)



抱かれる子どもはよい子に育つ―こころをはぐくむ愛の心理学 (PHP文庫)


著者:石田 勝正




抱かれる子どもはよい子に育つ―こころをはぐくむ愛の心理学 (PHP文庫)

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