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2010年2月11日 (木)

エンカレッジとディスカレッジ

教育の本質は『エンカレッジ』-つまりは勇気づけるに他なりません。
ところが、日本の場合どちらかといえば、
『ディスカレッジ』-やる気をそぐシステムがあります。
(竹中平蔵著『竹中式マトリクス勉強法』(幻冬舎)P.191より引用)

「エンカレッジ(encourage)」とは、
「励ます、勇気づける、促進する」などの意味があります。
その反対が、「ディスカレッジ(discourage)」で、
「落胆させる、がっかりさせる、勇気を失わせる、やる気をなくさせる、邪魔する」
などの意味があります。

金融担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣などの要職を歴任し、
現在は慶應義塾大学教授の、竹中平蔵氏による、
『竹中式マトリクス勉強法』は、なかなかの好著です。
竹中氏のとった政策に、異論がある人は多いでしょうが
(私もその一人ですが)、
人としての竹中氏は、尊敬に値する人物です。
この本の随所に、その人柄がにじみ出ています。

この本の中で、印象深いところは数多くありますが、
その中で特に1箇所、といえば、冒頭で引用したところの前後です。
日本とアメリカの教育に対する考え方が如実にあらわれています。
少し長いですが、冒頭の文の続きを引用してみましょう。


「 よく日本では、『分をわきまえろ』と言います。しかし、それは換言すれば『100%の力を発揮するな』と部分的に言っているようなもの。行きすぎると、『出る杭は打つよ』と軽く牽制しています。こうした教訓は、若い世代の芽を摘んでいるとしか思えません。
  一方、アメリカの教育にはエンカレッジの精神が根底にしっかりと存在します。私がハーバードで教鞭を取っているときも、娘の小学校を訪問したときも、それはよく感じました。
  こんなことがありました。娘が小学校時代、我々両親が先生に呼び出されたことがあったのです。『呼び出しを食らう』となると、日本の常識では、娘がなにか悪さをやったのかとドキッとするものです。
  ところが、アメリカではこの逆でした。娘がちょっと上手い絵を描いただけで(それが、実はたいした絵ではないのです)、『お嬢さんを、美術学校に行かす気はないのか?』
  あるいは、ちょっと数学や理科でいい点を取っただけで、『この地域に理数系のエリート校があるが、そこに行かせないか』と、こうくるのです。つまり、アメリカで『両親呼び出し』はある意味名誉なことらしい。日本とは、まるで正反対だったのです。
  また、アメリカでは小学校にも、表彰制度がありました。といっても、最優秀成績賞といった、いかにも名誉な賞だけではありません。学校のクリーンアップ(美化)に協力しただとか、運動を頑張っただとか、人にいい影響を与えたとか、日本では考えられないようなことにでも、賞を授与してほめたたえるのです。アメリカは国を上げて実にほめ上手です。
  私は、日本人も、ぜひこの『エンカレッジ精神』を取り入れるべきだと思います。教育とは本来、あれをするなだのこれは危険だの、ネガティブリストをあげつらうのではなく、ああしよう、こうしようとポジティブリストを示唆してあげるものなのではないでしょうか。
 」(同著P.191~193から引用)


まったく同感です。
これは、教育の世界に限らず、職場とかでも通用しますね。
日本の優秀な人材が外国に飛び出して、活躍している、というのは、
日本では互いに足を引っ張り合うような雰囲気だからなのでしょう。
日本の精神風土で、これは特に汚点というべきものです。

「エンカレッジ精神」は、ほかならぬキリスト教会において、
もっと取り入れてほしいものだと願っています。
つくづく、キリスト教会(カトリック・プロテスタント・正教会問わず)というものは、
互いを伸ばすよりも、足を引っ張りあうのが好きなようです。
残念ながら・・・
「ディスカレッジ精神」は、愛に反します。

終わりに、兄弟たち、すべて真実なこと、すべて気高いこと、
すべて正しいこと、すべて清いこと、
すべて愛すべきこと、すべて名誉なことを、
また、徳や称賛に値することがあれば、それを心に留めなさい。
(新約聖書 フィリピの信徒への手紙4:8新共同訳)


竹中式マトリクス勉強法

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