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2009年10月20日 (火)

中国映画『追憶の切符』

今日、たまたま、21時頃に、NHKBS2をつけていたら、
『追憶の切符』という作品をやっていました。
21:00~21:04頃、映画のダイジェストと、
監督の作品への思いが語られていました。
その中で、「おっ!」と思う映像が出てきました。
なんと、マザー・テレサが創設した、
神の愛の宣教者会(ミッショナリーズ・オブ・チャリティー)」
の修道服を着たシスター役の人が出ているではありませんか!
それと、雲南省の雄大で、厳しくも美しい自然に惹かれ、
結局思わず全部見てしまいました。

おそらく、日本では一般公開されていない映画なのでは、
(昨年のNHKアジア・フィルム・フェスティバルで公開されたそうです。)
と思いますので、NHKのHPを引用して、あらすじを書いておきます。

孤児として育った一人の女性が、実の両親を探し出そうとするうちに、
愛の尊さに気づき成長していく様を描いた人間ドラマ。
テレビ局のリポーターとして都会で活躍する女性ユートン。
彼女が今取材しているのは、
おなかの子供が難病だと知りつつも出産に踏み切ろうとする若い夫婦の実情だ。
しかし、幼いころ親に捨てられたユートンにとって、
彼らの決断は不可解に思えた・・・。
雲南省の雄大な風景が美しく感動的。

(NHK BSオンラインより引用)

映画の中では、4組の親子が描かれています。
第1は、おなかの子が難病だと知りつつも、出産に踏み切った若い夫婦。
第2は、主人公の女性と、その養母(シスター)、そして、実の母。
第3は、主人公の友人である男性と、その養母である祖母。
第4は、自閉症の子と、その父親。

主人公は、生まれてまもなく、カトリック教会の前に置き去りにされました。
そのため、シスターの養女として育てられした。
主人公は大人になり、北京でテレビ局のリポーターになりました。
映画冒頭、おなかの子が難病だと知りつつも、
出産に踏み切った若い夫婦に彼女はインタビューします。
若い夫婦は答えますが、彼女にとっては納得がいきません。
「難病を抱えている子が生まれたら、子どもが苦しむことになる。
それなら、堕胎していたほうがいいのでは?」
彼女はそう思っていました。
若い夫婦の子は、出産後、すぐに亡くなってしまいました。

そんな中、彼女にとっての「母」である、シスターが脳溢血で倒れた、
との連絡がきます。
彼女は故郷に戻ります。
シスターは死ぬ間際に、彼女の本当の父母の手掛かりとなる、
2枚の切符を手渡し、彼女に、本当の父母を探すよう促します。
(ちなみに、この映画の原題は、『車票』です。英訳は"ticket"。)
シスターの死後、彼女は、幼馴染の男性とともに、
切符の出発点へと旅立ちます。

そして、ついに彼女は、実父母を探しあてますが、
残念ながら、二人とも既に他界していました。
しかし、実母の遺品の中に、
彼女は亡き母の彼女への愛を見出すのでした・・・

(本来なら、ネタバレものはあまり書きたくないのですが、
たぶん、この作品を今後日本で見る機会は、
あまりないと思われますので、
あえて書いておきます。)

亡き実母は、たくさんの切符を遺品として遺していました。
それはどれも、主人公が育った教会までの切符でした。
そして毎年、1月20日に、その教会で、清掃等の奉仕をしていました。
また、切符の中には、1枚だけ、北京行きの切符が残されていました。
その日付は、主人公の大学卒業の日でした。
主人公は、「母は私を決して見捨てたのではなかったのだ・・・」と気づきます。

映画全体は、なんとなく、青っぽいトーンで彩られています。
昨年の映画なのに、ちょっと古臭い感じさえします。
しかし、雲南省の場面で、それが生きてきます。
あと、中国のカトリック教会の様子が描かれていたのは貴重だと思いました。

また、これは監督の特徴なのでしょうが、
窓の外から人物を撮る、というシーンが多用されていました。
これは印象的な光景でした。

映画の中では、
有名な讃美歌「いつくしみふかき(讃美歌312番)」を元にした曲が、
静かに映画を彩っていました。これはなかなかのものでした。

映画の中で、特に印象的だったのは、
主人公の実母の顔が、一度も映し出されないことです。
必ず、後姿か、横向きの姿だけが描かれています。
あえて映さない、というのは、よい演出効果だったと思います。
実母は、彼女を教会に置き去りにしたとはいえ、
決して彼女からまったく離れてしまったのではなく、
むしろ、彼女が気づかないうちに、そばにいたのでした。

派手なところはありませんが、深い愛情が描かれた佳品だと思います。

さて、映画の中では、子を捨てる、という事が描かれています。
実際、「デパートで乳児が置き去りに」とかのニュースを見ますと、
とても心が痛みます。
まして、「高校生がトイレで出産後、乳児を殺した」などというニュースは、
絶句してしまいます。

どのような理由であれ、「親に捨てられた」、
「親に虐待された」というのは、
子どもにとって、生涯癒しがたい傷を与えるものです。
しかし、あえて言いますが、
子どもを育てられない何らかの理由がある場合、
子どもを殺してしまうよりも(中絶も含めます)、
何らかの方法で(施設に預けるとか、養子とか・・・)、
子どもに生きるチャンスを与えるほうが、
すばらしいことです。
そういう意味で、熊本の慈恵病院における、
「赤ちゃんポスト」の働きは尊いものだと思います。

映画の中では、カトリックのシスターが出たり、
教会でのミサの光景は描かれているものの、
信仰についての話はでてきません。
しかし、「命を大切にする」教会の姿勢は、
控えめながら、描かれていると思います。

ところで、私たちも、しばしば、
「神様に見捨てられた」と思うことはありませんか?
しかし、イエス様はこう述べられました。
わたしは、あなたがたを捨てて孤児にはしません。
(新約聖書 ヨハネの福音書14:18新改訳)
私たちは、今はイエス様の存在に気がついていないとしても、
後の世では、主がいつも私たちとともにおられたことに気づき、
感謝をささげるに違いありません。

映画について書かれているブログを見つけましたので、
紹介します。
http://hkaddict.blog26.fc2.com/blog-entry-2564.html

望まない妊娠でお悩みの方へ・・・
http://www.chiisana.org/

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