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2009年6月17日 (水)

主の祈り(その4)「み名が聖とされますように」

「主の祈り」シリーズの第4回目です。
今回は、「み名が聖とされますように」について考察します。

まず、言葉の訳について、調べてみましょう。
カトリック・聖公会共通版では、
「み名が聖とされますように」となっていますが、
正直言って、少しわかりにくい言葉だと思います。
他の日本語の口語体の訳では、どうなっているでしょうか?
手持ちの聖書で調べてみました。
「御名があがめられますように。」
(口語訳、新改訳、新共同訳、現代訳、エマオ出版訳)
「み名が聖とせられますように。」
(バルバロ訳)
「あなたの名が聖なるものとされますように。」
(岩波書店・新約聖書翻訳委員会訳)
「あなたの御名が聖とされますように。」
(回復訳)
「御名が尊まれますように。」
(フランシスコ会訳)
「(願わくは、)あなたの御名が敬われますように。」
(柳生直行訳)
「あなたの名を尊いものとしてくださいますように、」
(共同訳)
※ここへのコメントとして、共同訳には、以下のような注がついてます。
「『神が神としての栄光を表してくださいますように。』という意味。」

ちょっと煩瑣な記事になってしまいましたね。
要約すると、
「み名が聖とされますように」という表現か、
「み名があがめられ(尊まれ)ますように」の、
2つにしぼられます。

では、「聖とされますように」の、
「聖」とは、いったいどういうことなのでしょうか?
辞書の意味で、「聖なる神」といった場合の、
「聖」とは、「けがれなく、尊いこと」(広辞苑)とあります。
しかし、聖書的な意味での、「聖」とは、
手持ちの聖書事典から抜粋しますと、
「ヘブライ語の『カードーシュ』も、ギリシャ語の『ハギオス』も、
本来は、『分離する』あるいは『遮断する』という意味をもっている。
したがって、『神が聖である』と言われるとき、それは、
神の隔絶性、無比性、尊厳性、主権性・・・(中略)を指示する(中略)」

ますますわからない、ですか?・・・・
視点を変えて、「み名が聖とされますように」ということを、
身近な例で考えてみましょう。
たとえば、「○○の名を汚す」という表現がありますね。
ここで言う「名」とは、単なる「音」ではありません。
その、もの・こと・人・存在の本質をあらわします。
「名は本質を表す」は聖書的発想の重要な一つです。

これは私の解釈ですが、
「み名が聖とされますように」ということは、
「天におられるわたしたちの父」なる神様にとって、
というよりも、むしろ、
「わたしの心において、わたしたち信じる者の間において、
世の中のすべてで」、神様のお名前が、
尊敬され、あがめられ、聖なるものと認識されますように、
ということではないか、と考えます。
神様のお名前に、ふさわしい尊敬が払われ、
大いにあがめられること、
ひいては、多くの人が、そのお名前を信じること、
そうなりますように、ということではないかと、
私は考えております。

十戒の中で、
「あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。」
(旧約聖書 出エジプト記20:7、申命記5:11新共同訳)
というのがありますね。
旧約聖書においては、
「~してはならない。」という消極的な掟ですが、
新約聖書においては、むしろ積極的に、
「み名が聖とされますように。」となったのでしょう。

「主の名を呼び求める者は皆、救われる。」
(新約聖書 使徒言行録2:21新共同訳※他にもあります。)
神様の「み名」には、救いがあります。

「み名が聖とされますように」を、
もう一つ別な視点から見てみましょう。
それは、「賛美」という視点です。

「主を賛美するために民は創造された。」
(旧約聖書 詩編102:19新共同訳)とあります。
私たちは、神様のすばらしさ、きよさ、その愛を知る時、
賛美せずにはいられません。
ちょうど、ロックコンサートに来ているファンや、
あるいはスポーツ観戦の際のファン・サポーターが、
すばらしい演奏や、すばらしいプレイに、
歓声をあげずにはいられないように・・・

しかし、神様への賛美は、
それらの歓声と違って、
ただ空に消えていくものではありません。
「けれども、あなたは聖であられ、
イスラエルの賛美を住まいとしておられます。」
(旧約聖書 詩篇22:3新改訳)
「主を喜ぶことは、あなたがたの力であるから。」
(旧約聖書 ネヘミヤ記8:10新改訳の欄外別訳)

私たちの賛美の中に、神様が住んでくださるのです!
そして、それだけではなく、私たちの力となってくださるのです!
なんとすばらしい約束でしょうか。

だからこそ、私たちは、あらゆる祈りと願いに先立って、
まず神様を賛美するのです。
ちょうど、「主の祈り」のように・・・
「天におられるわたしたちの父よ、
み名が聖とされますように・・・」

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